KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

ジェド

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第三章 真意 後篇

第三章 真意 後篇 14

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「もうやめろ、お前たち!! 真加を傷つけることは、このわたしが許さん!! それ以上、彼女に手を出すな!!」

善良が怒りを露にすると、真加はハッと目を見開いた。

「せ、先生!」

一方、村上は善良を睨み付けながら、不機嫌そうな表情を浮かべる。

「なんだ、お前は!? 俺たちの邪魔をするつもりか!? 部外者はすっ込んでろ!!」

「その子はわたしの大切な弟子だ! 今すぐ解放しろ!」

「フン、弟子だと?」

村上は一瞬眉をひそめると、やがて口元に不気味な笑みを浮かべた。

「そうか! この小娘に武術を教えたのは、お前だな!? なるほど、それでここへ来たというわけか! だが、これは俺と小娘の問題だ! どうしても俺たちの邪魔をするというなら、先にお前から始末してやる!」

村上は険しい表情を浮かべると、男たちの方を振り向く。

「おい、さっさとあいつを叩きのめしてこい! 相手は1人だ! 全員でかかれぇ!」

村上がそう叫ぶと、男たちは善良目掛けて一斉に襲い掛かった。

善良は舌打ちし、提灯を地面に置く。

「チッ……やはり、こうなるのか。ならばやむを得ん。無闇に拳を振るうのは不本意だが、少し痛い目に遭ってもらうぞ!」

善良は全速力で斜面を駆け降りると、男の1人の顔面に右飛び横蹴りを食らわせた。

男が仰向けに倒れると、善良は砂浜に着地し、様々な軌道の突きや蹴り、あるいは多彩な投げ技や関節技を繰り出して次々と他の男たちを倒し始める。

男の1人は右足を1歩前に踏み込み、善良の頭目掛けて短棒を右上から振り下ろした。

善良は左手で男の右手を左上へ受け流しながら掴むと、右前腕の尺側で男の右肘窩を押し落とす。

男が仰向けに投げ倒されると、善良はすかさず右正拳下段突きを男の顔面に食らわせた。

別の男は右足を1歩前に踏み込み、善良の頭目掛けて短棒を右上から振り下ろす。

善良は左手で男の右手を左上へ受け流しながら掴むと、体を左回りに捌き、右腕で男の右上腕を下から抱えて一本背負投を繰り出した。

男が仰向けに投げ倒されると、善良はすかさず右下段踏み蹴りを男の腹に食らわせた。

もう1人別の男は右足を1歩前に踏み込み、善良の右側頭部目掛けて短棒を左から一文字に振り回す。

善良は両手で男の右手を受け流しながら逆手に掴み、左脇に男の右上腕を抱えて腕挫腋固うでひしぎわきがためを繰り出した。

男が跪くと、善良はすかさず右足で男の顔面を蹴りつける。

真加は立ち尽くし、善良と男たちの戦いに目を向けていた。

(これが、先生の強さの秘訣……1つひとつの技が、全部型の動きの応用になってる!)

真加がハッとした表情を浮かべる中、守善と美嘉、守央、世璋、光永、守優の6人も、善良と男たちの戦いに目を向けている。

「す、すごい……」
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