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12章 日常に立ちはだかる敵と味方と
136話 おふろで残念美人な優花
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「兄さん……敵は、すぐ近くに居たようです……!」
「そう……」
「体重が……2キロも……!」
「優花は痩せすぎだと思うけどなぁ……」
「とんでもありません! このままだと制服のスカートが入らなくなります!」
「あと何ヶ月粘れば卒業で着なくなるんだからいいじゃん……」
「よくありません!」
――ざばっ。
「見てください!」
「見なきゃダメ……?」
「駄目です!」
優花が湯船の中で立ち上がり――僕の頭上で、ずいっと覆いかぶさってくる。
「見てください! この二の腕の太さを!」
「健康的だと思うけどなぁ……」
そして片腕を上げたくぼみを――その真横の女性らしい突起を隠しもせずに見せつけてくる。
至近距離で、乙女の大切なものを。
男である僕の瞳から30センチのところに接近させる必要はないはずなのに。
その真横のわきの下も横乳も、男にとっては極めてセンシティブなもののはずなのに。
「それに……ほら! 体をひねるとわき腹が段々に!」
「痩せててもなるよ、それは……だから落ち着こう」
「これが落ち着いていられますか!? 正月太りしたなどと噂になったらどうするんですか!」
「優花、あの学校でなんか神格化されすぎてるし、ちょうど良いと思うよ……」
次に見せつけてくるのはツイストして――ただでさえ細いのにさらに細くなっている腰のくびれ。
おへそからおしりまでが見えちゃって非常によろしくないんだけども、僕が女の子になってからなぜか一緒に入るようになっているおふろでたまに暴走するときは何を言っても無駄。
裁量最短の方法が、今みたいに言いなりになるだけなんだ。
だいたいは彼女の体を観察してほしいっていう……なんでだろうね。
僕は、僕の妹のことが良く分からないよ。
これならまだ着せ替え人形にさせられてる方が何倍もマシだよ。
「はぁ……はぁ……ほら、見てください……おしりもふとももも、こんなにも太くなっているでしょう……?」
「いつも言ってるけど、普通の男は女子目線で太いって感じる程度から魅力を感じるんだよ、ふとももとかおしりとか」
「兄さんは!」
「僕はこだわりはないって言ってるし、そもそも今は女の子だからそういうのもないんだってばぁ……」
息も荒く詰め寄ってくる妹――ただし僕より背も高くて筋肉もあって社会的なステータスも学力も運動神経も交友関係も信頼もある、完全な上位互換なのに残念なところがある妹。
歳が離れているから異性とは見られなくって――そりゃあ僕が小学生で優花が赤ちゃんのときはおしめも替えてたし、それからずっと……中学始めまで一緒におふろとか入ってたし――そして男である象徴を夢の中に落っことして女の子になっちゃってる僕は、妹の妹としてしか認識されていないんだ。
せいぜいが「男の感性が分かる妹」ってくらいに……ああ、悲しい。
なによりも、お情けで「兄さん」って読んでくれることが、さらに。
シャンプー、コンディショナー――からの、お湯に浸かってるあいだにタオルを髪の毛に巻くことでのおふろ時間短縮のために、綺麗な黒髪はタオルでまとめ上げられている、自慢の妹。
僕もぐるぐる巻きにされているけども、今はそれはどうでも良くって。
ぐるぐる巻きなせいで頭が重くって、ともすると首がいかれそうなのも今はどうでも良くって。
町を歩けばみんなが注目する――これは小学生のときからそうだった――美人さんな高校生女子で、確かに話したことがなければ清楚なお嬢様とも取れる素顔。
今はおふろの中であったまって、ついでで太った事実で混乱して口元がだらしない感じになって顔が真っ赤になってて息がはぁはぁなってるけども、なんだか非常に残念美人さんになってはいるけども、それでも美人さんは美人さん。
美人は何をしていても美人だからずるいよね。
今の僕もげろげろしてたって愛でられる程度にはかわいいから良く分かるよ。
運動部所属ではないものの日課としてトレーニングもしていて運動量も結構あって、加えて女子特有の異常なまでのスリムに対するこだわりのせいで食事制限もしているもんだから、本当に余分な肉が無いんだ。
首から鎖骨、肩までは見ていて僕が不安になるくらいに細くって、今言ってた二の腕だって、男としての感想ではむしろまだ細すぎて。
隠しもしない女性としてのバストは顔をうずめるとちょうど良い――じゃないじゃない、えっと、メーカーによってはBになることもあるCカップで、あったかいお湯の中からじゃばっと立ち上がってから冷気にさらされているせいで熱を帯びてもきゅっとつんと尖っていて。
ひねるとあばら骨が透けて見える腰はそれはもう細くって、なんなら寸胴の幼女体型な今の僕よりも細いくらいで、そこから下はなだらかに膨らんでいるけどもやっぱもっと食べた方が良いと思う下半身。
おしりとふとももは胸元と同じく、極端には大きくないけども健康的な張りがあって、それがちょうど僕の目の近くにあって。
――ぴちゃん。
浴槽で全身濡れたまま立って数分の妹から、水滴が跳ねる。
どうしよう。
……普段のテンションが低いからこそ、いちど高くなるとちょっとおかしくなる妹は――異性に全裸を見られることへの抵抗が予想以上に低かったらしい。
これはいけない。
このままだと悪い彼氏さんに捕まったときにあることないこと吹き込まれ、やがては薄着過ぎる姿で見せつけて歩く痴女ルート一直線だ……!
