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4章 女装して路地裏から町を堕とした
62話 孤児に大切なものを盗まれた
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3人+1人と別れ、町中で。
――別れたって言っても、そもそも今日の何時に落ち合うかって決めてなかったのに気づいた僕は、こっそり4人とはち合わせして気まずい雰囲気にならない方向へ。
とりあえず夕方なら確実に会えるだろう。
待たせちゃうことにはなるかもだけど、それまで――ずびずび泣いてたあの子たちとうっかり会わないように、なるべく普段あの子たちが行かないエリアを目指す。
そして僕は思い出した。
エミリーちゃんのハンカチ、新しく買ってあげるんだったって。
こういうとこはしっかりと覚えておかないと、「あのときのハンカチさえ弁償してくれてたら殺さなかったのに……」とかいう未来が起きかねないからね。
ジュリオン様の足元は地雷だらけなんだ。
そんなわけでほっつき歩いた先のお店。
「ほう、同い年の女の子に……お貴族様ねぇ。なら、これなんかどうでしょう? 職人の手作りだが、駆け出しの作品だからお安く……」
「ふむ……これなら駄目になったものと雰囲気も似ているし、花の模様が綺麗ですね。おいくらでしょう?」
よし、おじいちゃんの鼻水で台無しになったエミリーちゃんのハンカチの代わりは確保。
あのときのエミリーちゃん、露骨に落ち込んでたからなぁ……無理もない、痴呆老人にお気に入りを目の前できちゃなくされたんだから。
綺麗に洗えばいいとかそういう問題じゃなく、気分の問題。
そこはさすがの僕でも分かるもん。
鼻水まみれは嫌だもんねぇ……。
平民がほとんどの町でちょっとよさげな店構え、入り口では良い感じの服着た店主が話しかけてきて、普通に感じも良かったし値段もそこまで高くなかったから、エミリーちゃんとの関係とか性格とか話して選んでもらったハンカチ。
僕にはデザインとか大きさとか流行とかかわいさとかさっぱりだけども、慣れてるプロが選んでくれた以上、少なくとも「ダサッ」とは言われないはずだ。
そういう感性も経験もない男なんだ、素直にお店の人のおまかせで行く。
それも立派なプレゼントだ。
……お値段は前世換算で数万だったけども、そこは貴族って前提条件もあるし、そもそも最初にもらったお金と稼いだので問題なく払えるし。
高いのは――前世のデパートで良いのを買えばそのくらいになるだろうし、そもそも大量生産の前の時代は全ての物資が貴重品だからね。
だからこそ「反物」――布がいざというときの換金手段だったわけだし。
うんうん、手触りも良かったし縫製もしっかりしてるし、あとちょちょいと名前も刺繍してくれたし。
箱もおしゃれで立派なのとかリボンもエミリーちゃん好みなのを巻いてくれたし、何かあったらってお店の名刺みたいなのも入れてくれたし、きっと満足してくれる。
けど、「大切な人への花」って一体何だろう。
エミリーちゃんとの関係を言ったらそう言われたんだけど……僕は男だし、花言葉とかさっぱりなんだよなぁ。
そもそも異世界だし。
いや、屋敷の書庫にそういう関係の本もあるだろうけども……ジュリオン様も興味なかったみたいだし。
まぁいいや。
この町での必要経費を除いた稼ぎはお昼代以外全部使っちゃったし、これで帰る口実もできた。
あとは手頃な屋台でも食べ歩いてから――――――――――「絶対に気がつかないような違和感」で、胸元を無意識で撫でようとして、
「……あ」
「う゛ぇっ!? ウソッ!? やばっ!?」
――首から提げていたはずの袋が、見知らぬ子供――孤児の手に。
盗まれても良いようなお財布(前世換算500円くらい)(女児用)(幼すぎる気がしたけど蚤の市で安かった)(モブ子ズからは大評判)を、わざわざ盗まれやすいところに忍ばせてたのに。
大切な方(おじいちゃんのへそくり)(おじいちゃんの使い古し)は絶対盗まれないようにしてたのに。
さらには大切な切り札とか入れたの(いざというときの印籠的な家紋)へ、エミリーちゃんのハンカチの箱をどうやって入れようかって悩むために取り出そうとしてたら――それを、よりにもよってそれを盗まれた。
「あ、ちょっと……」
――それだけは、返してくれないか。
そう言う間もなく、ボロのローブをかぶった子供が、すばしっこく逃げていく。
ああ、多分だけど初日に見た子だ。
僕と目が合って「しまった」って顔してたけど、もう止まれないらしく、そのまま全速力で路地へ逃走。
……あー。
さすがにそれは、取り返さなきゃならない。
うわ、すっごくめんどくさ……これ、初日の町の人たちの反応も理解できるなぁ……。
お金は、お金で済むものなら最悪ドブとか馬糞とかに落としたとかで諦めがつくし、替えが効く。
けども。
「……家の印と、なにより一点物のエミリーちゃんへのは……ダメだ。財布に入ってたおじいちゃんのへそくりも返さなきゃだし」
あれだけは。
あれだけは――どんだけめんどくさいことになったとしても、たとえ正体がバレて大騒ぎになったとしても――返してもらわないといけない。
僕は――ダンジョンでいろいろ試した魔法を複数重ねがけ。
そして、エロディーさんのおかげでレベルアップしているジュリオン様、本来の脚力を行使してその子を追いかけ始めた。
◇
【ルートが追加されました】
【BAD END/No.06が変動します】
――別れたって言っても、そもそも今日の何時に落ち合うかって決めてなかったのに気づいた僕は、こっそり4人とはち合わせして気まずい雰囲気にならない方向へ。
とりあえず夕方なら確実に会えるだろう。
待たせちゃうことにはなるかもだけど、それまで――ずびずび泣いてたあの子たちとうっかり会わないように、なるべく普段あの子たちが行かないエリアを目指す。
そして僕は思い出した。
エミリーちゃんのハンカチ、新しく買ってあげるんだったって。
こういうとこはしっかりと覚えておかないと、「あのときのハンカチさえ弁償してくれてたら殺さなかったのに……」とかいう未来が起きかねないからね。
ジュリオン様の足元は地雷だらけなんだ。
そんなわけでほっつき歩いた先のお店。
「ほう、同い年の女の子に……お貴族様ねぇ。なら、これなんかどうでしょう? 職人の手作りだが、駆け出しの作品だからお安く……」
「ふむ……これなら駄目になったものと雰囲気も似ているし、花の模様が綺麗ですね。おいくらでしょう?」
よし、おじいちゃんの鼻水で台無しになったエミリーちゃんのハンカチの代わりは確保。
あのときのエミリーちゃん、露骨に落ち込んでたからなぁ……無理もない、痴呆老人にお気に入りを目の前できちゃなくされたんだから。
綺麗に洗えばいいとかそういう問題じゃなく、気分の問題。
そこはさすがの僕でも分かるもん。
鼻水まみれは嫌だもんねぇ……。
平民がほとんどの町でちょっとよさげな店構え、入り口では良い感じの服着た店主が話しかけてきて、普通に感じも良かったし値段もそこまで高くなかったから、エミリーちゃんとの関係とか性格とか話して選んでもらったハンカチ。
僕にはデザインとか大きさとか流行とかかわいさとかさっぱりだけども、慣れてるプロが選んでくれた以上、少なくとも「ダサッ」とは言われないはずだ。
そういう感性も経験もない男なんだ、素直にお店の人のおまかせで行く。
それも立派なプレゼントだ。
……お値段は前世換算で数万だったけども、そこは貴族って前提条件もあるし、そもそも最初にもらったお金と稼いだので問題なく払えるし。
高いのは――前世のデパートで良いのを買えばそのくらいになるだろうし、そもそも大量生産の前の時代は全ての物資が貴重品だからね。
だからこそ「反物」――布がいざというときの換金手段だったわけだし。
うんうん、手触りも良かったし縫製もしっかりしてるし、あとちょちょいと名前も刺繍してくれたし。
箱もおしゃれで立派なのとかリボンもエミリーちゃん好みなのを巻いてくれたし、何かあったらってお店の名刺みたいなのも入れてくれたし、きっと満足してくれる。
けど、「大切な人への花」って一体何だろう。
エミリーちゃんとの関係を言ったらそう言われたんだけど……僕は男だし、花言葉とかさっぱりなんだよなぁ。
そもそも異世界だし。
いや、屋敷の書庫にそういう関係の本もあるだろうけども……ジュリオン様も興味なかったみたいだし。
まぁいいや。
この町での必要経費を除いた稼ぎはお昼代以外全部使っちゃったし、これで帰る口実もできた。
あとは手頃な屋台でも食べ歩いてから――――――――――「絶対に気がつかないような違和感」で、胸元を無意識で撫でようとして、
「……あ」
「う゛ぇっ!? ウソッ!? やばっ!?」
――首から提げていたはずの袋が、見知らぬ子供――孤児の手に。
盗まれても良いようなお財布(前世換算500円くらい)(女児用)(幼すぎる気がしたけど蚤の市で安かった)(モブ子ズからは大評判)を、わざわざ盗まれやすいところに忍ばせてたのに。
大切な方(おじいちゃんのへそくり)(おじいちゃんの使い古し)は絶対盗まれないようにしてたのに。
さらには大切な切り札とか入れたの(いざというときの印籠的な家紋)へ、エミリーちゃんのハンカチの箱をどうやって入れようかって悩むために取り出そうとしてたら――それを、よりにもよってそれを盗まれた。
「あ、ちょっと……」
――それだけは、返してくれないか。
そう言う間もなく、ボロのローブをかぶった子供が、すばしっこく逃げていく。
ああ、多分だけど初日に見た子だ。
僕と目が合って「しまった」って顔してたけど、もう止まれないらしく、そのまま全速力で路地へ逃走。
……あー。
さすがにそれは、取り返さなきゃならない。
うわ、すっごくめんどくさ……これ、初日の町の人たちの反応も理解できるなぁ……。
お金は、お金で済むものなら最悪ドブとか馬糞とかに落としたとかで諦めがつくし、替えが効く。
けども。
「……家の印と、なにより一点物のエミリーちゃんへのは……ダメだ。財布に入ってたおじいちゃんのへそくりも返さなきゃだし」
あれだけは。
あれだけは――どんだけめんどくさいことになったとしても、たとえ正体がバレて大騒ぎになったとしても――返してもらわないといけない。
僕は――ダンジョンでいろいろ試した魔法を複数重ねがけ。
そして、エロディーさんのおかげでレベルアップしているジュリオン様、本来の脚力を行使してその子を追いかけ始めた。
◇
【ルートが追加されました】
【BAD END/No.06が変動します】
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