元Sランク冒険者のお爺さんの残した遺品は、物凄い宝の詰まった指輪でした。

チョコクッキー

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第一章 始まりの数々

第2授業 座学

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カーン♫カーン♫カーン♫

鐘の音が第2授業の開始を告げる。

みんな席に付き先生を待つ。

ガラッ。ピシャッ!!

カッカッカッ…。バン!!
机に両手を置き全体を見らむハゲ教師。

あれ?先程、理事長室に居たな…

「ん!お前がユウマだな!私の授業は厳しいぞ。いくら、理事長の肝いりでも成績は上げん!」

そう言うと黒板に長々と魔法構文を書き出した。単純な構文では無く、上級者向けの多機能構文だ。今の時点でこれを解ける生徒は3名か4名。僕とアラン、キャンドラそしてアルミスか…

よく見ると所々間違いがある…………

「よし!一番前の左の君から順に解き給え!設問は、20問ある。ククク」

嫌らしい先生だ。生徒一人に1問ずつ。しかも簡単な問題から超難問が最後に。僕に当たるように…………

オドオドしながら、書き込む生徒。
「よし。次!」

段々と解けなくなり10問目で止まった。

「いくらSクラスでも、これは駄目だ。全員マイナス5000点だな!!」

「「「えーーーー!!!!」」」
不満が垂れる。当たり前だ。解けるわけがない。

「先生!いくら生徒が優秀で金貨1枚の皿を銀貨5枚で買う事は出来きても、白金貨1枚の屋敷を銀貨5枚で買ってこいと言われたら買えませんよ。あはは」

「何を言ってるんだ。ユウマ君!!」

立ち上がり教室の真ん中に立つと、黒板を見つめるユウマ。

先生も生徒もジッと見つめている。

「全部で36ヶ所!!こんな問題解けるわけない。間違いだらけですから!!」

両手を後ろに組み歩き出す。
「基本構文に間違いが2つ。此処とここ」
「補助構文に間違いが7つ。赤丸つけときます。」
「関連構文に間違いが14個。青丸つけときます。」
「そして、構築全体の付け方が間違ってます。補助構文に関連構文の位置の間違いが8。文字の間違いが4。合計36!!こんな物、問題とは、言いません。出来損ないの落書きですね」
ユウマは、丸を付け終わったあと、先生に歩み寄り、
「今からこの魔法構文を実現してみたいと思います。多分、王都ごと無くなるでしょう!先生が責任を取るのですよね??」
にこやかに話す。

すると
「私の構文に間違いが有るはずが無い。試せないくせに、脅すとは卑怯者め!!」
ユウマを指差し訴えていた。

「でわ、ご覧下さい!!」

ユウマの足元にユックリと構文が浮かび上がる。「皆んな、確認してくれ。」また一つ。また一つと。主構文を中心に全て間違いなく展開した。

「では、先生に向け放ちますか?どうせ、全てが消える間違い魔法ですからね。魔力全開!!」

ユウマの体が青から赤そして金色に光りだした。建物ごと揺れているのがわかる。

窓ガラスが割れ、建物の鐘がコーン、キーン、ゴンと不規則になる。

キャンドラが叫ぶ。
「おやめなさい!先生も間違いを認めてください!このままだと本当に!!」

「ワシの構文に間違いなど無い!!」
腰を抜かし座り込む先生は、最早意地だけの魔法学者であった。

「ドッカーン!!!」
ユウマが大声で叫ぶと、先生は泡を吹き倒れ男子生徒のなかには、漏らしてしまう生徒もいた。カエル君もその一人である。

「あははは!!!」
ユウマが笑い転げる。魔力を保ちながら…

「ユウマ様!早く魔力を戻して!!」
キャンドラが叫ぶ。

「ごめん。全開超えてしまったから、もう手遅れかも…ゴメンな!皆んな!」
ユウマは、マジ顔で謝る。

「ユウマ様、冗談も程々にしないと…」
アランも脂汗をかきながら、ユウマへ近づこうとするが…魔力障壁となり進めない。

…なんて魔力量だ…こんなの人間を超えている。…キャンドラへ向かい顔を振る。

「何てこと…………」
キャンドラが絶望したときに

ガラッ!!

「魔力吸収!!」
手を差し伸べて、ユウマの魔力を吸い取る。

ハーフエルフの寮母、マリアナだった。

「アランも見てないで手伝いなさい。キャンドラは、左手からファイアを出しながら右手で魔力吸収!!出来ないならみんな死ぬよ!!ユウマ…何故…………。」

「すみません。」
ユウマは、謝ると

「求魔の原石!!」
と叫ぶ。すると指輪から緑の輝く石が出てきた。それを握り魔力を押し込む。

「モッフ…頼むぜ!」
肩にモッフを召喚してモッフも吸収にまわる。

「嫌です。死にたくないです。でも、面倒です!!」
モッフは、文句を言いながら食べ続ける。

「仕方ないか…。」
巻物を出し、「永久の闇の杖」を出すアラン。

マリアナ、キャンドラ、アラン、ユウマがそれぞれの方法で大量の魔力を分散させる。

やがて金から赤、青へと魔力が変色して最後に透明になり、ユウマが倒れるのと同時に消えた。

ドアから多くの先生や生徒が見ており、息を呑んでいた。

マリアナは、座り込むと
「もう、安全だわさ。全く無茶しおって…」
と呟く。

ユウマは、モッフから魔力を貰いユックリと回復していたが目を閉じ眠りについた。
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