2 / 13
第1話「無能の烙印と追放の森」
しおりを挟む
ひんやりとした石の床の感触と、消毒液めいた薬品の匂いが鼻をつく。
俺、香坂蓮――いや、この世界ではレンか。
異世界ルミナシアに召喚されてから、もう一ヶ月が経とうとしていた。
俺は他の四人と共に「聖勇者」として、この世界を脅かす魔王軍と戦うために呼び出された。それぞれが強力なスキルを授かる中、俺に与えられたのは【調香】。様々な素材から香りを創り出すだけの、この世界では全く役に立たない「外れスキル」だった。
剣も振るえず魔法も使えない俺は、いつしかパーティのお荷物になっていた。
「おい、レン!水汲みはまだか!ぐずぐずするな、無能が!」
焚き火の前で偉そうに腕を組むのは、このパーティのリーダー、聖剣の勇者ガイアスだ。金の髪をなびかせ、いかにも勇者らしい整った顔立ちだが、その瞳は常に俺を侮蔑の色で見下している。
「す、すみません。今やります」
俺は慌てて革袋を手に取り、近くの小川へと駆け出した。背中に突き刺さる冷たい視線を感じながら。
パーティの紅一点であり、人々から慈愛の聖女と崇められるセレスも、俺にとっては冷たい女でしかない。彼女は俺がガイアスに罵倒されていても助け舟一つ出さず、それどころか美しい顔をわずかに歪め、俺が存在しないかのように目をそらすのだ。
彼女の身体からふわりと香る清らかな花の香りでさえ、今の俺には偽善の匂いにしか感じられなかった。
『今日もまた雑用か』
俺は心の中で毒づきながら水を汲む。ポーションの管理、野営の準備、見張り。戦闘以外の雑務はすべて俺の仕事だった。元の世界では調香師としてそれなりの評価を得ていたというのに、ここではゴミ同然の扱いだ。
悔しさがこみ上げてくるが、どうすることもできない。この世界で一人で生きていく術など、俺は持っていなかった。
その夜のことだった。野営地の中心で、ガイアスが俺を呼びつけた。その隣にはセレスが静かにたたずんでいる。他の仲間たちは、少し離れた場所から興味深そうに、あるいは憐れむようにこちらを見ていた。
「レン、お前に話がある」
ガイアスの声はいつもより低く、有無を言わさぬ響きを持っていた。嫌な予感が胸をざわつかせる。
「……なんでしょうか」
「単刀直入に言う。お前は明日からこのパーティを抜けろ」
「え……?」
思考が停止する。追放。その二文字が、頭の中で現実味なく反響した。
「ど、どうしてですか……?俺、雑用なら何でもやります!これまで以上に働きますから!」
必死に食い下がる俺を、ガイアスは鼻で笑った。
「雑用なら誰でもできる。問題は、お前のような戦闘能力のない無能がパーティにいること自体が士気に関わるということだ。そうだろ、セレス」
話を振られたセレスは、こくりとうなずく。その瞳に、あわれみの色すらなかった。
「ガイアス様のおっしゃる通りです。あなたのスキル【調香】は、聖なる戦いにおいて何の役にも立ちません。あなたの存在は、私たちの足枷でしかありませんでした」
聖女の口から紡がれる氷のように冷たい言葉が、俺の心を抉るには十分すぎる威力を持っていた。
「そんな……」
「装備は置いていけ。食料は一日分だけくれてやる。それでどこへなりと行くがいい」
ガイアスの言葉は事実上の死刑宣告だ。ここは魔物がうごめく危険地帯。戦闘能力のない俺が一人で生き延びられるはずがない。
「ま、待ってください!お願いします!見捨てないでください!」
俺はみっともなく地面に膝をつき、彼らに懇願した。だが、ガイアスは俺の肩を乱暴に蹴り飛ばす。
「見苦しいぞ。さっさと失せろ」
地面に倒れ込んだ俺の視界の端に、セレスの白いローブの裾が映る。彼女は最後まで、俺に一瞥もくれなかった。
夜明け前、俺は言われた通り最低限の食料と水だけを渡され、パーティを追い出された。背後からは仲間たちの嘲笑が聞こえてくるようだ。
俺は一人、夜の闇が支配する「黒の森」へと足を踏み入れた。絶望と裏切られた怒りで、全身が震える。
『なぜ俺がこんな目に……』
木々の間から聞こえる不気味な獣の鳴き声に、恐怖で足がすくむ。このまま野垂れ死ぬか、魔物に食われるか。どちらにせよ、俺の異世界での人生はここで終わりなのだろう。
涙が溢れ、視界が滲む。その時だった。
ふと、足元に生えていた見慣れないキノコが目に入った。それはかすかに甘く、それでいて少し痺れるような独特の香りを放っている。
元の世界での調香師の血が騒いだ。俺は無意識にそのキノコを手に取り、香りを確かめる。
――これは、もしかしたら。
俺の頭に、ある考えが閃いた。スキル【調香】。それはただ香りを創るだけではない。この世界に満ちる「聖気」や「魔素」といった未知のエネルギーを香りと組み合わせれば、何らかの作用を引き起こせるのではないか?
例えば、このキノコが持つ微弱な麻痺成分を、香りを触媒にして増幅させることができれば……。
背後でガサリと大きな物音がした。振り返ると、涎を垂らしたゴブリンが二体、棍棒を構えてこちらににじり寄ってくる。緑色の肌、尖った耳、そして血走った目が俺の命を狙っていた。
「くそっ……!」
絶体絶命。腰が抜けて、逃げることすらできない。
『やるしかない!』
俺は震える手で、懐から小さな調合用の小瓶を取り出した。そして先ほどのキノコを握りつぶし、森に生えていた他の薬草と共に瓶に放り込む。
スキル【調香】を発動。俺の意識が瓶の中の素材に集中する。それぞれの素材が持つ香りの成分、その奥に眠る微弱な魔素の流れを感じ取った。
『混ざれ、混ざれ……!奴らの動きを止める、痺れるような香りに!』
祈るような気持ちで瓶を振る。すると、瓶の中から紫色の煙が立ち上り、むせ返るような甘い香りが周囲に漂い始めた。
ゴブリンたちが、ピタリと動きを止める。奴らの血走った目は困惑したように宙をさまよった。
そして次の瞬間、二体のゴブリンはまるで糸が切れた人形のように、その場に崩れ落ちた。いびきのような寝息を立てている。
「……成功、したのか?」
俺は呆然と目の前の光景を見つめていた。外れスキル。無能の烙印。そう呼ばれ続けた俺の力が、初めて意味を持った瞬間だった。
俺の口元に、自嘲とも歓喜ともつかない笑みが浮かぶ。
「そうか……これが俺の力……」
絶望の森で、俺はたった一人、自らのスキルの真の価値に気づいた。
ガイアス、セレス。お前たちが捨てたこの力で、俺は生き抜いてやる。そしていつか必ず、お前たちに思い知らせてやるんだ。この【調香】という力が、聖剣や聖魔法なんかよりもずっと恐ろしい力だということを。
復讐の炎を胸に宿し、俺は夜明け前の暗い森を、今度は確かな足取りで歩き始めた。甘く危険な香りを漂わせながら。
俺、香坂蓮――いや、この世界ではレンか。
異世界ルミナシアに召喚されてから、もう一ヶ月が経とうとしていた。
俺は他の四人と共に「聖勇者」として、この世界を脅かす魔王軍と戦うために呼び出された。それぞれが強力なスキルを授かる中、俺に与えられたのは【調香】。様々な素材から香りを創り出すだけの、この世界では全く役に立たない「外れスキル」だった。
剣も振るえず魔法も使えない俺は、いつしかパーティのお荷物になっていた。
「おい、レン!水汲みはまだか!ぐずぐずするな、無能が!」
焚き火の前で偉そうに腕を組むのは、このパーティのリーダー、聖剣の勇者ガイアスだ。金の髪をなびかせ、いかにも勇者らしい整った顔立ちだが、その瞳は常に俺を侮蔑の色で見下している。
「す、すみません。今やります」
俺は慌てて革袋を手に取り、近くの小川へと駆け出した。背中に突き刺さる冷たい視線を感じながら。
パーティの紅一点であり、人々から慈愛の聖女と崇められるセレスも、俺にとっては冷たい女でしかない。彼女は俺がガイアスに罵倒されていても助け舟一つ出さず、それどころか美しい顔をわずかに歪め、俺が存在しないかのように目をそらすのだ。
彼女の身体からふわりと香る清らかな花の香りでさえ、今の俺には偽善の匂いにしか感じられなかった。
『今日もまた雑用か』
俺は心の中で毒づきながら水を汲む。ポーションの管理、野営の準備、見張り。戦闘以外の雑務はすべて俺の仕事だった。元の世界では調香師としてそれなりの評価を得ていたというのに、ここではゴミ同然の扱いだ。
悔しさがこみ上げてくるが、どうすることもできない。この世界で一人で生きていく術など、俺は持っていなかった。
その夜のことだった。野営地の中心で、ガイアスが俺を呼びつけた。その隣にはセレスが静かにたたずんでいる。他の仲間たちは、少し離れた場所から興味深そうに、あるいは憐れむようにこちらを見ていた。
「レン、お前に話がある」
ガイアスの声はいつもより低く、有無を言わさぬ響きを持っていた。嫌な予感が胸をざわつかせる。
「……なんでしょうか」
「単刀直入に言う。お前は明日からこのパーティを抜けろ」
「え……?」
思考が停止する。追放。その二文字が、頭の中で現実味なく反響した。
「ど、どうしてですか……?俺、雑用なら何でもやります!これまで以上に働きますから!」
必死に食い下がる俺を、ガイアスは鼻で笑った。
「雑用なら誰でもできる。問題は、お前のような戦闘能力のない無能がパーティにいること自体が士気に関わるということだ。そうだろ、セレス」
話を振られたセレスは、こくりとうなずく。その瞳に、あわれみの色すらなかった。
「ガイアス様のおっしゃる通りです。あなたのスキル【調香】は、聖なる戦いにおいて何の役にも立ちません。あなたの存在は、私たちの足枷でしかありませんでした」
聖女の口から紡がれる氷のように冷たい言葉が、俺の心を抉るには十分すぎる威力を持っていた。
「そんな……」
「装備は置いていけ。食料は一日分だけくれてやる。それでどこへなりと行くがいい」
ガイアスの言葉は事実上の死刑宣告だ。ここは魔物がうごめく危険地帯。戦闘能力のない俺が一人で生き延びられるはずがない。
「ま、待ってください!お願いします!見捨てないでください!」
俺はみっともなく地面に膝をつき、彼らに懇願した。だが、ガイアスは俺の肩を乱暴に蹴り飛ばす。
「見苦しいぞ。さっさと失せろ」
地面に倒れ込んだ俺の視界の端に、セレスの白いローブの裾が映る。彼女は最後まで、俺に一瞥もくれなかった。
夜明け前、俺は言われた通り最低限の食料と水だけを渡され、パーティを追い出された。背後からは仲間たちの嘲笑が聞こえてくるようだ。
俺は一人、夜の闇が支配する「黒の森」へと足を踏み入れた。絶望と裏切られた怒りで、全身が震える。
『なぜ俺がこんな目に……』
木々の間から聞こえる不気味な獣の鳴き声に、恐怖で足がすくむ。このまま野垂れ死ぬか、魔物に食われるか。どちらにせよ、俺の異世界での人生はここで終わりなのだろう。
涙が溢れ、視界が滲む。その時だった。
ふと、足元に生えていた見慣れないキノコが目に入った。それはかすかに甘く、それでいて少し痺れるような独特の香りを放っている。
元の世界での調香師の血が騒いだ。俺は無意識にそのキノコを手に取り、香りを確かめる。
――これは、もしかしたら。
俺の頭に、ある考えが閃いた。スキル【調香】。それはただ香りを創るだけではない。この世界に満ちる「聖気」や「魔素」といった未知のエネルギーを香りと組み合わせれば、何らかの作用を引き起こせるのではないか?
例えば、このキノコが持つ微弱な麻痺成分を、香りを触媒にして増幅させることができれば……。
背後でガサリと大きな物音がした。振り返ると、涎を垂らしたゴブリンが二体、棍棒を構えてこちらににじり寄ってくる。緑色の肌、尖った耳、そして血走った目が俺の命を狙っていた。
「くそっ……!」
絶体絶命。腰が抜けて、逃げることすらできない。
『やるしかない!』
俺は震える手で、懐から小さな調合用の小瓶を取り出した。そして先ほどのキノコを握りつぶし、森に生えていた他の薬草と共に瓶に放り込む。
スキル【調香】を発動。俺の意識が瓶の中の素材に集中する。それぞれの素材が持つ香りの成分、その奥に眠る微弱な魔素の流れを感じ取った。
『混ざれ、混ざれ……!奴らの動きを止める、痺れるような香りに!』
祈るような気持ちで瓶を振る。すると、瓶の中から紫色の煙が立ち上り、むせ返るような甘い香りが周囲に漂い始めた。
ゴブリンたちが、ピタリと動きを止める。奴らの血走った目は困惑したように宙をさまよった。
そして次の瞬間、二体のゴブリンはまるで糸が切れた人形のように、その場に崩れ落ちた。いびきのような寝息を立てている。
「……成功、したのか?」
俺は呆然と目の前の光景を見つめていた。外れスキル。無能の烙印。そう呼ばれ続けた俺の力が、初めて意味を持った瞬間だった。
俺の口元に、自嘲とも歓喜ともつかない笑みが浮かぶ。
「そうか……これが俺の力……」
絶望の森で、俺はたった一人、自らのスキルの真の価値に気づいた。
ガイアス、セレス。お前たちが捨てたこの力で、俺は生き抜いてやる。そしていつか必ず、お前たちに思い知らせてやるんだ。この【調香】という力が、聖剣や聖魔法なんかよりもずっと恐ろしい力だということを。
復讐の炎を胸に宿し、俺は夜明け前の暗い森を、今度は確かな足取りで歩き始めた。甘く危険な香りを漂わせながら。
0
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる