26 / 45
聖女と暗殺者、邪魔者を消す
しおりを挟む
「ラナさん、ゲイランが初級ダンジョンで遊んでいる間に邪魔な人を消しに行きませんか?」
聖女がそこら辺に散歩に行くようなテンションで誘ってくる。
「行くことはやぶさかではありませんが、何処に行くんですか?王城とかはやめてくださいね」
「それは大丈夫です。行き先は聖王国ですから」
「聖王国って貴女の出身地ですよね?」
「そうです。ただやはり聖女には敵が沢山いまして、このパーティーで勇者を殺す前に邪魔をされると困るんですよ」
「それは確かに。それで誰なんですか?ターゲットは」
「教皇猊下の息子ですね」
「....申し訳ない。もう一度聞いても大丈夫だろうか?」
「耳が急に遠くなっちゃったんですか?教皇猊下の息子ですよ。つまり次期教皇と噂されている人物です」
「そんな大物私達だけでどうにかなるのか?」
「それが実は意外に簡単に殺せちゃうんですよ。彼、悪魔崇拝者なんでその集会にサクッと潜入して悪魔への生贄を彼にしちゃえば万事解決です」
ニコッと微笑む聖女が悪魔そのものに見える。
なんとなく聖女が教皇の息子を殺したい理由は分かった気がした。聖王国のみならず、全ての国家において悪魔崇拝は禁忌だ。特に聖王国では神に背く行為として、最悪死刑にされる。教皇の息子として見逃されてきたのを聖女は我慢ならないのだろう。
「普通に問題が2つほどあるように思うのですが」
「なんでしょう?」
「1つ目は何処でその集会が開催されているか、2つ目はどうやって生贄に入れ替えるかです」
「1つ目は目処が立っていますが2つ目は言われてみると中々難しいですね....。いっそ集会に向かう最中にという方が現実的かもしれません」
「装備がわかりませんが、私は後者の方が確率は高いと思います。失敗してもいいのであれば前者を選びますが」
「顔を見られる可能性がある以上失敗は良しとしません。後者でいきましょう」
「護衛がいた場合は?」
「私が聖女という立場を利用して悪魔崇拝に興味があるふりをしますのでその間に片付けてください」
「はぁ....。わかりましたよ....」
「ちょうどいい時間に着けましたね」
昼に王国を出発し、聖王国に日が傾く頃についた。悪魔崇拝の儀式はちょうど日の暮から日が落ち切るぐらいに始まるらしい。
「そろそろぼんくら....もとい教皇の息子を乗せた馬車が通るはずです。私は倒れたふりをしておくのであとは頼みました」
「わかりました」
私はとりあえず近場の岩陰に隠れる。場所は砂漠に近いがまだ草原との境目に近いからか隠れる為の遮蔽物は豊富にある。
「おい!大丈夫か!?」
私が倒れているのを見てすぐに馬車を止めて駆け寄ってくる。
「おい....ってティーナ様!?何やってるんですか?」
「すいません。少し仲間とはぐれてしまい、数日ご飯にもありつけず聖都を目指して歩いておりました....」
「そんなひどいことを。私の馬車へどうぞお乗りください!少し用事がありますのでそれを済ませる為、少し寝て待っていただければと」
「ありがとうございます......」
私はそういいながら馬車の中に護衛がいるかを確認する。幸運にも護衛はいない。合流の合図の為に光属性魔法【フラッシュ】を発動する。
「聖女様何を!?」
【フラッシュ】に驚いたぼんくらが何か言っているが無視だ。こちらに驚くべきスピードでラナは迫ってくる。
ザシュと後ろで音がする。恐らくすれ違うタイミングで走ってきた勢いをそのまま使い、首を落としたのだろう。
「流石暗殺者ですね。見事な腕前です」
「褒めてもらえるのは嬉しいですが、これは人に褒められる技術ではないので」
「そんなことはないですよ。多分世界には喜ぶ人が沢山いると思いますよ」
私は死体を片付けながら本心を告げる。実際、私も助かっている。
「まあそういうことにしておきましょう。それはそうと、今回この人はどういうシナリオで死んだんですか?」
「サンドワームに食べられということにしておきましょうか。そういえば御者は?」
「それならそこに」
ラナが指差す先に首と胴体が離れ、絶命しているおじさんがいた。
「いつの間に....」
「私と貴女が会話を始める前にはもう死んでましたよ。罪のない人なので少し心が痛みますが」
「前にも思いましたが貴女は暗殺者向いてませんね」
「それは自分でも分かってますよ。ただこれしか生きる道を知らないので」
「私と同じですね。まあ何はともあれ邪魔者を1人消せたのは助かりました」
「全ては勇者を殺す為です。仕方ありません」
「あと数人消えてもらわねばならない人がいるので是非付き合ってくださいね?」
「面倒ですがまあいいでしょう」
こうしてまた1人邪魔者が消えたのだった。いったい誰にとっての邪魔者かは定かではないが。
聖女がそこら辺に散歩に行くようなテンションで誘ってくる。
「行くことはやぶさかではありませんが、何処に行くんですか?王城とかはやめてくださいね」
「それは大丈夫です。行き先は聖王国ですから」
「聖王国って貴女の出身地ですよね?」
「そうです。ただやはり聖女には敵が沢山いまして、このパーティーで勇者を殺す前に邪魔をされると困るんですよ」
「それは確かに。それで誰なんですか?ターゲットは」
「教皇猊下の息子ですね」
「....申し訳ない。もう一度聞いても大丈夫だろうか?」
「耳が急に遠くなっちゃったんですか?教皇猊下の息子ですよ。つまり次期教皇と噂されている人物です」
「そんな大物私達だけでどうにかなるのか?」
「それが実は意外に簡単に殺せちゃうんですよ。彼、悪魔崇拝者なんでその集会にサクッと潜入して悪魔への生贄を彼にしちゃえば万事解決です」
ニコッと微笑む聖女が悪魔そのものに見える。
なんとなく聖女が教皇の息子を殺したい理由は分かった気がした。聖王国のみならず、全ての国家において悪魔崇拝は禁忌だ。特に聖王国では神に背く行為として、最悪死刑にされる。教皇の息子として見逃されてきたのを聖女は我慢ならないのだろう。
「普通に問題が2つほどあるように思うのですが」
「なんでしょう?」
「1つ目は何処でその集会が開催されているか、2つ目はどうやって生贄に入れ替えるかです」
「1つ目は目処が立っていますが2つ目は言われてみると中々難しいですね....。いっそ集会に向かう最中にという方が現実的かもしれません」
「装備がわかりませんが、私は後者の方が確率は高いと思います。失敗してもいいのであれば前者を選びますが」
「顔を見られる可能性がある以上失敗は良しとしません。後者でいきましょう」
「護衛がいた場合は?」
「私が聖女という立場を利用して悪魔崇拝に興味があるふりをしますのでその間に片付けてください」
「はぁ....。わかりましたよ....」
「ちょうどいい時間に着けましたね」
昼に王国を出発し、聖王国に日が傾く頃についた。悪魔崇拝の儀式はちょうど日の暮から日が落ち切るぐらいに始まるらしい。
「そろそろぼんくら....もとい教皇の息子を乗せた馬車が通るはずです。私は倒れたふりをしておくのであとは頼みました」
「わかりました」
私はとりあえず近場の岩陰に隠れる。場所は砂漠に近いがまだ草原との境目に近いからか隠れる為の遮蔽物は豊富にある。
「おい!大丈夫か!?」
私が倒れているのを見てすぐに馬車を止めて駆け寄ってくる。
「おい....ってティーナ様!?何やってるんですか?」
「すいません。少し仲間とはぐれてしまい、数日ご飯にもありつけず聖都を目指して歩いておりました....」
「そんなひどいことを。私の馬車へどうぞお乗りください!少し用事がありますのでそれを済ませる為、少し寝て待っていただければと」
「ありがとうございます......」
私はそういいながら馬車の中に護衛がいるかを確認する。幸運にも護衛はいない。合流の合図の為に光属性魔法【フラッシュ】を発動する。
「聖女様何を!?」
【フラッシュ】に驚いたぼんくらが何か言っているが無視だ。こちらに驚くべきスピードでラナは迫ってくる。
ザシュと後ろで音がする。恐らくすれ違うタイミングで走ってきた勢いをそのまま使い、首を落としたのだろう。
「流石暗殺者ですね。見事な腕前です」
「褒めてもらえるのは嬉しいですが、これは人に褒められる技術ではないので」
「そんなことはないですよ。多分世界には喜ぶ人が沢山いると思いますよ」
私は死体を片付けながら本心を告げる。実際、私も助かっている。
「まあそういうことにしておきましょう。それはそうと、今回この人はどういうシナリオで死んだんですか?」
「サンドワームに食べられということにしておきましょうか。そういえば御者は?」
「それならそこに」
ラナが指差す先に首と胴体が離れ、絶命しているおじさんがいた。
「いつの間に....」
「私と貴女が会話を始める前にはもう死んでましたよ。罪のない人なので少し心が痛みますが」
「前にも思いましたが貴女は暗殺者向いてませんね」
「それは自分でも分かってますよ。ただこれしか生きる道を知らないので」
「私と同じですね。まあ何はともあれ邪魔者を1人消せたのは助かりました」
「全ては勇者を殺す為です。仕方ありません」
「あと数人消えてもらわねばならない人がいるので是非付き合ってくださいね?」
「面倒ですがまあいいでしょう」
こうしてまた1人邪魔者が消えたのだった。いったい誰にとっての邪魔者かは定かではないが。
22
あなたにおすすめの小説
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
パーティーの役立たずとして追放された魔力タンク、世界でただ一人の自動人形『ドール』使いになる
日之影ソラ
ファンタジー
「ラスト、今日でお前はクビだ」
