異世界召喚 ~依頼されたのは魔王討伐ではなく……~

オフィス景

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110 恐るべし……

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 ミネルヴァの実戦デビューは、早々に行われることになった。

 仮にも王女様なのだから、反対などがあるかと思っていたのだが、あっさり許可が下りた。

 これにはブライト王子の意向が強く働いたらしい。早く実績を上げて、結婚反対派を黙らせたいようだ。

 万が一があってもいけないということで、俺たちの他にブライト王子の親衛隊が同行することになった。彼らにとっても実戦訓練ということになるらしい。

 その結果はと言うとーー

「今日ってわたしの訓練じゃなかったっけ?」

「あいつら、完全に楽しんでるな」

 俺たちパーティの目の前では、親衛隊の面々が歓喜の奇声を上げながらモンスターハントに興じている。少し大きめのオークの群れと遭遇して、すぐさま戦いに突入したのだが、連中は自分たちの急激な実力アップに酔いしれてしまっていた。

「身体が軽いーっ!」

「オークを一撃で倒せるーっ!」

「楽しい!」

 ブライト王子が先頭きって楽しんでいるため、止める人が誰もいない。

「ダメだ、こりゃ」

 仕方ないので、こっちはこっちでやることにした。まあ、いつも通りの狩りだ。

「ミネルヴァ、こっちへ」

 主戦場から離れた場所にいたオークをターゲットに定める。

「まずは俺が引きつけるから、隙を見て遠距離から攻撃。いい?」

「はい」

 若干緊張した面持ちでミネルヴァは頷いた。

「そんなに緊張しなくても大丈夫だ。失敗したとしてもちゃんとフォローするから」

「お願いします」

 わざと正面から近づいていくと、こちらに気づいたオークが威嚇の咆哮をあげた。

 オークの目がついてこれる程度のスピードでヒットアンドアウェイを繰り返すと、オークは完全に俺だけをロックオンした。当たったらただでは済まないであろう棍棒を振りまわすが、スローモーションにしか見えない。かわすのに苦労はなかった。

 頃合と見て、合図を送る。

 鞭を構えたミネルヴァが一歩進みでる。射程圏内に入るまで、こちらでオークを引きつけ、接近に気づかせない。

 オークを誘導して、ミネルヴァに対して完全に背を向けさせた瞬間ーー

 ミネルヴァの鞭が唸りをあげた。

 空気を切り裂いた鞭は、信じられない破壊力を見せつけた。オークの脳天に当たった鞭は、そのままオークの身体を両断してのけたのだ。

「!?」

 近い距離にいた俺は、オークの血をまともに浴びてしまった。が、正直そんなことはどうでもよかった。

「マジか……」

 その破壊力に圧倒されてしまった。

 下手な剣や斧なんかよりもよっぽど強い。訓練の時からは想像もつかない破壊力だった。

 驚いたのは俺だけではなく、パーティメンバーも一様に言葉を失い、固まっている。

 これ、とんでもねえことになるんじゃねえか……?

 予感は、限りなく確信に近かった。

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