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24 マリアちゃんに説教される俺って……
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翌朝、アスカさんは妙にツヤツヤした顔で出立していった。
仕事を終えて戻って来たら、料理を作る約束をしたので、色々仕込んでおくことにしよう。
ふと気づくと、何やらカレンさんのご機嫌が大分傾いているように見える。何かあったのか?
ただ、当人には訊きにくい。そこでマリアちゃんに訊いてみるとーー
「はあーー」
盛大にため息をつかれました。
「な、何かやばかった?」
「現在進行形でやばいと思います」
「やっぱり俺が怒らせたのか?」
「…怒らせたというか…難しいですね……」
「?」
何が言いたいのか、さっぱりわからん。
首を傾げていると、マリアちゃんは素早く視線を巡らし、他に人がいないことを確認した。
「ストレートに訊くけど」
「うん」
「お兄ちゃん、お姉ちゃんのことどう思ってる?」
「カレンさん? うーん、家族みたいなもんだよな」
そう答えたら、また深いため息をつかれた。
「これは脈なしかしら……」
何か言ったみたいだったが、声が小さくてよく聞き取れなかった。
「じゃあ昨日の隊長さんは?」
「アスカさん?」
何でその名前が出てくるんだ?
「まさか日本人と会えるとは思ってなかったからな…大事にしたい縁ではあるかな」
「むむ…お姉ちゃん、ピンチかも」
「何の話だ?」
「こほん」
マリアちゃんはひとつ咳払いをした。
「お兄ちゃんは、お姉ちゃんをもっと大事にした方がいいと思います」
「え? 大事にしてないように見える?」
それは心外だ。
「俺にとっては一番大事な人だぞ。カレンさんがいなかったら今の俺はないわけだからね」
マリアちゃんは目を見張った。
「…それ、お姉ちゃんに言ってあげたことある…わけないよね……」
「言わなきゃダメなのか?」
あたりまえ過ぎるくらいあたりまえの話で、わざわざ口に出すようなことじゃないと思うんだが……
「想いって、言葉にしなくちゃ伝わらないと思います。最初から家族だったならともかく、元々は他人なわけじゃないですか」
大人びた表情と口調に少々気圧されてしまう。
「今の言葉聞いたら、お姉ちゃん絶対喜ぶから、言ってあげてくださいね」
念押しされた。退路を絶たれたように感じたのは気のせいか。いや、きっと気のせいじゃないんだろうな。
でもまあ、言ってることは正論か。
それくらいのことはわかる。
わかるが、それを実行できるかどうかはまた別の話だ。あのセリフ、面と向かって言うのは少々こっ恥ずかしい。
となると、俺にできるのはひとつかな。
仕事を終えて戻って来たら、料理を作る約束をしたので、色々仕込んでおくことにしよう。
ふと気づくと、何やらカレンさんのご機嫌が大分傾いているように見える。何かあったのか?
ただ、当人には訊きにくい。そこでマリアちゃんに訊いてみるとーー
「はあーー」
盛大にため息をつかれました。
「な、何かやばかった?」
「現在進行形でやばいと思います」
「やっぱり俺が怒らせたのか?」
「…怒らせたというか…難しいですね……」
「?」
何が言いたいのか、さっぱりわからん。
首を傾げていると、マリアちゃんは素早く視線を巡らし、他に人がいないことを確認した。
「ストレートに訊くけど」
「うん」
「お兄ちゃん、お姉ちゃんのことどう思ってる?」
「カレンさん? うーん、家族みたいなもんだよな」
そう答えたら、また深いため息をつかれた。
「これは脈なしかしら……」
何か言ったみたいだったが、声が小さくてよく聞き取れなかった。
「じゃあ昨日の隊長さんは?」
「アスカさん?」
何でその名前が出てくるんだ?
「まさか日本人と会えるとは思ってなかったからな…大事にしたい縁ではあるかな」
「むむ…お姉ちゃん、ピンチかも」
「何の話だ?」
「こほん」
マリアちゃんはひとつ咳払いをした。
「お兄ちゃんは、お姉ちゃんをもっと大事にした方がいいと思います」
「え? 大事にしてないように見える?」
それは心外だ。
「俺にとっては一番大事な人だぞ。カレンさんがいなかったら今の俺はないわけだからね」
マリアちゃんは目を見張った。
「…それ、お姉ちゃんに言ってあげたことある…わけないよね……」
「言わなきゃダメなのか?」
あたりまえ過ぎるくらいあたりまえの話で、わざわざ口に出すようなことじゃないと思うんだが……
「想いって、言葉にしなくちゃ伝わらないと思います。最初から家族だったならともかく、元々は他人なわけじゃないですか」
大人びた表情と口調に少々気圧されてしまう。
「今の言葉聞いたら、お姉ちゃん絶対喜ぶから、言ってあげてくださいね」
念押しされた。退路を絶たれたように感じたのは気のせいか。いや、きっと気のせいじゃないんだろうな。
でもまあ、言ってることは正論か。
それくらいのことはわかる。
わかるが、それを実行できるかどうかはまた別の話だ。あのセリフ、面と向かって言うのは少々こっ恥ずかしい。
となると、俺にできるのはひとつかな。
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