冒険者パーティで魔力タンク兼雑用係をしていたラストは、ある日突然リーダーから追放を宣告されてしまった。追放の理由は戦闘で役に立たないから。戦闘中に『コネクト』スキルで仲間と繋がり、仲間たちに自信の魔力を分け与えていたのだが……。それしかやっていないことを責められ、戦える人間のほうがマシだと仲間たちから言い放たれてしまう。
一人になり途方にくれるラストだったが、そこへ行方不明だった冒険者の祖父から送り物が届いた。贈り物と一緒に入れられた手紙には一言。
「ラストよ。彼女たちはお前の力になってくれる。ドール使いとなり、使い熟してみせよ」
そう記され、大きな木箱の中に入っていたのは綺麗な少女だった。
これは無能と言われた一人の冒険者が、自動人形(ドール)と共に成り上がる物語。
7/25男性向けHOTランキング1位
コストカットだ!と追放された王宮道化師は、無数のスキルで冒険者として成り上がる。
あけちともあき
ファンタジー
「宮廷道化師オーギュスト、お前はクビだ」
長い間、マールイ王国に仕え、平和を維持するために尽力してきた道化師オーギュスト。
だが、彼はその活躍を妬んだ大臣ガルフスの陰謀によって職を解かれ、追放されてしまう。
困ったオーギュストは、手っ取り早く金を手に入れて生活を安定させるべく、冒険者になろうとする。
長い道化師生活で身につけた、数々の技術系スキル、知識系スキル、そしてコネクション。
それはどんな難関も突破し、どんな謎も明らかにする。
その活躍は、まさに万能!
死神と呼ばれた凄腕の女戦士を相棒に、オーギュストはあっという間に、冒険者たちの中から頭角を現し、成り上がっていく。
一方、国の要であったオーギュストを失ったマールイ王国。
大臣一派は次々と問題を起こし、あるいは起こる事態に対応ができない。
その方法も、人脈も、全てオーギュストが担当していたのだ。
かくしてマールイ王国は傾き、転げ落ちていく。
目次
連載中 全21話
2021年2月17日 23:39 更新
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する
こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」
そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。
だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。
「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」
窮地に追い込まれたフォーレスト。
だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。
こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。
これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。
自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜
ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。
その一員であるケイド。
スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。
戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。
それでも彼はこのパーティでやって来ていた。
彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。
ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。
途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。
だが、彼自身が気付いていない能力があった。
ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。
その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。
自分は戦闘もできる。
もう荷物持ちだけではないのだと。
見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。
むしろもう自分を卑下する必要もない。
我慢しなくていいのだ。
ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。
※小説家になろう様でも連載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる