15 / 31
第2章 戦乱の足音と不穏な空気
第2話 学園の立て直しと育成
しおりを挟む「ですから、これまで通りの授業を行えばいいのです。」
男性教師が、繰り返して述べる。
「それでは、何も変わらないどころか、衰退します。ここは、名誉ある王立学園なのですよ!」
ルイザ先生が引かずに立ち向かう。
「はい。先ず落ち着きましょう。そして、方向性を決めましょう。長丁場でジックリと育てるのか?戦争に備え、急いで長所を伸ばすのか?」
教員室に俺達、もとい俺ユウマとアランがいる。そして、各教員先生方達。
何故、俺がここにいるかって?侯爵になり軍事の責任者に任命されたからだ。アランは、補佐に命じた。
「やってます!だから、揉めてるのです!」
確かにそうだ。しかし、論点がズレてるんだよね!
「今は、教育内容を求めてません。短期で伸ばすのか?長期で伸ばすのか?です。多数決を取ります。長期の方は?」
「はい」「ハイ!」「はい…。」
「よし。3名。他の12名は、短期でいいですね?よし。一つ決まり!」
ユウマが進める。
「次の議題は、どう伸ばすか?短期ですから、当然、今までの内容は、使えません。さて、どうします?」
「いや、今までの教育の仕方で早く回せば?」
一人の教員が言う。
「無理です!出来ていたら、2年通う必要性は無いからです!」
ユウマが却下する。
「グゥッ…。」
男性教師が黙り込む。
「幸いにも1年生は、まだ染まってません。無色です。これからの教育を変えてもついてこれます。問題は、2年生。1年間、ユックリ甘ったれた授業を受け育ってきました。容易に変えることは、無理です!しかし、やらなければなりません。そこで、もう一度試験してクラス替えをします。後、今後の進路を踏まえ戦争に参加出来ない、したくない生徒は、外します。これは、1年生女子にも言えます。」
「そんなの…可哀想ではないですか!」
ルイザ先生が肩を持つが跳ねのける。
「戦場で怯えてる生徒を庇い、死んでいく生徒がいたら如何するんですか?敵兵に待ってくれ!とも言うつもりですか?」
「いえ…」
答えは、無い。
当たり前だ。戦争なんか過去の話。実際に体験した殆どの方は、亡くなり話だけが残っているだけだ。突然の進行、宣戦布告もなしに攻撃されれば一夜で全滅も考えられる。
…………もし、俺が居なければである…………
「今日はここ迄!纏めますので聞いて下さい。①教育は、短期で効率よく行う。②戦闘員と非戦闘員の棲み分け③非参加者の把握…これは、全員に希望用紙を配り記入・回収します。早期に行ってください。④再クラス編成の実施…
僕達は、部隊の編成を考えます。主力部隊、伏兵部隊、防御部隊、援助部隊、医療部隊等…以上!」
席を立つと、アランと共に寮へ向かう。
歩きながらアランが
「ユウマがサクッと殺っちゃえば終わるんじゃないの?」
と馬鹿なことを言い出した。
「お前な…そんな事になったら俺は24時間、対戦闘要員として待機してなきゃならない。暗殺も視野に入れないと…そんなのゴメンだ」
俺は、毛嫌いしながら答える。
「そうは言っても、今まではガロン様が担ってたんだから…。」
アランが指摘したようにSランク冒険者が一人いるだけで戦局がひっくり返るほどの力の差がある。
「仕方ない。亡くなった人は、帰ってこない。なら、新しく育てるしかない。」
俺は、アランに軽く構想を告げる。
「先ず、高機動の翼竜隊を作る。搭乗者は、契約して防御魔法を展開し弓などから守る。次にゴーレム隊。人を死なせたくないからな。そして、ドラゴン部隊。これは、各拠点に一部隊だけだが、俺・アラン・キャンドラ・マリアナが乗れば良いだろう。ドラゴンは、用意できる。後は、魔力を上げてもらう。」
「そんなに簡単に魔力なんて上がらないぜ?」
アランの言う通りだが
「ステータスアップドリンクがある。大丈夫だ。」
俺は自信を持って答える。
「そんなに、本数無いだろう?」
「今の所、8795本残ってる。お祖父様の遺産だから9999本あったのだがな…………」
「ひぇー、お前…使ったのか?」
呆れるように見るアランに
ニコリと返してやった。
食堂で話し込む俺達にキャンドラ・マリアナが加わる。
「今度、ダークエルフの女の子が入ってくるって!」
「「おっ!ボッ!キュン!ボン」」
二人で見つめ合う。
そこにビンタが飛んでくる。
「「一度死ねー!!」」
なんでだ…………。
~~~~~~~~
「それで、今の騎士団と魔法師団は、どうするの?」
キャンドラが訪ねてくる。
「基本的に使えない。必死になるのが遅すぎる。だから、ステータスもかなり低い。」
俺は、そう答える。
「私達だって…………」
「違うだろ?小さい時から足腰が立たなくなるまで練習したろ?アランは、軍施設で!キャンドラは、家庭教師をつけて!マリアナは、独学で!俺は、ガロンお祖父様に!環境が違いすぎる。」
「そうだな。流石に足腰が立たなくなるほどのことなんて無くなったな。」
アランが言う。
「だろ!俺なんか朝から夜まで全開で行けるぜ!」
俺の言葉に反応し
「「朝から夜までなんて…♡」」
何やら勘違いの二人…。
「ビンタされたいか?」
「「なんでですの?(ですか?)」」
キャンドラとマリアナは、顔を赤くして拒否する。
「今日から君達をオーク姉妹と呼ぼう!」
おれは、冗談で決める。
「酷いです。あんまりです。」
真っ赤になりながら怒る二人。
…………自業自得だ…………
バタン!
「ユウマ!居るか?金貸せ!俺達は、兄弟だろう?」
ニヤニヤと近づいてくる平民のニコルとハイル。
「断る!関係者以外は、出ていけ!」
俺は、頑なに拒否する。
「偉そうに兄になんて言葉だ?」
「お前たちは、もう平民だ。キャンドラ、貴族当主と平民。血の繋がりが合っても格が高いのは?」
俺の問に
「貴族当主です!」
はっきり言うキャンドラ。
「この野郎。切り刻んでやる!」
剣を抜く二人。
ズバッ!ビシッ!
「1、相手を見て喧嘩をしろ。2,剣を抜くなら死ぬ気でこい。3.、お前達の汚い顔は見たくない消えろ!!」
「ウワー…!!腕が…脚が…!!痛いよ!!」
右手、右足を切断され泣き叫ぶ外道。
金貨2枚を渡し、
「二度と顔を見せるな!!出ていけ!!」
「ハイッ!」
お互いに支え合い逃げてく二人。なんで、あんな双子になったのか?頭が痛い…。
0
あなたにおすすめの小説
R・P・G ~女神に不死の身体にされたけど、使命が最低最悪なので全力で拒否して俺が天下統一します~
イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の現地調査のために訪れた山の中で異世界の大地の女神と接触する。
半ば強制的に異世界へと転生させられた凛人。しかしその世界は、欲と争いにまみれた戦乱の世だった。
凛人はその惑星の化身となり、星の防人として、人間から不死の絶対的な存在へとクラスチェンジを果たす。
だが、不死となった代償として女神から与えられた使命はとんでもないものであった……
同じく地球から勇者として転生した異国の者たちも巻き込み、女神の使命を「絶対拒否」し続ける凛人の人生は、果たして!?
一見頼りない、ただのおっさんだった男が織りなす最強一味の異世界治世ドラマ、ここに開幕!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる