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第二章「最強になった俺と聖女様、世界の真の黒幕を倒しに行きます。」
第70話「竜の墓場」
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王都アヴァロンの喧騒を後にし、俺とルミナは再び二人きりの旅に戻っていた。
アルストリア王国が用意してくれた最良の馬と豊富な物資。
そして『星詠みの羅針盤』という最強の道標。
これまでの旅とは比べ物にならないほど恵まれた環境だった。
だが、俺たちの心は決して浮かれてはいなかった。
オルダスという分かりやすい『悪』を倒した今、俺たちが向き合うべきはシンとレン、そしてその背後にいる『真の主』という底知れぬ闇だ。
俺たちは馬を走らせ、大陸を南西へとひた走る。
豊かな緑の大地は次第に乾いた荒野へとその姿を変えていった。
そして、旅を始めて二週間が過ぎた頃。
俺たちはついに目的地である『竜の墓場』へとたどり着いた。
そこは、言葉を失うほど壮絶な光景が広がっていた。
地平線の果てまで見渡す限り、巨大な竜の骨、骨、骨。
太古の昔、ここで竜族の大規模な戦争か、あるいは天変地異でもあったのだろうか。
白く風化した巨大な肋骨が、まるで異世界の森のように林立している。
吹き抜ける風が骨の隙間を通り抜けるたびに、ヒュー、ヒューとまるで死者の嗚咽のような不気味な音を立てていた。
「……すごい場所ね。なんだか空気が重いわ」
ルミナがごくりと唾をのむ。
ここには瘴気とは違う、もっと根源的な死の気配が満ち満ちていた。
『星詠みの羅針盤』の針は、この骨の森のさらに奥深くを指し示している。
俺たちは馬を降り、巨大な竜骨の間を縫うようにして歩き始めた。
足元には竜の骨が砕けてできた白い砂が広がっている。
しばらく進むと、俺はあることに気づいた。
「……ルミナ、何かおかしくないか?」
「え? 何が?」
「……静かすぎる」
あれだけ不気味な風の音がしていたのに、今はぴたりと止んでいる。
まるで嵐の前の静けさのようだ。
その時だった。
俺たちの足元の白い砂が、まるで生き物のように蠢きだした。
「なっ!?」
次の瞬間、砂の中から無数の骨でできた手が突き出してきたのだ。
そしてその手に引かれるように、全身が竜の骨で構成された骸骨の兵士(ボーンソルジャー)たちが次々と地面から這い出てきた。
その数、百は下らないだろう。
「竜の怨念が、兵士の形を……!」
ルミナが驚愕の声を上げる。
ボーンソルジャーたちは空っぽの眼窩に赤い光を灯すと、錆びついた剣を構え一斉に俺たちに襲いかかってきた。
「これではキリがないぞ!」
俺は剣を抜き、迫りくる一体を真っ二つに切り裂く。
だが骨の兵士は痛みを感じない。
バラバラになっても再び骨を組み合わせて襲いかかってくる。
「カイ、こいつらは聖なる光に弱いはずよ!」
ルミナが杖を掲げる。
「聖光よ、迷える魂に安息を与えたまえ! ターン・アンデッド!」
彼女を中心に純白の光の波紋が広がる。
光を浴びたボーンソルジャーたちは聖なる炎に焼かれ、次々と塵となって崩れ落ちていった。
だが、倒しても倒しても地面から新たな兵士が無限に湧き出てくる。
「まずい、このままではルミナの魔力がもたないわ!」
「くそっ、どうすれば……! こいつらを生み出している大元を叩くしかない!」
俺は周囲を見渡す。
そして気づいた。
この骨の森の中心。
ひときわ巨大な竜の頭蓋骨。
その空っぽの眼窩が、禍々しい紫色の光を放っている。
あれだ。
あれがこの地の死者たちを操っている元凶だ。
「ルミナ、あれをやるぞ!」
俺は頭蓋骨を指さす。
「でも、どうやってあの敵の群れを突破するの!?」
「道は俺が作る!」
俺はルミナの手を強く握った。
「信じてついてこい!」
俺は剣を構え、ボーンソルジャーの壁へと突っ込んでいった。
第五の楔を巡る戦いは、死者の軍勢との絶望的な消耗戦から幕を開けたのだった。
アルストリア王国が用意してくれた最良の馬と豊富な物資。
そして『星詠みの羅針盤』という最強の道標。
これまでの旅とは比べ物にならないほど恵まれた環境だった。
だが、俺たちの心は決して浮かれてはいなかった。
オルダスという分かりやすい『悪』を倒した今、俺たちが向き合うべきはシンとレン、そしてその背後にいる『真の主』という底知れぬ闇だ。
俺たちは馬を走らせ、大陸を南西へとひた走る。
豊かな緑の大地は次第に乾いた荒野へとその姿を変えていった。
そして、旅を始めて二週間が過ぎた頃。
俺たちはついに目的地である『竜の墓場』へとたどり着いた。
そこは、言葉を失うほど壮絶な光景が広がっていた。
地平線の果てまで見渡す限り、巨大な竜の骨、骨、骨。
太古の昔、ここで竜族の大規模な戦争か、あるいは天変地異でもあったのだろうか。
白く風化した巨大な肋骨が、まるで異世界の森のように林立している。
吹き抜ける風が骨の隙間を通り抜けるたびに、ヒュー、ヒューとまるで死者の嗚咽のような不気味な音を立てていた。
「……すごい場所ね。なんだか空気が重いわ」
ルミナがごくりと唾をのむ。
ここには瘴気とは違う、もっと根源的な死の気配が満ち満ちていた。
『星詠みの羅針盤』の針は、この骨の森のさらに奥深くを指し示している。
俺たちは馬を降り、巨大な竜骨の間を縫うようにして歩き始めた。
足元には竜の骨が砕けてできた白い砂が広がっている。
しばらく進むと、俺はあることに気づいた。
「……ルミナ、何かおかしくないか?」
「え? 何が?」
「……静かすぎる」
あれだけ不気味な風の音がしていたのに、今はぴたりと止んでいる。
まるで嵐の前の静けさのようだ。
その時だった。
俺たちの足元の白い砂が、まるで生き物のように蠢きだした。
「なっ!?」
次の瞬間、砂の中から無数の骨でできた手が突き出してきたのだ。
そしてその手に引かれるように、全身が竜の骨で構成された骸骨の兵士(ボーンソルジャー)たちが次々と地面から這い出てきた。
その数、百は下らないだろう。
「竜の怨念が、兵士の形を……!」
ルミナが驚愕の声を上げる。
ボーンソルジャーたちは空っぽの眼窩に赤い光を灯すと、錆びついた剣を構え一斉に俺たちに襲いかかってきた。
「これではキリがないぞ!」
俺は剣を抜き、迫りくる一体を真っ二つに切り裂く。
だが骨の兵士は痛みを感じない。
バラバラになっても再び骨を組み合わせて襲いかかってくる。
「カイ、こいつらは聖なる光に弱いはずよ!」
ルミナが杖を掲げる。
「聖光よ、迷える魂に安息を与えたまえ! ターン・アンデッド!」
彼女を中心に純白の光の波紋が広がる。
光を浴びたボーンソルジャーたちは聖なる炎に焼かれ、次々と塵となって崩れ落ちていった。
だが、倒しても倒しても地面から新たな兵士が無限に湧き出てくる。
「まずい、このままではルミナの魔力がもたないわ!」
「くそっ、どうすれば……! こいつらを生み出している大元を叩くしかない!」
俺は周囲を見渡す。
そして気づいた。
この骨の森の中心。
ひときわ巨大な竜の頭蓋骨。
その空っぽの眼窩が、禍々しい紫色の光を放っている。
あれだ。
あれがこの地の死者たちを操っている元凶だ。
「ルミナ、あれをやるぞ!」
俺は頭蓋骨を指さす。
「でも、どうやってあの敵の群れを突破するの!?」
「道は俺が作る!」
俺はルミナの手を強く握った。
「信じてついてこい!」
俺は剣を構え、ボーンソルジャーの壁へと突っ込んでいった。
第五の楔を巡る戦いは、死者の軍勢との絶望的な消耗戦から幕を開けたのだった。
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