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聖女と暗殺者、失敗する
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感動の再会を分かち合っている横で聖女と暗殺者は虎視眈々と勇者の手から聖剣が落ちる瞬間を狙っていた。
「ゲイラン、私貴方に伝えたかったことがありましてよ!」
「ああ、俺もだ!」
「私貴方のことがずっと好きでしたわ。出会った頃から」
「俺も好きだった。なのにお前は俺が気持ちを伝える前に....」
「変なゲイランですわね」
そういい聖騎士が勇者を抱きしめる。その瞬間、勇者の手から聖剣が転がり落ちた。
聖女がその聖剣拾う。それが合図だった。
「ゲイランはずっと私のものですからね」
抱きついて離れない聖騎士を横目に暗殺者が短剣を勇者の首筋に突きたてる。
探検が弾かれるような感覚が襲ってくる。
「ラナさん?何をしてるんだ?」
あと一撃これを外せばもうここで殺すことはできない。私は勇者の言葉を一旦無視して、もう一度短剣を同じ首筋に刺しにいく。
だが何故か刺さらない。
「ラナさん本当にどうしたんだ?」
勇者が困った顔をしている。まさか仲間が自分を殺そうとしているだなんて思っていない顔だ。
「いえ、勇者様から嫌な雰囲気を感じまして....」
「嫌な雰囲気?ティーナ感じた?」
「少しだけ感じた。ラナはまだ勇者パーティーに入ってから日が浅いし、仕方ないと思う」
「そうだよな。結構に頻繁にいることだし。ラナさん次からそんなに気にしないでくれ」
「わかりました......」
私は内心冷や汗が止まらなかった。言い訳としてはかなり苦しかったはずだ。
「ところでミラいつまで抱きついてるの?」
勇者が聖騎士に声をかける。だがそこに居たのは聖騎士だったもの。
グールへと変貌を遂げていた。
「なんでミラがグールに!?」
驚いた勇者が聖騎士だったものを振り払おうとするが離れない。
「ティーナ!なんとかしてくれ」
「わかった。【ホーリーレイ】」
光属性中級魔法【ホーリーレイ】をグールに放ち、消滅させる。
消滅の間際に何か喋っていたが聞き取れることはなかった。
「色々あって疲れたな....」
「まさかグールが魔法を使うなんて思いませんでした。あの時感じた嫌な予感はそれだったのですね」
白々しく、暗殺者が言う。
「そうかもしれないね」
「とりあえず私がいる限りは大丈夫」
「そうだな。いつもありがとう」
そう言って今日自分を殺そうとしてた人間の頭を撫でる勇者。それはとても歪な光景にみえた。
聖女と暗殺者は聖女の部屋で反省会をしていた。
「失敗しましたね」
「ええ、ものの見事に」
「聖剣はなんとか勇者から引き剥がし、私が管理することになりましたがあの斬撃防いだ武具も特定しなければなりません」
「あれは防具によるものだと思いますが回数がわかりません。もしかしたら無限にということもあり得ます」
「そうなると脱がせるしかありませんが中々難しいですよね。いっそどちらかが夜這いにいって殺すというのも視野に入れておきましょうか」
「それはいい案かもしれません」
「なんにせよ、もう聖騎士は使えません。次はどうやって隙を作るかです。勇者の家族を人質に取るのも面白いかもしれませんね」
聖女の微笑みはやはり闇が深い。
「ゲイラン、私貴方に伝えたかったことがありましてよ!」
「ああ、俺もだ!」
「私貴方のことがずっと好きでしたわ。出会った頃から」
「俺も好きだった。なのにお前は俺が気持ちを伝える前に....」
「変なゲイランですわね」
そういい聖騎士が勇者を抱きしめる。その瞬間、勇者の手から聖剣が転がり落ちた。
聖女がその聖剣拾う。それが合図だった。
「ゲイランはずっと私のものですからね」
抱きついて離れない聖騎士を横目に暗殺者が短剣を勇者の首筋に突きたてる。
探検が弾かれるような感覚が襲ってくる。
「ラナさん?何をしてるんだ?」
あと一撃これを外せばもうここで殺すことはできない。私は勇者の言葉を一旦無視して、もう一度短剣を同じ首筋に刺しにいく。
だが何故か刺さらない。
「ラナさん本当にどうしたんだ?」
勇者が困った顔をしている。まさか仲間が自分を殺そうとしているだなんて思っていない顔だ。
「いえ、勇者様から嫌な雰囲気を感じまして....」
「嫌な雰囲気?ティーナ感じた?」
「少しだけ感じた。ラナはまだ勇者パーティーに入ってから日が浅いし、仕方ないと思う」
「そうだよな。結構に頻繁にいることだし。ラナさん次からそんなに気にしないでくれ」
「わかりました......」
私は内心冷や汗が止まらなかった。言い訳としてはかなり苦しかったはずだ。
「ところでミラいつまで抱きついてるの?」
勇者が聖騎士に声をかける。だがそこに居たのは聖騎士だったもの。
グールへと変貌を遂げていた。
「なんでミラがグールに!?」
驚いた勇者が聖騎士だったものを振り払おうとするが離れない。
「ティーナ!なんとかしてくれ」
「わかった。【ホーリーレイ】」
光属性中級魔法【ホーリーレイ】をグールに放ち、消滅させる。
消滅の間際に何か喋っていたが聞き取れることはなかった。
「色々あって疲れたな....」
「まさかグールが魔法を使うなんて思いませんでした。あの時感じた嫌な予感はそれだったのですね」
白々しく、暗殺者が言う。
「そうかもしれないね」
「とりあえず私がいる限りは大丈夫」
「そうだな。いつもありがとう」
そう言って今日自分を殺そうとしてた人間の頭を撫でる勇者。それはとても歪な光景にみえた。
聖女と暗殺者は聖女の部屋で反省会をしていた。
「失敗しましたね」
「ええ、ものの見事に」
「聖剣はなんとか勇者から引き剥がし、私が管理することになりましたがあの斬撃防いだ武具も特定しなければなりません」
「あれは防具によるものだと思いますが回数がわかりません。もしかしたら無限にということもあり得ます」
「そうなると脱がせるしかありませんが中々難しいですよね。いっそどちらかが夜這いにいって殺すというのも視野に入れておきましょうか」
「それはいい案かもしれません」
「なんにせよ、もう聖騎士は使えません。次はどうやって隙を作るかです。勇者の家族を人質に取るのも面白いかもしれませんね」
聖女の微笑みはやはり闇が深い。
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