318 / 336
第318話 コンブの調達
しおりを挟む
「それで大量のお湯を沸かすから、材質はステンレスを使ってくれ」
「お湯を沸かすだけ!? それならヤカンでもいいじゃないの」
「沸かすのはお湯だが、作るのはダシだ。それにヤカンではサイズが足りない」
「うどんのダシ? いったい何人分作るつもり?!」
「ウエモンはリーダーだから、全部話しておこう。実はな、かれこれこういうもので、これこれこういことだ。それでこうなるとそうなって、それがこうなるわけだ」
「……」
「分かったか?」
「変態か?」
「やかましい! 一概に否定はできないけど!」
「だけど分かった。私はその中身を作ればいいのね」
「その通り。最初から最高を目指さなくていい。だが、この世界にいままでになかったものを作る。そういう気でいてくれ」
「分かった。それでなにからすればいい?」
「まずは俺が原料を集めるから、それまではこれを読んで勉強しててくれ。俺がまとめたメモだ」
「へったくそな字」
「悪かったな! それに自分で調べたこととか、分かったことをいろいろ書き足してくれ。それが貯まればノウハウになる」
「うん、分かった」
こいつの分かったはあてになるのかどうか。ちょっと心配だが、とりあえずまかせてみよう。
「スクナがもうじき帰ってくるから一緒にやる」
「なに? もう帰ってくるのか?!」
「スクナはもう試験なんかないつもりだったらしいけど、じつは進級試験を受ける必要があったの」
「進級試験? 単位は全部取ったようなこと言ってたが」
「単位は取ってるよ。だけど進級するには試験が必要なんだって」
「それでシャインが慌ててたのか」
「だけど進級試験には1発合格したって。あとは卒業までに卒論を書けばいいだけらしい。残った手続きとかを済ませたら、帰ってくるって」
「そうか。それは良かった。スクナが手伝ってくれるのなら安心だな」
「私じゃ安心じゃないってのか」
「むちゃくちゃ不安だ痛い痛い痛いっての。俺の愛らしい耳を引っ張るな!」
「どこに愛らしい要素があるのかと」
「この耳全体が愛らしいだろう痛たたたたた、咬むな!! 耳を咬むな!!」
「食欲をそそる耳ではある」
「そそるんじゃねぇよ!!」
「スクナが戻ってきたら一緒にやっていいだろ?」
「ああ、もちろんいいぞ。お前らはふたりでチーム・スクエモンだからな。鉄作りにしろソロバン作りにしろ、お前らの活躍は高く評価している」
「ふん」
「なんだそれ?」
(照れてるんだと思うよ)
(こいつがそんなタマか?)
(あんたはもうちょっと女の子ってものを)
(ああもういいい、ハタ坊。分かったから、説教は勘弁な)
「スクナはあと2,3日で帰るって」
「そうか、それは良かった……けど、なんで俺には連絡ないんだろう?」
「嫌われたんじゃないの?」
「んなことあるかい! 俺とスクナに限っては……限っては……限っては……大丈夫だろうか?」
「自分言ってて自分で心配になるなよ、マゾか」
「そういえば、ホッカイ国に帰るときだって俺に挨拶も連絡もなしでいきなりだった」
「そうだったな」
「で、帰ってくるときもいきなりか」
「そうだな」
「嫌われたんだろうか?」
「ユウは自信家のくせに自信がないのか!」
「なんだよ、そのわけの分からん俺の評価は」
「スクナも帰ってくるの楽しみにしてると言ってたぞ」
あれ。ウエモンのくせに俺を慰めてくれてんのかな?
「私と会うのを」
「そうだと思ったよっ!!」
「そうだ。ここらの水は硬水っていうらしいが、それで良いのか?」
「良く知ってるな。本番ではイセの水を使うが、あちらも硬水だ。だから試験はこちらの水でいい」
「うどん作ってたからな。で、どう違うんだ?」
「ミネラルが多いのが硬水だ」
「みねらるってなんだ?」
「マグネシウムとかカルシウムとかカリウムとか」
「そんな固い水が飲めるかぁ」
「成分の話だ、成分の! まるごと入っているわけじゃねぇよ。そういうのが多いと、ダシが出やすいんだよ。また、アクも出るからアク抜きにも有効だ」
「ふむ。そうなのか。で、ダシにはなにを使う?」
それなんだよなぁ。まずはコンブを入手しないとな。それにはホッカイ国まで行かないといけないが。あっ! あっちにはモナカがいたじゃないか。あいつに調達させよう。
「ほにゃらかほい」
言わずと知れた魔回線へアクセスするための呪文である。これはまあ、良いのだけど。
「こちらユウです。どうかネットワークのお仲間に入れてくださいね」
これがログインの呪文である。これも結構恥ずかしいのだが。
「ごにょごんごにょ(検索呪文)。モナカか? 俺だ、ユウだ。そちらも雪が溶けたと思うが、コンブを入手して欲しいのだが可能か?」
「はい、もう忘れられたのかと思って心配してましたモナカです。コンブですか。こちらには大量にありますよ。量ならヒダカ、コクの強さならラウス、上品さを求めるならリシリと各種取り揃えております」
お前はコンブの実況販売員か。お前が揃えたわけじゃないだろう。しかし良く知ってるな。
「それじゃ、リシリとラウスを5Kgずつ買ってくれ。いくらぐらいになる?」
「えっとですね。こちらの相場で、キロ500円ぐらいなので、両方で10Kg計5,000円ってとこですね」
安っ! 1杯2gもあればいいはずだから1杯1円にしかならんのか。
「それでいい。で、お前はいつ帰ってくる?」
「強力粉用の小麦はもう作付けが終わってますので、すぐにも帰れます。そちらで植えた薄力粉用の小麦も心配ですし」
「あれはミヨシが面倒みてくれているはずだが。じゃ、コンブが用意できたら帰っておいで。きょにゅうもえ」
これが一番嫌だったんだよ! これだけは言っておきたい。俺は巨乳が好きなわけではない。これはただのIDだ! 揉むのが好きなだけだ!!
「いや、そんな自分の嗜好を強調されても」
「よし、これでコンブは入手できた。グルタミン酸はこれで良いだろう。次はイノシン酸だが、これにはカツオ節と煮干しを使おう」
その上に動物系ダシを加える。同じイノシン酸だが、これらは掛け合わせると相乗効果かが生まれるのだ。それが現在でいうダブルスープ方式といやつである。
ただ、こちらには豚はあまりメジャーじゃないようだ。伝書ブタはいるが、あれをダシに使ったら怒られるだろう。かといって牛は野牛しかおらず、よほどの老齢でないかぎり基本農作業用だ。あれもダシに使ったら俺の命に関わりそうだ。
だから鶏ガラを使うしかなさそうだ。鶏か。どこかに鶏を飼っているところ……あ?! そういえばイリヒメのところにグジョウ地鶏がいたではないか。あれを入手して……。
そこに突然、ペケベルがやってきた。
「オウミ様は魔王会議です。ペケベルじゃなくて今度は直にお話しましょうか」
こ、これが嫌でシキ研には行かないようにしていたのに、向こうからやって来るとは。説教されるのは嫌いだ、金だけ出してくれればいいのだ。俺は使いたいだけの金があれば、それだけでいいのだ。なのになんでこんなことに。
「なにを欲望丸出しのことを言ってるんですか。使い放題できるようなお金があったら誰も困りませんよ。今回の戦争の件についておたずねしたことがありましてね」
「う、う」
「う?」
「うがぁぁぁぁぁ!」
「ハルミさんが伝染してますよ?」
あいつに乗りうつられたら俺がエロエロになってしまうではないか。
「イセを支援して熊野とドンパチ始めるそうですね?」
「い、いや、俺が始めるわけでは」
「その手伝いをするという名目で、予算申請が出ているのですが」
「ああ、それは出したっけな。そういえば」
「なんで倒置法? で、戦費の予定が1千万となっているのですが」
「えぇと。だいたいそんなもんだろうって。多めに書くのが普通だろ?」
「多めすぎるでしょ! いったいどれだけの戦力を持って行くつもりですか!」
「戦力は全部で20名ぐらい」
「たった?!」
「それで充分だと思う。魔王がいるしな」
「それなら10万もあれば充分では?」
「必要なのは、その事前準備費用だ。そのための予算だよ」
「いったいどんな武器を作るつもりですか。これだけあれば、ミサイルでも作れますよ」
「そんな物騒なもの、俺が作るわけが……ミサイルがこちらにあるのか?」
「いえ、ものの例えです」
「ややこしい例えをすんな! どこの将軍様かと思ったぞ」
「それから、この仕事を受けるメリットはなんですか」
「それはイセにシキ研の勢力を伸ばせたらいいかなって」
「イセは観光名所は多いですが、山が海まで迫っていて平地が少ないのですよ。だから人口は多くありません。そこでなにを売ろうというのです?」
「う、うがっ」
「サツマのように特殊なブランド商品があるわけでなく、ヒダのように特殊なしがらみがあるわけでもない」
「そんなイセに誰がした?」
「いや、知りませんって」
「魔王が困ってるんだから、助けりゃなんかメリットがあるやろ?」
「それも知りませんよ! 聞くところによれば、二つ返事で引き受けたそうですね。しかも俺にまかせろとまで言ったそうで」
なんでそんなことまで知ってんだ、こいつは??
「そ、それにはちょっとした事情があってな」
「どんな事情かと聞いているんですよ」
うむ。読者にバレないようにと、ここまで頑張ってきたが、そろそろ限界のようである。
「誰に話してるんですか?」
「分かった。それならぶっちゃけよう。俺がやろうとしているのは、食の革命だ」
「蜀の桟道?」
「誰が三国志の話をしているのかと」
「職に行くめぇ?」
「誰が引きこもりの話を、もういいわっ!!」
無理やりなボケにツッコんでいたら、それはいきなりやって来た。
「あ、ユウさん、ただいま!! 卒業決まったよ! もうあと卒論を提出するだけだよー」
といっていきなり抱きついて来たやつがいたのだ。
「いったい誰なノだ?」
「おい! オウミ。それはいくらなんでもボケが過ぎるだろ」
「で、ユウはいったいなにを作ろうとしているゾヨ?」
「読者はもう気づいているよ!!」
「お湯を沸かすだけ!? それならヤカンでもいいじゃないの」
「沸かすのはお湯だが、作るのはダシだ。それにヤカンではサイズが足りない」
「うどんのダシ? いったい何人分作るつもり?!」
「ウエモンはリーダーだから、全部話しておこう。実はな、かれこれこういうもので、これこれこういことだ。それでこうなるとそうなって、それがこうなるわけだ」
「……」
「分かったか?」
「変態か?」
「やかましい! 一概に否定はできないけど!」
「だけど分かった。私はその中身を作ればいいのね」
「その通り。最初から最高を目指さなくていい。だが、この世界にいままでになかったものを作る。そういう気でいてくれ」
「分かった。それでなにからすればいい?」
「まずは俺が原料を集めるから、それまではこれを読んで勉強しててくれ。俺がまとめたメモだ」
「へったくそな字」
「悪かったな! それに自分で調べたこととか、分かったことをいろいろ書き足してくれ。それが貯まればノウハウになる」
「うん、分かった」
こいつの分かったはあてになるのかどうか。ちょっと心配だが、とりあえずまかせてみよう。
「スクナがもうじき帰ってくるから一緒にやる」
「なに? もう帰ってくるのか?!」
「スクナはもう試験なんかないつもりだったらしいけど、じつは進級試験を受ける必要があったの」
「進級試験? 単位は全部取ったようなこと言ってたが」
「単位は取ってるよ。だけど進級するには試験が必要なんだって」
「それでシャインが慌ててたのか」
「だけど進級試験には1発合格したって。あとは卒業までに卒論を書けばいいだけらしい。残った手続きとかを済ませたら、帰ってくるって」
「そうか。それは良かった。スクナが手伝ってくれるのなら安心だな」
「私じゃ安心じゃないってのか」
「むちゃくちゃ不安だ痛い痛い痛いっての。俺の愛らしい耳を引っ張るな!」
「どこに愛らしい要素があるのかと」
「この耳全体が愛らしいだろう痛たたたたた、咬むな!! 耳を咬むな!!」
「食欲をそそる耳ではある」
「そそるんじゃねぇよ!!」
「スクナが戻ってきたら一緒にやっていいだろ?」
「ああ、もちろんいいぞ。お前らはふたりでチーム・スクエモンだからな。鉄作りにしろソロバン作りにしろ、お前らの活躍は高く評価している」
「ふん」
「なんだそれ?」
(照れてるんだと思うよ)
(こいつがそんなタマか?)
(あんたはもうちょっと女の子ってものを)
(ああもういいい、ハタ坊。分かったから、説教は勘弁な)
「スクナはあと2,3日で帰るって」
「そうか、それは良かった……けど、なんで俺には連絡ないんだろう?」
「嫌われたんじゃないの?」
「んなことあるかい! 俺とスクナに限っては……限っては……限っては……大丈夫だろうか?」
「自分言ってて自分で心配になるなよ、マゾか」
「そういえば、ホッカイ国に帰るときだって俺に挨拶も連絡もなしでいきなりだった」
「そうだったな」
「で、帰ってくるときもいきなりか」
「そうだな」
「嫌われたんだろうか?」
「ユウは自信家のくせに自信がないのか!」
「なんだよ、そのわけの分からん俺の評価は」
「スクナも帰ってくるの楽しみにしてると言ってたぞ」
あれ。ウエモンのくせに俺を慰めてくれてんのかな?
「私と会うのを」
「そうだと思ったよっ!!」
「そうだ。ここらの水は硬水っていうらしいが、それで良いのか?」
「良く知ってるな。本番ではイセの水を使うが、あちらも硬水だ。だから試験はこちらの水でいい」
「うどん作ってたからな。で、どう違うんだ?」
「ミネラルが多いのが硬水だ」
「みねらるってなんだ?」
「マグネシウムとかカルシウムとかカリウムとか」
「そんな固い水が飲めるかぁ」
「成分の話だ、成分の! まるごと入っているわけじゃねぇよ。そういうのが多いと、ダシが出やすいんだよ。また、アクも出るからアク抜きにも有効だ」
「ふむ。そうなのか。で、ダシにはなにを使う?」
それなんだよなぁ。まずはコンブを入手しないとな。それにはホッカイ国まで行かないといけないが。あっ! あっちにはモナカがいたじゃないか。あいつに調達させよう。
「ほにゃらかほい」
言わずと知れた魔回線へアクセスするための呪文である。これはまあ、良いのだけど。
「こちらユウです。どうかネットワークのお仲間に入れてくださいね」
これがログインの呪文である。これも結構恥ずかしいのだが。
「ごにょごんごにょ(検索呪文)。モナカか? 俺だ、ユウだ。そちらも雪が溶けたと思うが、コンブを入手して欲しいのだが可能か?」
「はい、もう忘れられたのかと思って心配してましたモナカです。コンブですか。こちらには大量にありますよ。量ならヒダカ、コクの強さならラウス、上品さを求めるならリシリと各種取り揃えております」
お前はコンブの実況販売員か。お前が揃えたわけじゃないだろう。しかし良く知ってるな。
「それじゃ、リシリとラウスを5Kgずつ買ってくれ。いくらぐらいになる?」
「えっとですね。こちらの相場で、キロ500円ぐらいなので、両方で10Kg計5,000円ってとこですね」
安っ! 1杯2gもあればいいはずだから1杯1円にしかならんのか。
「それでいい。で、お前はいつ帰ってくる?」
「強力粉用の小麦はもう作付けが終わってますので、すぐにも帰れます。そちらで植えた薄力粉用の小麦も心配ですし」
「あれはミヨシが面倒みてくれているはずだが。じゃ、コンブが用意できたら帰っておいで。きょにゅうもえ」
これが一番嫌だったんだよ! これだけは言っておきたい。俺は巨乳が好きなわけではない。これはただのIDだ! 揉むのが好きなだけだ!!
「いや、そんな自分の嗜好を強調されても」
「よし、これでコンブは入手できた。グルタミン酸はこれで良いだろう。次はイノシン酸だが、これにはカツオ節と煮干しを使おう」
その上に動物系ダシを加える。同じイノシン酸だが、これらは掛け合わせると相乗効果かが生まれるのだ。それが現在でいうダブルスープ方式といやつである。
ただ、こちらには豚はあまりメジャーじゃないようだ。伝書ブタはいるが、あれをダシに使ったら怒られるだろう。かといって牛は野牛しかおらず、よほどの老齢でないかぎり基本農作業用だ。あれもダシに使ったら俺の命に関わりそうだ。
だから鶏ガラを使うしかなさそうだ。鶏か。どこかに鶏を飼っているところ……あ?! そういえばイリヒメのところにグジョウ地鶏がいたではないか。あれを入手して……。
そこに突然、ペケベルがやってきた。
「オウミ様は魔王会議です。ペケベルじゃなくて今度は直にお話しましょうか」
こ、これが嫌でシキ研には行かないようにしていたのに、向こうからやって来るとは。説教されるのは嫌いだ、金だけ出してくれればいいのだ。俺は使いたいだけの金があれば、それだけでいいのだ。なのになんでこんなことに。
「なにを欲望丸出しのことを言ってるんですか。使い放題できるようなお金があったら誰も困りませんよ。今回の戦争の件についておたずねしたことがありましてね」
「う、う」
「う?」
「うがぁぁぁぁぁ!」
「ハルミさんが伝染してますよ?」
あいつに乗りうつられたら俺がエロエロになってしまうではないか。
「イセを支援して熊野とドンパチ始めるそうですね?」
「い、いや、俺が始めるわけでは」
「その手伝いをするという名目で、予算申請が出ているのですが」
「ああ、それは出したっけな。そういえば」
「なんで倒置法? で、戦費の予定が1千万となっているのですが」
「えぇと。だいたいそんなもんだろうって。多めに書くのが普通だろ?」
「多めすぎるでしょ! いったいどれだけの戦力を持って行くつもりですか!」
「戦力は全部で20名ぐらい」
「たった?!」
「それで充分だと思う。魔王がいるしな」
「それなら10万もあれば充分では?」
「必要なのは、その事前準備費用だ。そのための予算だよ」
「いったいどんな武器を作るつもりですか。これだけあれば、ミサイルでも作れますよ」
「そんな物騒なもの、俺が作るわけが……ミサイルがこちらにあるのか?」
「いえ、ものの例えです」
「ややこしい例えをすんな! どこの将軍様かと思ったぞ」
「それから、この仕事を受けるメリットはなんですか」
「それはイセにシキ研の勢力を伸ばせたらいいかなって」
「イセは観光名所は多いですが、山が海まで迫っていて平地が少ないのですよ。だから人口は多くありません。そこでなにを売ろうというのです?」
「う、うがっ」
「サツマのように特殊なブランド商品があるわけでなく、ヒダのように特殊なしがらみがあるわけでもない」
「そんなイセに誰がした?」
「いや、知りませんって」
「魔王が困ってるんだから、助けりゃなんかメリットがあるやろ?」
「それも知りませんよ! 聞くところによれば、二つ返事で引き受けたそうですね。しかも俺にまかせろとまで言ったそうで」
なんでそんなことまで知ってんだ、こいつは??
「そ、それにはちょっとした事情があってな」
「どんな事情かと聞いているんですよ」
うむ。読者にバレないようにと、ここまで頑張ってきたが、そろそろ限界のようである。
「誰に話してるんですか?」
「分かった。それならぶっちゃけよう。俺がやろうとしているのは、食の革命だ」
「蜀の桟道?」
「誰が三国志の話をしているのかと」
「職に行くめぇ?」
「誰が引きこもりの話を、もういいわっ!!」
無理やりなボケにツッコんでいたら、それはいきなりやって来た。
「あ、ユウさん、ただいま!! 卒業決まったよ! もうあと卒論を提出するだけだよー」
といっていきなり抱きついて来たやつがいたのだ。
「いったい誰なノだ?」
「おい! オウミ。それはいくらなんでもボケが過ぎるだろ」
「で、ユウはいったいなにを作ろうとしているゾヨ?」
「読者はもう気づいているよ!!」
0
あなたにおすすめの小説
武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!
Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。
裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、
剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。
与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。
兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。
「ならば、この世界そのものを買い叩く」
漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。
冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力――
すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。
弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。
交渉は戦争、戦争は経営。
数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。
やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、
世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。
これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。
奪うのではない。支配するのでもない。
価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける――
救済か、支配か。正義か、合理か。
その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。
異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。
「この世界には、村があり、町があり、国家がある。
――全部まとめて、俺が買い叩く」
毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。
馳 影輝
ファンタジー
毒舌を売りにして芸能界で活躍できる様になった。
元々はアイドルとしてデビューしたが、ヒラヒラの衣装や可愛い仕草も得意じゃ無かった。
バラエティーの仕事を貰って、毒舌でキャラを作ったらこれがハマり役で世間からのウケも良くとんとん拍子で有名人になれた。
だが、自宅に帰ると玄関に見知らぬ男性が立っていて私に近づくと静かにナイフで私を刺した。
アイドル時代のファンかも知れない。
突然の事で、怖くて動けない私は何度も刺されて意識を失った。
主人公の時田香澄は殺されてしまう。
気がつくとダンジョンの最下層にポイズンキラーとい魔物に転生する。
自分の現象を知りショックを受けるが、その部屋の主であるリトラの助言により地上を目指す。
ダンジョンの中で進化を繰り返して強くなり、人間の冒険者達が襲われている所に出くわす。
魔物でありながら、擬態を使って人間としても生きる姿や魔王種への進化を試みたり、数え切れないほどの激動の魔物人生が始まる。
鬼死回生~酒呑童子の異世界転生冒険記~
今田勝手
ファンタジー
平安時代の日本で魑魅魍魎を束ねた最強の鬼「酒呑童子」。
大江山で討伐されたその鬼は、死の間際「人に生まれ変わりたい」と願った。
目が覚めた彼が見たのは、平安京とは全く異なる世界で……。
これは、鬼が人間を目指す更生の物語である、のかもしれない。
※本作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ネオページ」でも同時連載中です。
異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!
理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。
ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。
仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる