婚約破棄された元悪役令嬢、前世が淀殿だったので慰謝料のクズ領地で治水・商業チート炸裂!元婚約者?もう知りません

黒崎隼人

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第十章:中央からの圧力と、民の結束

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 ユリウスが王都に戻ってから、案の定、中央からの圧力はすぐに始まった。
 王都に戻った彼は、私が不当に富を独占し、辺境で独立国家でも築こうとしている、と国王に讒言したのだ。私の成功を妬む他の貴族たちも、それにこぞって同調した。
 結果として、国王の名の下に、ヴァイス領に対して法外な重税を課すという勅令が下された。さらに、ギルベルトの商隊が王都に入ることを禁じられ、我が領の特産品の主要な販路が断たれてしまった。
 それは、ヴァイス領の経済の根幹を揺るがす、あまりに理不尽な仕打ちだった。
 領主の館に集まったギルベルトや村の長老たちの顔には、不安と怒りの色が浮かんでいる。
「辺境伯様、これはあんまりです!これでは、我々が汗水たらして稼いだ富を、全て王都に吸い上げられてしまう!」
「このままでは、冬を越すのも厳しくなりますぞ……」
 領地は、間違いなく危機に陥っていた。
 だが、私は動じなかった。この程度のことで揺らぐほど、私の城は脆くはない。
 私は領民たち全員を広場に集めると、状況を包み隠さず、正直に説明した。王家からの圧力、課せられた重税、そして交易の制限。全てを。
 領民たちの間に、動揺が走る。静まり返った広場で、私は静かに、しかし力強く語りかけた。
「皆、不安に思う気持ちは分かります。ですが、俯いていては何も始まりません。私は、このヴァイス領を、私たちの城を、誰にも明け渡すつもりはありません」
 私は、集まった一人ひとりの顔を見つめながら言った。
「私は、皆と共に、この危機に立ち向かいたい。この理不尽に、屈するつもりはありません。皆の力を、私に貸してくれますか?」
 私の言葉に、最初に答えたのはアランだった。彼は私の隣で剣を抜き、高らかに宣言した。
「我らは、命に代えてもシャーロット様と、このヴァイス領をお守りする!」
 その声に呼応するように、自警団の若者たちが雄叫びを上げた。そして、それは波のように広がっていく。
「そうだ、俺たちの領地だ!」
「領主様を一人にはさせねえ!」
「王都の連中に、俺たちの力を見せてやろうぜ!」
 民は、応えてくれた。彼らはもはや、無力な農民ではない。自らの手で土地を切り拓き、豊かさを勝ち取った誇り高きヴァイスの民なのだ。
 その日から、ヴァイス領は一丸となった。
 ギルベルトは、彼の長年の経験と人脈を活かし、王都を介さない秘密の交易ルートの開拓に奔走した。海を渡り、隣国との直接取引を模索し始めたのだ。
 アランは、領地の防衛体制をさらに強化した。見張り台を増やし、自警団の訓練を厳しくし、万が一の武力侵攻に備えた。聖獣フェンリルもまた、森の獣たちと協力し、領地の周囲の警戒を強めてくれた。
 そして領民たちは、食料や物資を自発的に分け合い、助け合い、この苦しい時期を乗り越えようと結束した。誰も、領主である私を責めなかった。
 中央からの圧力は、逆に私たちの絆を、ヴァイス領という城の石垣を、より一層強固なものにした。
 私は、この頼もしい民と仲間たちに囲まれ、改めて誓う。
 どんな手を使っても、この城は守り抜く。そして、この仕打ちには、必ず報いを受けさせてみせる、と。
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