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4 無邪気な発言は時に残酷
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旅程は順調だった。
王都から乗り合い馬車に乗り、とりあえず国境の街を目指す。見ず知らずの人たちが同乗する馬車に乗るのは初めてだったので、色々新鮮で楽しい。
中でも十歳くらいのマイアちゃんという女の子とは馬車が出発してから一時間もかからないうちに仲良くなった。
「どうやったらお姉ちゃんみたいに綺麗になれるの?」
そんな嬉しいことを聞いてくれたのをきっかけに話をするようになり、すぐに仲良くなった。
で、仲良くなったのは良かったんだけど……
「あたしね、絶対に綺麗になりたいの」
「何で? 今でも十分に可愛いと思うけど」
あたしの目から見ても、マイアちゃんは将来が楽しみな美少女だ。
「あたしね、婚約破棄されたくないの」
「…………………え……………………?」
「この前、王子様の婚約者さんが婚約破棄されたって聞いたの」
「あー、うん……」
まさかここでその話題が出るとは思ってもいなかったので、びっくりしてしまった。反応も鈍いものになってしまう。
「婚約者さんの顔は知らないんだけと、お姉ちゃんくらい綺麗な人だったら、そんなことにはならなかったと思うの」
いやー、そんなことはないと思うよ。何せ婚約破棄されたのってあたしだから。
もちろんマイアちゃんに悪気はないんだろうけど、結構刺さってきた。
ここであたしが当事者だとは言いにくい。
「うん、マイアちゃんならきっとあたしなんかよりずっと綺麗になれるよ」
そんなちょっと乾いた答えしか返せなかった。
「ホント!?」
それでもマイアちゃんには嬉しい答えだったらしい。無邪気に喜んでいる。
…何だろう、モヤモヤする。
何かぶつけるものが欲しいなー、と思い始めた時、馬車の外が騒がしくなった。
「どうしたのかしら?」
外から「盗賊だ」という声が聞こえてきた。
馬車には冒険者の護衛がついている。それでも盗賊の人数によっては手を貸した方がいいかもしれない。
というか、貸したい。
ちょっとやさぐれた気分になっていたので、暴れたかった。
馬車が止まったので、窓から外の様子を伺う。
盗賊の数は思っていたより多かった。窓から確認できるだけで二十人くらいいる。
対するに馬車の護衛は五人。状況は厳しいと言わざるを得ない。
やっぱり手が必要ね。
剣を手に馬車の外に出る。
「危ないぞ。中にいてくれ!」
護衛の一人が声をかけてくる。
「手伝いますよ」
「何を馬鹿なーー」
「とりあえずこっちの一角は任せてください」
あたしが前に出ていくと、盗賊どもは下品な口笛を吹き鳴らした。
「ひゅうー、いい女がいるじゃねえか」
「今回は大当たりだな!」
「姉ちゃん、たっぷり可愛がってやるぜ」
「黙りなさい」
言葉と共に威を発する。
当てられた盗賊は、ビクン、と身体を震わせた。
「運が悪かったわね。あたしが乗り合わせた馬車を襲うなんて」
無造作に間を詰める。
間合いに入った瞬間、剣を振る。
盗賊が三人、声もなく倒れた。
「な、何をしやがった!?」
「盗賊退治に決まってるでしょ」
言い終わるより早く、更に二人を斬り倒す。
その後、戦いはあたしの圧勝で終わった。
王都から乗り合い馬車に乗り、とりあえず国境の街を目指す。見ず知らずの人たちが同乗する馬車に乗るのは初めてだったので、色々新鮮で楽しい。
中でも十歳くらいのマイアちゃんという女の子とは馬車が出発してから一時間もかからないうちに仲良くなった。
「どうやったらお姉ちゃんみたいに綺麗になれるの?」
そんな嬉しいことを聞いてくれたのをきっかけに話をするようになり、すぐに仲良くなった。
で、仲良くなったのは良かったんだけど……
「あたしね、絶対に綺麗になりたいの」
「何で? 今でも十分に可愛いと思うけど」
あたしの目から見ても、マイアちゃんは将来が楽しみな美少女だ。
「あたしね、婚約破棄されたくないの」
「…………………え……………………?」
「この前、王子様の婚約者さんが婚約破棄されたって聞いたの」
「あー、うん……」
まさかここでその話題が出るとは思ってもいなかったので、びっくりしてしまった。反応も鈍いものになってしまう。
「婚約者さんの顔は知らないんだけと、お姉ちゃんくらい綺麗な人だったら、そんなことにはならなかったと思うの」
いやー、そんなことはないと思うよ。何せ婚約破棄されたのってあたしだから。
もちろんマイアちゃんに悪気はないんだろうけど、結構刺さってきた。
ここであたしが当事者だとは言いにくい。
「うん、マイアちゃんならきっとあたしなんかよりずっと綺麗になれるよ」
そんなちょっと乾いた答えしか返せなかった。
「ホント!?」
それでもマイアちゃんには嬉しい答えだったらしい。無邪気に喜んでいる。
…何だろう、モヤモヤする。
何かぶつけるものが欲しいなー、と思い始めた時、馬車の外が騒がしくなった。
「どうしたのかしら?」
外から「盗賊だ」という声が聞こえてきた。
馬車には冒険者の護衛がついている。それでも盗賊の人数によっては手を貸した方がいいかもしれない。
というか、貸したい。
ちょっとやさぐれた気分になっていたので、暴れたかった。
馬車が止まったので、窓から外の様子を伺う。
盗賊の数は思っていたより多かった。窓から確認できるだけで二十人くらいいる。
対するに馬車の護衛は五人。状況は厳しいと言わざるを得ない。
やっぱり手が必要ね。
剣を手に馬車の外に出る。
「危ないぞ。中にいてくれ!」
護衛の一人が声をかけてくる。
「手伝いますよ」
「何を馬鹿なーー」
「とりあえずこっちの一角は任せてください」
あたしが前に出ていくと、盗賊どもは下品な口笛を吹き鳴らした。
「ひゅうー、いい女がいるじゃねえか」
「今回は大当たりだな!」
「姉ちゃん、たっぷり可愛がってやるぜ」
「黙りなさい」
言葉と共に威を発する。
当てられた盗賊は、ビクン、と身体を震わせた。
「運が悪かったわね。あたしが乗り合わせた馬車を襲うなんて」
無造作に間を詰める。
間合いに入った瞬間、剣を振る。
盗賊が三人、声もなく倒れた。
「な、何をしやがった!?」
「盗賊退治に決まってるでしょ」
言い終わるより早く、更に二人を斬り倒す。
その後、戦いはあたしの圧勝で終わった。
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