元Sランク冒険者のお爺さんの残した遺品は、物凄い宝の詰まった指輪でした。

チョコクッキー

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第2章 戦乱の足音と不穏な空気

第4話 戦闘とその後…

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あれから、3週間が経ちラガール王国は、大臣・渉外部門の貴族が対応に追われ、教会は、教皇猊下・枢機卿が同じ宗教の女神アーリスト教会関係者から使徒に会わせて欲しいと嘆願を受け無言で貫き通し…学園は、貴族後継者と平民の女子等が4割退学した。

そして、俺ユウマはお祖父様から頂いた片眼鏡で各生徒の魔力量を計測しながら適性魔法を見抜いている。…が同じ地属性魔法でも、石にまでしか適応しない生徒も居れば、アダマンタイト等の鉱石にまで適応性の有る生徒が見つかり分別に時間が掛っていた。

当初予定していた飛竜部隊は、召喚魔法を扱える教師がおらず、ユウマに負担がかかるため止むなく廃止となった。

「おつかれ様。ユウマ!これ飲めよ。」
アランが温かい紅茶を用意してくれたが

「済まない。これだけ観察するとステータスが上がってるので、ステータスアップドリンクを飲んでるんだ。」

「そっかぁ。かなりの数だからな!所で、何であんなに地属性魔法にムラが有るんだ?」

「あくまでも、予想だが成人の儀を行う司祭の技量、市販されてる書の作者によるもの統一性がなく混乱を招いていると思う…マジで今は勘弁してくれ…そこまで追いつかない…」

「お前…寝てるのか?」

「あぁ!」
ユウマは、気さくに答える。

「モッフ!本当は?」
アランが心配そうにモッフに尋ねる。

「天使の枕でぐっすりでやんす!」
お菓子をたらふく食いお腹を擦るモッフ。

「あは…天使の枕…あは…」
ヒクつくように笑うアラン。

「さて、これからは北の演習場がメインになるぞ!最低でもオークキングクラスの魔石が欲しい。」
ゴーレム部隊の核に使うためだ。勿論、生徒のステータスアップも考慮している。

騎士団でも魔法騎士団でも同じようにゴーレム部隊を作り、この国の戦闘概念が変わろうとしている。多くの人が死なない戦争へと…………。

「それより、教会は良いのか?使徒なんてバラして…?」
アランが気遣うのもよく解る。

「ま~良くはないが仕方ないさ。この国が女神アーリスト教会の本部であった事に感謝だな。」

横になり目を閉じる。ユウマ。数々の運命が1つに纏まっていく感じがする。女神の手のひらの上で…。

「ところで、課題はクリアしてるのか?」
ユウマがアランとキャンドラ、アルミスに出した課題。魔術師レベル100。剣術士レベル100。火・水・風・雷・地属性の(極)の習得。聖魔法、闇魔法の習得。

「かなりハードな課題だが、指輪と読むだけの魔導書のお陰で何とか…。必要か?」

「あぁ。卒業後に役立つ。戦争に関しては、ドラゴン部隊についてもらうから必須だ!」
笑うようにユウマが言う。

「ヘトヘトになったのは、久しぶりだがお嬢さん達には負けられないからな!」
アランの意地のようだ。

「それは、重畳だ。期待してるよ。さて、公爵夫人に連絡してゴーレム用の武器が揃ったか確認だな。」

「エストニア王国を経由してオールドドワーフに作成依頼してるんだっけ?」

「あぁ。まさか自国の民族に内通者が居るとは、思っても無いだろうな。あはは」
気さくに笑うユウマ。

…アランは思う。コイツの先が読めない。絶対に敵に回してはイケないと…………

1週間の休みの後、北の演習場にテントを張り、野営しながらの授業兼レベリングが始まった。一部の騎士団と魔法師団も加わり大規模な討伐作戦だ。

ユウマは、用事が有ると授業を断り、一人旅に出た。

アラン・キャンドラ・アルミスの三人が実質的に指導を行ない、レベルアップをしていく。

「「ユウマ様の居ない授業なんてどうでもいいです(わ)」」

…聞こえているぞ。キャンドラ・アルミス!…

「「なっ!どこにいるのです」」
二人は、キョロキョロと辺りを見渡す。

「は、ハーン!あれを使ってるのか?」

…だろぅ!ユウマ!…

アランは、気付いたようだ。

…流石に気が付いたか!…

ユウマが笑う。

「「なんです(の)?頭に声が!!」」

「服の何処かにスライムの皮が付いてるのさ!これは、念話だ!」

アランがネタバラシをする。

…それで、今どこにいるんだ?ユウマ?…

…天空に近い塔…だ!…

…ダンジョンに居るのか!…

…あぁ。出来るだけの事をしようと思って身代わりのネックレスを集めてたんだが、流石に数を集めるのはキツイ…

…お前、もしかして…生徒の分集めてないか?…


…正解…オット!お喋りは、ここ迄だ…またな…


そう言って切れた。

「あの、お馬鹿!ダンジョン産のレベルAランクのお宝がそんなに集まるわけないのに」

アランは、呆れたように肩を揺らす。

「もしかして、ユウマ様は誰にも死んでほしくないから…」
キャンドラが口を抑える。

「あの馬鹿ならそう考えるよな!」
アランは、空を見上げて無事を祈った。







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