悪役貴族転生【女装】悪役令嬢ルート~99通りで断罪される悪役に転生して女装したら死亡フラグが無くなる代わりに周囲の目が怖くなってくんだけど?

あずももも

文字の大きさ
78 / 147
4章 女装して路地裏から町を堕とした

61話 転生10日目で初めての別離

しおりを挟む
「ユリア様ぁ……」

「また近い内に来ますから……泣くほどのことですか?」

「泣くほどのことですわ!」
「ですの!」

「ユリア様からは表現できない素晴らしい香りがして……こほん、なぜか隠してしまわれるお美しい銀髪も綺麗な紅いお目々も、あとあと……」

「わ、分かりましたから」

およよよ、と3人揃ってハンカチを目元に。

……あと、匂いってのは臭いじゃないよね?
貴族仕草での「お臭いですわよ」って言い回しじゃないよね?

少なくとも、僕的には……男なのに女の子みたいな匂いがするだけなんだけどなぁ。

ぼんくらぼんぼんでも普通に良いもの食べてきたものとエミリーちゃんの服でバフはかかってる……はずなんだ。

「ユリアさま……」

3人に挟まれて――エミリーちゃんに好きにされる僕がごとくに世話を焼かれたおかげで、前髪を少し短くさせられてぱっちりおめめがかわいいルーシーちゃん。

癖なのか、背は変わらないのにいつもの上目遣いで見上げる形になる彼女。

……ほら、この世界はゲームじゃない。

だって、ゲームに出てくるモブですらなかったはずのこの子でさえ、こんなにかわいくなれる――変わることができるんだからさ。

それはさておき、僕にとっても大切な10日間になった。

まずもってジュリオン様ボディの初期ステータスの高さとLUK値の高さ。

あとは妙にムチがしっくり来る――恐らくは武器の適正値が高いってこと。

正直これだけでも、たった今に実家から追放されたとしても充分暮らしていける確信がある。

ただし――ここはゲームの中じゃないからシステム的な、それこそステータスウィンドウなんて存在しない。

したがって、正確な数値やスキルの詳細は体感でしか分からない。

レベルとスキルは冒険者ギルドの高位のランク審査のとき、あとはゲーム開始後のチュートリアル……と、たぶん学園にあるんだろう設備でいつでも見ることができるはずなんだけども、今の僕はそのどれにもアクセスはできない。

極めて常識的な初心者でありながら情報収集たくましい3人に聞いてみたところのお返事が「上級のランク審査以外にございますの?」「ございませんの」「あ、神々から直接ということもごく稀に……」って感じだったし、レベルに関しては、ランクが何回か上がって受付嬢さんから声をかけられるまでは忘れておこう。

戦闘経験を積んでいけばレベル内でも体感できるレベルの差は出てくるし、そもそもエミリーちゃんによる2年間のブートキャンプ、さらにエロディーさんのおかげでスタートダッシュも決められたんだし、10年後を目安に上げていけば良いもんね。

そうだ、10年もあるんだ。

急ぐ必要はない。
ゆっくりと、けれど確実に死亡フラグとメス堕ちフラグを潰していくんだ。

「けれど、以後も基本はソロで戦われるというのが残念ですわ」
「仕方ありませんことよ、ユリア様ですもの」

「家訓のために、通常は最低でもわたくしたちのように3人以上のところをおひとりで……ソロで攻略されるのですものね」
「でも、さすがはユリア様ということでまぁたぶんきっとなんとかなりますわ! ええ、魔法とかすごいですもの!」

「ム、ムチでびしばしもすごいですし……はぅ」

何この良い子たち……いや本当、僕がジュリオン様とかじゃなくってごく普通のモブとかに転生してたら、あと本物の女の子に転生したりしてたら心おきなく、この子たちとずっとやっていきたかった。

そのくらいには……そう、クラスで目立たず、けれどもクセが特にあるわけでもなく普通に会話が成立し、普通だからこそ特段に男女を意識せずに普通の友人として普通の学校生活を楽しめる――そんな、男子の理想な女子たちなんだ。

まぁそろって「ですわ」「ですの」口調がかぶってるし似たような性格と似たような見た目に似たような名前だし、3人セットで――勝手に1人でぴーちくぱーちくしゃべってるような子だって認識がぴったりなんだけどね。

この子たち、お花摘みまで完璧に同じタイミングだしなぁ……でも毎回「ご一緒されます?」っていうのはちょっとね……ほら、僕、まだ子供のだけど生えてはいるから……。

いやまぁスカートだし、座ってすればバレないだろうけども、とうとうこの数日でバレなかったけども……幼女と言ってもいい女の子たちと並んでするとか、ほぼ確実に僕の性癖が開拓されちゃうだろうし……。

そこを中和してくれるのがルーシーちゃんと、まさに完璧な布陣だ。

またを、被害担当とも言う。

ルーシーちゃんにだけは僕の正体を知られているから、緊急事態には家の名前を出してもらえばギルドとかが連絡をよこしてくれるだろうっていう安心感もある。

そういやルーシーちゃん、結局3人娘にバラさなかったし……口が堅い子なんだね。

この世界はあったかいね。

まぁ主人公くんが居ないと何割かの確率で人類圏が物理的に半壊するし、2割くらいで僕が魔王様になっちゃって滅ぼしちゃうんだけどね。

そうさせないためにも、これから地道に――――



【「主人公」不在の場合は100%の確率で人類は消滅します】



………………………………?

何かが頭にささやい――てきたら怖すぎる。

うん、空耳だろう。
屋外だし、うん、きっとそう。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

転生?したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

処理中です...