心を開かないと決めた少女

1話 少女の過去

「てめぇうぜぇんだよっ！」
　ﾄﾞｺﾞｯ!ﾊﾞｺﾞｯ!
「い゛…」
　反論なんかできない。反論なんかしたらもっと殴られるから。今でも痛いのに、もっともっと痛くなるなんて嫌だ。我慢することも強くなるって。幼稚園の先生が言ってた。だから我慢する。未来の私が傷つかないように。
「もういいわ。つまんねー。今日はここまでにしてやるよ。」
　そう睨みつけて私の視界から消えた。何だっただ。
　もういい、帰ろ。

　家についても、どうせ虐待。殴られて、蹴られて、まっずいご飯食べさせられて、追い出されて、熱湯かけられて。はぁ…私の人生狂いすぎだろ…
「なんでだろ…」
　もういいや。信用なんていらない。信じられるのは誰一人としていない。私だって信用しない。だれも信用しない。そう決めたの。
「…ごめんなジョーちゃん」
「は…」
　ﾄﾝｯ
その瞬間私は意識を手放した。

…意識を取り戻したときには、私の家とはちょっと違うけど、普通の家の天井があった。てかそもそも…前の記憶がない。あるのは、知らない男性に声をかけられたことだけ。かけられた内容も覚えてない。でも…多分私がここにいるのはあの男性のせいだと思う。
結局、ここはどこなのだろうか。普通の家なのか…連れ去るにしても、もっと警備は硬いはずだ。周りを見渡しても、扉とベット、本棚くらいしかない。
とりあえず、扉から部屋を出ることにした。
「あ、起きたのか。」
そう言ってきたのは私を連れ去ったであろう男性だった。
「…ここは何処ですか。」
「ド曲球に聞くんだな。…ここはな俺達のアジトだ。」
「そうですか。なんで私をここにつれてきたんですか。」
「人質にするためさ。お前の親から金を取るためだ。 」
「どうせ無理ですよ。選ぶ人を間違えましたね。」
そう私が嘲笑うように言うと、男性は
「は、面白い。おれがお前を生きたいと思わせてやるよ」