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第一章 始まりの数々
蘇生そして、やっと始まる
しおりを挟む学園の養護室
ベッドに寝かされているアラン…。息はない。
ピーターユリウス学園長の居ない、今しか出来ない。
ユウマは、右眼に魔力を集める。
「身体を構成する組織は変わらない。然し、年齢とステータスのギャップ…から所謂、人造人間と初めから解ってんだ。そして、それを造り出す事が出来たのは、尊敬するお祖父様と関係していたのは学園長と寮母いや元魔法騎士団長で暗部のマリアナさん貴方だけだ。」
独り言のように呟くユウマ。
「へぇ~、何時から気がついていたんだい?ユウマ、貴方と会ったのは、入学式後だった筈だよ。それから、まだ2日。情報を探るのが速すぎるね!」
どこからともなく、マリアナの声が聞こえる。
「フッ!あんた達は、初めから間違ってたんだよ。元Sランク冒険者の孫…と。」
ユウマが答える。
「何か可笑しいかい?そのままじゃないか!決して間違いを犯さないように、ジックリと隙間なく進めてきた筈だよ?」
「だから…根本的に間違っているのだよ。ガロンが基準で俺をその下と見てる。違うかい?いいか!お祖父様は、確かに強く頭も良い。そして、俺は孫だ。しかし、孫が祖父を超えていることをお前達は想像していない!!だから、全て失敗なのさ。あはは。単純すぎて笑えてくる。」
ユウマは、ハッキリと言い切った。祖父ガロンより俺の方が上だと。
「はっ!最近のガキは年長者を大事にしないけどアンタもそのクチかい?ユウマ。アタシの目も曇っちまったかね…。アンタは、年長者を大事にする子だと思ってたのに…だけど、そんな考えだから最期に年の功で負けるのさ!馬鹿だね!」
マリアナは、とても残念そうに言う。
「年は、取りたくないね。ま~長生きは、苦労するから気持ちは分かるよ。マリアナ。でも、俺の方が長生きしてるんだぜ?理解できたか?」
ユウマが訳のわからないことを言い出したと思ったのかマリアナが姿を見せる。
コッコッ…。
「アンタもヤキが回ったね。ついにおかしくなったかい…。たかが同級生を殺したくらいで」
キィー。ストン…回転椅子に座ると足を組み、キセルを咥える。
「まだ、理解不能か?エルフの知識は、その程度か?俺は、この能力を持って2000年以上の時を渡り歩いてんだよ!」
「馬鹿だね。そんな事、伝説の時の番人が許す筈ない…まさか…!」
ガタッ。ドターン。椅子から落ちるくらい驚くマリアナ!
「やっと、理解できたか!ククク…何時までも寝てんなよ。アラン!」
「よっと…カッコつけは、もういいの?僕ならもっと引っ張るけど…あはは」
元気なアランがそこに居る。
「あ、アンタは使徒なのかい?」
震えるように声を出すマリアナ。
「使徒様だよ!マリアナさん。神の次に偉い?のだから。まっ、狂犬なんて雇った時点で負けだよ。気が付かないんだから!お祖父様が集めていたのは、確かに神器クラスの武具さ。でもね、シュネイヴァルチャーは本物の神器なんだよ。そこで気づいていれば、まだ逃げられたかも知れない。まっ、逃さないけど。運が無かったね!昇運の指輪ごときの運じゃ女神には勝てないぜ。これでお祖父様も安心して眠れるだろう。」
「いつからなんだい?あんた達がグルになっていたのは…………。」
今も興奮しているマリアナ。
「初めの晩餐の夜、僕はユウマに仕掛けをした。とても、分かりずらい仕掛けを…。でも、次の日に部屋に落ちてたんだ。誰も入れないはずの部屋に…分からない筈の仕掛けが…。恐怖だった…そして、脳内にユウマの声が響いたんだ。全てを語り合い、僕達は手を組んだ。」
アランが当時を振り返り話す。
つい最近なんだけど、時空を超えて修練していた俺には、懐かしいなー。
「そんな魔力…検知できない訳がない!嘘だわさ!」
「マリアナさん。スライムって口も耳もないのに集団で行動してるでしょ?なんでだと思う?」
ユウマが問う。
「そんなのボスについて行ってるんじゃないのかい?」
「念話だよ。微量の魔力で念話をしてるんだ。これ!スライムを干したやつ。これをモッフに頼んでアランに付けてもらい全てを話し、今に至ると!王様…見てたでしょ。と言う訳で、アーサー先生とピーターユリウス及びマリアナは、死罪とする。アランは、僕が面倒を見る事に成ってる。これを口外したら女神の神罰が下るから、そこにいる大臣も従うように!以上。狂犬ケビン・プラズムには衛兵を回してね!」
いつの間にか転移して【王城の謁見の間】に来ていた。
王も大臣もアランもマリアナも全員がビックリしている。
使徒の力とは、一体どれ程のモノなのか…………
一人、ユウマだけは普段通りだ。
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