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85 ミネルヴァ
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「で、ローザは何で皆さんを連れて来たんだ? 今回の襲撃をわかってたわけじゃないだろ?」
「実は、ミネルヴァ様を見ていただこうかと」
「ミネルヴァを? どういうことだ?」
「こちらはレジーナ王国のシルヴィア王女様です」
「ああ!」
ブライト王子は納得顔で手を打った。
「え? でも、本当に……?」
信じられないのはよくわかるぞ。シルヴィアをどう見たらブサイクになるんだって話だよな。
「王子、そんなにまじまじ見つめちゃ失礼ですよ」
「あ、ああ、申し訳ありません。失礼いたしました」
狐につままれたような顔をしているブライト王子。
「それで、こちらがシルヴィア様の呪いを解いたコータロー様です」
「おお、あなたがーー」
王子の目が輝いた。
「お噂はかねがね伺っています。どうかよろしくお願いいたします」
「結果の約束はできませんが、最善を尽くします」
「お願いしますーーミネルヴァは今どこに?」
「お部屋にいらっしゃいます」
「早速で申し訳ないが、見ていただけますか」
「はいーー大勢で行くのはまずいから、シルヴィアだけついてきてくれ」
「他の方々はお部屋にご案内しますので、おくつろぎください」
他の侍女さんが呼ばれ、カズサさんたちを案内していった。
「では、お二方はこちらへお越しください」
ブライト王子とローザさんに連れられて、城の奥へ向かう。
「ーー実際のところどうなんでしょう。呪いということはあり得るんでしょうか?」
「わたしは呪いをかけられていました。ですから、ミネルヴァ姫もそうだという可能性はあると思います」
というか、シルヴィア的にはそうであって欲しいと思ってるんだろうな。他人事じゃないし。
「その呪い、どうやって解いたんですか?」
「ひたすら『シルヴィア可愛い』って言い続けました」
胸を張って答えたのだが、王子の反応は芳しいものではなかった。
「…真面目に伺っているのですが?」
「あの、それ本当なんです」
「え?」
「言い続けることで呪いを上書きした形、になるんですかね? そのへんは正直よくわかってないんですよ」
「はあ、そうなんですか……」
王子は、何だか拍子抜けしたような顔をしている。きっと何かドラマチックな展開があったと思ってたんだろうな……期待に添えなくて申し訳ないけど、そこは地道な活動が実を結んだということで納得してもらうしかない。
ミネルヴァ姫の部屋は、かなり奥まったところにあった。このへんの事情はシルヴィアと通じるものがあるんだろう。
「ミネルヴァ、俺だ。開けてくれ」
少しの間、応えはなかった。
あれ、と思い始めた時、部屋の中からか細い声が聞こえてきた。
「お兄様、わたしの容姿は本当に呪いなのでしょうか?」
「…どうしたんだ、突然?」
「怖いんです」
「怖い?」
ブライト王子が首を傾げる。妹の言葉が理解できないようだ。
王子に代わってシルヴィアが扉の前に立った。
「ミネルヴァさん、はじめまして。シルヴィアと申しますーー怖いという気持ちはとてもよくわかりますが、勇気を出してみませんか?」
「……」
声に出しての返事はないが、扉越しに迷っている気配は伝わってきた。
「自分の容姿が呪いのせいじゃなかったらと思うと怖いですよね。でも、多分大丈夫だと思います。ミネルヴァさんとは同じ境遇だったということでいいお友達になれる気がするんです」
「…もし、わたしの容姿が呪いのせいじゃなかったとしても、同じことを言ってくださいますか?」
「ええ。お友達になりましょう」
ややあって、解錠の音がして、扉がゆっくり開いた。
中から現れたのはーー
「何だ、普通に可愛いじゃんか」
美少女だった。
「実は、ミネルヴァ様を見ていただこうかと」
「ミネルヴァを? どういうことだ?」
「こちらはレジーナ王国のシルヴィア王女様です」
「ああ!」
ブライト王子は納得顔で手を打った。
「え? でも、本当に……?」
信じられないのはよくわかるぞ。シルヴィアをどう見たらブサイクになるんだって話だよな。
「王子、そんなにまじまじ見つめちゃ失礼ですよ」
「あ、ああ、申し訳ありません。失礼いたしました」
狐につままれたような顔をしているブライト王子。
「それで、こちらがシルヴィア様の呪いを解いたコータロー様です」
「おお、あなたがーー」
王子の目が輝いた。
「お噂はかねがね伺っています。どうかよろしくお願いいたします」
「結果の約束はできませんが、最善を尽くします」
「お願いしますーーミネルヴァは今どこに?」
「お部屋にいらっしゃいます」
「早速で申し訳ないが、見ていただけますか」
「はいーー大勢で行くのはまずいから、シルヴィアだけついてきてくれ」
「他の方々はお部屋にご案内しますので、おくつろぎください」
他の侍女さんが呼ばれ、カズサさんたちを案内していった。
「では、お二方はこちらへお越しください」
ブライト王子とローザさんに連れられて、城の奥へ向かう。
「ーー実際のところどうなんでしょう。呪いということはあり得るんでしょうか?」
「わたしは呪いをかけられていました。ですから、ミネルヴァ姫もそうだという可能性はあると思います」
というか、シルヴィア的にはそうであって欲しいと思ってるんだろうな。他人事じゃないし。
「その呪い、どうやって解いたんですか?」
「ひたすら『シルヴィア可愛い』って言い続けました」
胸を張って答えたのだが、王子の反応は芳しいものではなかった。
「…真面目に伺っているのですが?」
「あの、それ本当なんです」
「え?」
「言い続けることで呪いを上書きした形、になるんですかね? そのへんは正直よくわかってないんですよ」
「はあ、そうなんですか……」
王子は、何だか拍子抜けしたような顔をしている。きっと何かドラマチックな展開があったと思ってたんだろうな……期待に添えなくて申し訳ないけど、そこは地道な活動が実を結んだということで納得してもらうしかない。
ミネルヴァ姫の部屋は、かなり奥まったところにあった。このへんの事情はシルヴィアと通じるものがあるんだろう。
「ミネルヴァ、俺だ。開けてくれ」
少しの間、応えはなかった。
あれ、と思い始めた時、部屋の中からか細い声が聞こえてきた。
「お兄様、わたしの容姿は本当に呪いなのでしょうか?」
「…どうしたんだ、突然?」
「怖いんです」
「怖い?」
ブライト王子が首を傾げる。妹の言葉が理解できないようだ。
王子に代わってシルヴィアが扉の前に立った。
「ミネルヴァさん、はじめまして。シルヴィアと申しますーー怖いという気持ちはとてもよくわかりますが、勇気を出してみませんか?」
「……」
声に出しての返事はないが、扉越しに迷っている気配は伝わってきた。
「自分の容姿が呪いのせいじゃなかったらと思うと怖いですよね。でも、多分大丈夫だと思います。ミネルヴァさんとは同じ境遇だったということでいいお友達になれる気がするんです」
「…もし、わたしの容姿が呪いのせいじゃなかったとしても、同じことを言ってくださいますか?」
「ええ。お友達になりましょう」
ややあって、解錠の音がして、扉がゆっくり開いた。
中から現れたのはーー
「何だ、普通に可愛いじゃんか」
美少女だった。
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○○○
旧版を基に再編集しています。
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