兄である僕が、なんとかしないと。
たとえ兄である根拠がなにもなくとも、それが僕の兄としての役目なんだ。
後日談の日常編、最初の敵は優花ちゃんです。
「そう……」
「体重が……2キロも……!」
「優花は痩せすぎだと思うけどなぁ……」
「とんでもありません! このままだと制服のスカートが入らなくなります!」
「あと何ヶ月粘れば卒業で着なくなるんだからいいじゃん……」
「よくありません!」
――ざばっ。
「見てください!」
「見なきゃダメ……?」
「駄目です!」
優花が湯船の中で立ち上がり――僕の頭上で、ずいっと覆いかぶさってくる。
「見てください! この二の腕の太さを!」
「健康的だと思うけどなぁ……」
そして片腕を上げたくぼみを――その真横の女性らしい突起を隠しもせずに見せつけてくる。
至近距離で、乙女の大切なものを。
男である僕の瞳から30センチのところに接近させる必要はないはずなのに。
その真横のわきの下も横乳も、男にとっては極めてセンシティブなもののはずなのに。
「それに……ほら! 体をひねるとわき腹が段々に!」
「痩せててもなるよ、それは……だから落ち着こう」
「これが落ち着いていられますか!? 正月太りしたなどと噂になったらどうするんですか!」
「優花、あの学校でなんか神格化されすぎてるし、ちょうど良いと思うよ……」
次に見せつけてくるのはツイストして――ただでさえ細いのにさらに細くなっている腰のくびれ。
おへそからおしりまでが見えちゃって非常によろしくないんだけども、僕が女の子になってからなぜか一緒に入るようになっているおふろでたまに暴走するときは何を言っても無駄。
裁量最短の方法が、今みたいに言いなりになるだけなんだ。
だいたいは彼女の体を観察してほしいっていう……なんでだろうね。
僕は、僕の妹のことが良く分からないよ。
これならまだ着せ替え人形にさせられてる方が何倍もマシだよ。
「はぁ……はぁ……ほら、見てください……おしりもふとももも、こんなにも太くなっているでしょう……?」
「いつも言ってるけど、普通の男は女子目線で太いって感じる程度から魅力を感じるんだよ、ふとももとかおしりとか」
「兄さんは!」
「僕はこだわりはないって言ってるし、そもそも今は女の子だからそういうのもないんだってばぁ……」
息も荒く詰め寄ってくる妹――ただし僕より背も高くて筋肉もあって社会的なステータスも学力も運動神経も交友関係も信頼もある、完全な上位互換なのに残念なところがある妹。
歳が離れているから異性とは見られなくって――そりゃあ僕が小学生で優花が赤ちゃんのときはおしめも替えてたし、それからずっと……中学始めまで一緒におふろとか入ってたし――そして男である象徴を夢の中に落っことして女の子になっちゃってる僕は、妹の妹としてしか認識されていないんだ。
せいぜいが「男の感性が分かる妹」ってくらいに……ああ、悲しい。
なによりも、お情けで「兄さん」って読んでくれることが、さらに。
シャンプー、コンディショナー――からの、お湯に浸かってるあいだにタオルを髪の毛に巻くことでのおふろ時間短縮のために、綺麗な黒髪はタオルでまとめ上げられている、自慢の妹。
僕もぐるぐる巻きにされているけども、今はそれはどうでも良くって。
ぐるぐる巻きなせいで頭が重くって、ともすると首がいかれそうなのも今はどうでも良くって。
町を歩けばみんなが注目する――これは小学生のときからそうだった――美人さんな高校生女子で、確かに話したことがなければ清楚なお嬢様とも取れる素顔。
今はおふろの中であったまって、ついでで太った事実で混乱して口元がだらしない感じになって顔が真っ赤になってて息がはぁはぁなってるけども、なんだか非常に残念美人さんになってはいるけども、それでも美人さんは美人さん。
美人は何をしていても美人だからずるいよね。
今の僕もげろげろしてたって愛でられる程度にはかわいいから良く分かるよ。
運動部所属ではないものの日課としてトレーニングもしていて運動量も結構あって、加えて女子特有の異常なまでのスリムに対するこだわりのせいで食事制限もしているもんだから、本当に余分な肉が無いんだ。
首から鎖骨、肩までは見ていて僕が不安になるくらいに細くって、今言ってた二の腕だって、男としての感想ではむしろまだ細すぎて。
隠しもしない女性としてのバストは顔をうずめるとちょうど良い――じゃないじゃない、えっと、メーカーによってはBになることもあるCカップで、あったかいお湯の中からじゃばっと立ち上がってから冷気にさらされているせいで熱を帯びてもきゅっとつんと尖っていて。
ひねるとあばら骨が透けて見える腰はそれはもう細くって、なんなら寸胴の幼女体型な今の僕よりも細いくらいで、そこから下はなだらかに膨らんでいるけどもやっぱもっと食べた方が良いと思う下半身。
おしりとふとももは胸元と同じく、極端には大きくないけども健康的な張りがあって、それがちょうど僕の目の近くにあって。
――ぴちゃん。
浴槽で全身濡れたまま立って数分の妹から、水滴が跳ねる。
どうしよう。
……普段のテンションが低いからこそ、いちど高くなるとちょっとおかしくなる妹は――異性に全裸を見られることへの抵抗が予想以上に低かったらしい。
これはいけない。
このままだと悪い彼氏さんに捕まったときにあることないこと吹き込まれ、やがては薄着過ぎる姿で見せつけて歩く痴女ルート一直線だ……!
兄である僕が、なんとかしないと。
たとえ兄である根拠がなにもなくとも、それが僕の兄としての役目なんだ。
後日談の日常編、最初の敵は優花ちゃんです。
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