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2 印象
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「森島あゆみです。仲良くしてくださいね」
ほぼ現役アイドルの笑顔は破壊力抜群だった。男子生徒は一人を除いた全員が虜になり、女子生徒も半数以上がファンになった。
「八木とは知り合いみたいだからちょうどいい。席はあいつの隣だ」
「席替え希望します」
「アホか。何があったか知らんが、転校生には親切にしろ」
「別に俺じゃなくても、いくらでもなり手はいると思います」
健介は頑なな態度を崩さない。
「何よ健介。何でそんなに冷たいのよ」
「自分の胸に聞いてみろ」
「あたしと健介の仲なのに」
「どんな仲だ」
「お医者さんごっこをした仲」
その瞬間、殺気の嵐が教室内に吹き荒れた。
「ざけんな。本気で人を解剖しようとしやがって。あの時の傷、いまだに残ってんだぞ」
「なるほど。傷物にした責任を取れと言うわけね」
「誰もそんなこと言ってねえ……」
昔と変わらない、実のない会話に健介はがっくり脱力した。
「責任取ってもいいよ」
「だから、人の話を聞けっての、おまえはーーって、ええっ!?」
予想外の台詞に、健介の声は裏返った。
「責任は取るから、あたしのやること手伝ってよ」
思わず頷きかけた健介だったが、危ういところで思いとどまった。
「いやいやいや、俺はおまえと関わりを持ちたくねえんだって」
「それってひどくない?」
「おまえが俺にしてきたことの方がよっぽどひどいわ」
「むうー……」
あゆみは不満げに鼻を鳴らしたが、それ以上は言えないようだった。
そして、この段階でクラスメイトたちは「森島あゆみは見かけ通りの女の子ではなさそうだぞ」と思い始めていた。
もっと言うならば「結構ぶっ飛んでそうだな」という感想を持つ者が多かった。
ただ、それがマイナスの印象につながったかと言えばそうでもなく、「アイドルなんてこんなもんだろう」と妙に納得する者がほとんどだった。
それと同時にクラスの中であまり目立つ存在ではなかった健介の意外な一面が認識される結果となった。
本人としてはあまり目立つようなことは避けたかったのだが、この一件で「森島あゆみの相棒」と目されてしまったのは、御愁傷様というしかないところであった。
「ーーところで、この学校のハンドボール部って、どうなの?」
あゆみは一番訊きたかったことを口にした。
ほぼ現役アイドルの笑顔は破壊力抜群だった。男子生徒は一人を除いた全員が虜になり、女子生徒も半数以上がファンになった。
「八木とは知り合いみたいだからちょうどいい。席はあいつの隣だ」
「席替え希望します」
「アホか。何があったか知らんが、転校生には親切にしろ」
「別に俺じゃなくても、いくらでもなり手はいると思います」
健介は頑なな態度を崩さない。
「何よ健介。何でそんなに冷たいのよ」
「自分の胸に聞いてみろ」
「あたしと健介の仲なのに」
「どんな仲だ」
「お医者さんごっこをした仲」
その瞬間、殺気の嵐が教室内に吹き荒れた。
「ざけんな。本気で人を解剖しようとしやがって。あの時の傷、いまだに残ってんだぞ」
「なるほど。傷物にした責任を取れと言うわけね」
「誰もそんなこと言ってねえ……」
昔と変わらない、実のない会話に健介はがっくり脱力した。
「責任取ってもいいよ」
「だから、人の話を聞けっての、おまえはーーって、ええっ!?」
予想外の台詞に、健介の声は裏返った。
「責任は取るから、あたしのやること手伝ってよ」
思わず頷きかけた健介だったが、危ういところで思いとどまった。
「いやいやいや、俺はおまえと関わりを持ちたくねえんだって」
「それってひどくない?」
「おまえが俺にしてきたことの方がよっぽどひどいわ」
「むうー……」
あゆみは不満げに鼻を鳴らしたが、それ以上は言えないようだった。
そして、この段階でクラスメイトたちは「森島あゆみは見かけ通りの女の子ではなさそうだぞ」と思い始めていた。
もっと言うならば「結構ぶっ飛んでそうだな」という感想を持つ者が多かった。
ただ、それがマイナスの印象につながったかと言えばそうでもなく、「アイドルなんてこんなもんだろう」と妙に納得する者がほとんどだった。
それと同時にクラスの中であまり目立つ存在ではなかった健介の意外な一面が認識される結果となった。
本人としてはあまり目立つようなことは避けたかったのだが、この一件で「森島あゆみの相棒」と目されてしまったのは、御愁傷様というしかないところであった。
「ーーところで、この学校のハンドボール部って、どうなの?」
あゆみは一番訊きたかったことを口にした。
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