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第7話:噂の超新星(スーパールーキー)
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カイが薬草採取クエストで叩き出した前代未聞の成果は、あっという間にアストリアの冒険者たちの間で噂になった。
「聞いたか? 昨日登録したばかりのFランクの奴が、たった一時間で月光草を50本以上も採ってきたらしいぜ」
「陽光苔まで山ほど見つけたって話だ。ベテランの採取家でも一日がかりなのに、信じられん」
「なんでも、とんでもない鑑定スキル持ちらしい。相棒の獣人の子も可愛いし、ただもんじゃねえぞ」
ギルドを訪れるたびに、周囲から囁かれる声や、好奇と羨望の入り混じった視線を感じるようになった。昨日までカイを嘲笑していた者たちも、今では遠巻きに見つめるだけで、軽々しく声をかけてくることはない。
その噂は、冒険者だけでなく、街の商人たちの耳にも届いていた。
ある日、カイとルナがギルドの食堂で食事をしていると、一人の恰幅のいい商人が話しかけてきた。
「失礼、あなたが噂のカイ殿ですかな? 私は、薬屋を営んでいるポポロと申します」
「どうも。僕に何か?」
「ええ。単刀直入に申し上げますと、あなたが見つけたという最高品質の薬草を、ぜひ私に卸してはいただけませんか? もちろん、市場価格の二割増しで買い取らせていただきます!」
ポポロと名乗る商人は、目を輝かせながらカイに頭を下げた。カイの採取する薬草は、品質がずば抜けているため、それで作るポーションもまた、通常のものとは比べ物にならないほどの効果を発揮するのだという。
ポポロの申し出を皮切りに、次々とカイのもとへ依頼が舞い込むようになった。
「カイ殿、うちの鉱山で希少鉱石を探すのを手伝ってくれんか!」(鍛冶屋の親方)
「カイさん、次の討伐クエスト、うちのパーティーの素材鑑定役として参加してもらえませんか?」(Bランクパーティーのリーダー)
「カイ様、今度のお茶会で使う最高級の茶葉を探してきてほしいのだけれど……」(貴族の奥様)
カイは、自分のスキルがこれほどまでに多くの人から求められることに、驚きと喜びを感じていた。追放された時は、自分は誰にも必要とされない、役立たずな存在だと思い込んでいたからだ。
「主様、すごい人気です!」
「はは、なんだか照れるな」
ルナに褒められ、カイはまんざらでもない顔で頭を掻いた。
しかし、彼は決して驕らなかった。舞い込んでくる依頼を一つ一つ吟味し、自分たちの実力でこなせるものだけを堅実に受けていく。そして、自分のスキルの詳細については、決して明かさなかった。
「僕のスキルは、探し物を見つけるのが少し得意なだけです」
彼はいつもそう言って微笑むだけだった。ユニークスキル【整理整頓】が鑑定や無限収納の能力を持つことを知られれば、面倒なことになるかもしれない。特に、王都や勇者アレスの耳に入れば、何をされるかわからない。カイは、ルナとの平穏な生活を守るためにも、慎重に行動することを選んだのだ。
こうして、カイは【整理整頓】という本当のスキル名を隠し、「凄腕の鑑定スキル持ちの超新星(スーパールーキー)」として、アストリアの街で着実に名声を高めていった。
手に入れた報酬で、カイとルナは新しい服を買い、街外れに小さな家を借りた。温かい食事と、安心して眠れる寝床。そして、隣で笑ってくれる大切な存在。
(こんな穏やかな生活が、ずっと続けばいいな)
カイは、窓から差し込む月明かりの下、すやすやと眠るルナの頭をそっと撫でながら、心からそう願うのだった。だが、運命は彼に、それ以上の大きな役割を与えようとしていた。彼の規格外の力は、やがて一人の訳ありの騎士令嬢を引き寄せることになる。
「聞いたか? 昨日登録したばかりのFランクの奴が、たった一時間で月光草を50本以上も採ってきたらしいぜ」
「陽光苔まで山ほど見つけたって話だ。ベテランの採取家でも一日がかりなのに、信じられん」
「なんでも、とんでもない鑑定スキル持ちらしい。相棒の獣人の子も可愛いし、ただもんじゃねえぞ」
ギルドを訪れるたびに、周囲から囁かれる声や、好奇と羨望の入り混じった視線を感じるようになった。昨日までカイを嘲笑していた者たちも、今では遠巻きに見つめるだけで、軽々しく声をかけてくることはない。
その噂は、冒険者だけでなく、街の商人たちの耳にも届いていた。
ある日、カイとルナがギルドの食堂で食事をしていると、一人の恰幅のいい商人が話しかけてきた。
「失礼、あなたが噂のカイ殿ですかな? 私は、薬屋を営んでいるポポロと申します」
「どうも。僕に何か?」
「ええ。単刀直入に申し上げますと、あなたが見つけたという最高品質の薬草を、ぜひ私に卸してはいただけませんか? もちろん、市場価格の二割増しで買い取らせていただきます!」
ポポロと名乗る商人は、目を輝かせながらカイに頭を下げた。カイの採取する薬草は、品質がずば抜けているため、それで作るポーションもまた、通常のものとは比べ物にならないほどの効果を発揮するのだという。
ポポロの申し出を皮切りに、次々とカイのもとへ依頼が舞い込むようになった。
「カイ殿、うちの鉱山で希少鉱石を探すのを手伝ってくれんか!」(鍛冶屋の親方)
「カイさん、次の討伐クエスト、うちのパーティーの素材鑑定役として参加してもらえませんか?」(Bランクパーティーのリーダー)
「カイ様、今度のお茶会で使う最高級の茶葉を探してきてほしいのだけれど……」(貴族の奥様)
カイは、自分のスキルがこれほどまでに多くの人から求められることに、驚きと喜びを感じていた。追放された時は、自分は誰にも必要とされない、役立たずな存在だと思い込んでいたからだ。
「主様、すごい人気です!」
「はは、なんだか照れるな」
ルナに褒められ、カイはまんざらでもない顔で頭を掻いた。
しかし、彼は決して驕らなかった。舞い込んでくる依頼を一つ一つ吟味し、自分たちの実力でこなせるものだけを堅実に受けていく。そして、自分のスキルの詳細については、決して明かさなかった。
「僕のスキルは、探し物を見つけるのが少し得意なだけです」
彼はいつもそう言って微笑むだけだった。ユニークスキル【整理整頓】が鑑定や無限収納の能力を持つことを知られれば、面倒なことになるかもしれない。特に、王都や勇者アレスの耳に入れば、何をされるかわからない。カイは、ルナとの平穏な生活を守るためにも、慎重に行動することを選んだのだ。
こうして、カイは【整理整頓】という本当のスキル名を隠し、「凄腕の鑑定スキル持ちの超新星(スーパールーキー)」として、アストリアの街で着実に名声を高めていった。
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