元Sランク冒険者のお爺さんの残した遺品は、物凄い宝の詰まった指輪でした。

チョコクッキー

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第2章 戦乱の足音と不穏な空気

第2話 学園の立て直しと育成

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「ですから、これまで通りの授業を行えばいいのです。」
男性教師が、繰り返して述べる。

「それでは、何も変わらないどころか、衰退します。ここは、名誉ある王立学園なのですよ!」
ルイザ先生が引かずに立ち向かう。

「はい。先ず落ち着きましょう。そして、方向性を決めましょう。長丁場でジックリと育てるのか?戦争に備え、急いで長所を伸ばすのか?」
教員室に俺達、もとい俺ユウマとアランがいる。そして、各教員先生方達。

何故、俺がここにいるかって?侯爵になり軍事の責任者に任命されたからだ。アランは、補佐に命じた。

「やってます!だから、揉めてるのです!」
確かにそうだ。しかし、論点がズレてるんだよね!

「今は、教育内容を求めてません。短期で伸ばすのか?長期で伸ばすのか?です。多数決を取ります。長期の方は?」

「はい」「ハイ!」「はい…。」
「よし。3名。他の12名は、短期でいいですね?よし。一つ決まり!」
ユウマが進める。

「次の議題は、どう伸ばすか?短期ですから、当然、今までの内容は、使えません。さて、どうします?」

「いや、今までの教育の仕方で早く回せば?」
一人の教員が言う。

「無理です!出来ていたら、2年通う必要性は無いからです!」
ユウマが却下する。

「グゥッ…。」
男性教師が黙り込む。

「幸いにも1年生は、まだ染まってません。無色です。これからの教育を変えてもついてこれます。問題は、2年生。1年間、ユックリ甘ったれた授業を受け育ってきました。容易に変えることは、無理です!しかし、やらなければなりません。そこで、もう一度試験してクラス替えをします。後、今後の進路を踏まえ戦争に参加出来ない、したくない生徒は、外します。これは、1年生女子にも言えます。」

「そんなの…可哀想ではないですか!」
ルイザ先生が肩を持つが跳ねのける。

「戦場で怯えてる生徒を庇い、死んでいく生徒がいたら如何するんですか?敵兵に待ってくれ!とも言うつもりですか?」

「いえ…」
答えは、無い。

当たり前だ。戦争なんか過去の話。実際に体験した殆どの方は、亡くなり話だけが残っているだけだ。突然の進行、宣戦布告もなしに攻撃されれば一夜で全滅も考えられる。

…………もし、俺が居なければである…………

「今日はここ迄!纏めますので聞いて下さい。①教育は、短期で効率よく行う。②戦闘員と非戦闘員の棲み分け③非参加者の把握…これは、全員に希望用紙を配り記入・回収します。早期に行ってください。④再クラス編成の実施…
僕達は、部隊の編成を考えます。主力部隊、伏兵部隊、防御部隊、援助部隊、医療部隊等…以上!」
席を立つと、アランと共に寮へ向かう。

歩きながらアランが
「ユウマがサクッと殺っちゃえば終わるんじゃないの?」
と馬鹿なことを言い出した。

「お前な…そんな事になったら俺は24時間、対戦闘要員として待機してなきゃならない。暗殺も視野に入れないと…そんなのゴメンだ」
俺は、毛嫌いしながら答える。

「そうは言っても、今まではガロン様が担ってたんだから…。」
アランが指摘したようにSランク冒険者が一人いるだけで戦局がひっくり返るほどの力の差がある。

「仕方ない。亡くなった人は、帰ってこない。なら、新しく育てるしかない。」
俺は、アランに軽く構想を告げる。

「先ず、高機動の翼竜隊を作る。搭乗者は、契約して防御魔法を展開し弓などから守る。次にゴーレム隊。人を死なせたくないからな。そして、ドラゴン部隊。これは、各拠点に一部隊だけだが、俺・アラン・キャンドラ・マリアナが乗れば良いだろう。ドラゴンは、用意できる。後は、魔力を上げてもらう。」

「そんなに簡単に魔力なんて上がらないぜ?」
アランの言う通りだが

「ステータスアップドリンクがある。大丈夫だ。」
俺は自信を持って答える。

「そんなに、本数無いだろう?」

「今の所、8795本残ってる。お祖父様の遺産だから9999本あったのだがな…………」

「ひぇー、お前…使ったのか?」
呆れるように見るアランに

ニコリと返してやった。

食堂で話し込む俺達にキャンドラ・マリアナが加わる。

「今度、ダークエルフの女の子が入ってくるって!」

「「おっ!ボッ!キュン!ボン」」
二人で見つめ合う。

そこにビンタが飛んでくる。

「「一度死ねー!!」」
なんでだ…………。

~~~~~~~~

「それで、今の騎士団と魔法師団は、どうするの?」
キャンドラが訪ねてくる。

「基本的に使えない。必死になるのが遅すぎる。だから、ステータスもかなり低い。」
俺は、そう答える。

「私達だって…………」

「違うだろ?小さい時から足腰が立たなくなるまで練習したろ?アランは、軍施設で!キャンドラは、家庭教師をつけて!マリアナは、独学で!俺は、ガロンお祖父様に!環境が違いすぎる。」

「そうだな。流石に足腰が立たなくなるほどのことなんて無くなったな。」
アランが言う。

「だろ!俺なんか朝から夜まで全開で行けるぜ!」
俺の言葉に反応し

「「朝から夜までなんて…♡」」
何やら勘違いの二人…。

「ビンタされたいか?」

「「なんでですの?(ですか?)」」
キャンドラとマリアナは、顔を赤くして拒否する。

「今日から君達をオーク姉妹と呼ぼう!」
おれは、冗談で決める。

「酷いです。あんまりです。」
真っ赤になりながら怒る二人。

…………自業自得だ…………

バタン!
「ユウマ!居るか?金貸せ!俺達は、兄弟だろう?」
ニヤニヤと近づいてくる平民のニコルとハイル。

「断る!関係者以外は、出ていけ!」
俺は、頑なに拒否する。

「偉そうに兄になんて言葉だ?」

「お前たちは、もう平民だ。キャンドラ、貴族当主と平民。血の繋がりが合っても格が高いのは?」
俺の問に

「貴族当主です!」
はっきり言うキャンドラ。

「この野郎。切り刻んでやる!」
剣を抜く二人。

ズバッ!ビシッ!

「1、相手を見て喧嘩をしろ。2,剣を抜くなら死ぬ気でこい。3.、お前達の汚い顔は見たくない消えろ!!」

「ウワー…!!腕が…脚が…!!痛いよ!!」

右手、右足を切断され泣き叫ぶ外道。

金貨2枚を渡し、

「二度と顔を見せるな!!出ていけ!!」

「ハイッ!」
お互いに支え合い逃げてく二人。なんで、あんな双子になったのか?頭が痛い…。



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