元Sランク冒険者のお爺さんの残した遺品は、物凄い宝の詰まった指輪でした。

第2章 戦乱の足音と不穏な空気

閑話 Side シュナイゼル（モルガン帝国）

「馬鹿ヤロー！！小僧一人に全滅。しかも、大陸中に恥を晒しおって！！」

ガシャーン！！ドカーン！！バーン！！

「お辞め下され。帝王様。部屋が壊れてしまいます。」
宰相のメンデルが止めに入るが、逆にシュナイゼルに殴られる。

バキ！ゴキッ！

「グワーッ！！」
腕をおさえて跪くメンデル宰相。

「今回の戦い、勝てるんじゃ無かったのか？！」
声を荒らげ、怒りに震え、無惨に敗れた自軍の不甲斐なさにキレていた。

「確かに勝つ見込みでほぼ全ての戦力を注ぎ込みました。然しながら、宿敵だったガロンの孫が使徒様となっていたとは計り知れず、今回の敗北に成りました。」
必死に使徒様が居たから負けたと強調するメンデル宰相。

「だから、負けるんだよ。このバカ野郎！」
ドガッ！！思いっきり蹴り飛ばす、シュナイゼル帝王。

顔を持ち上げ「いいか？悪魔召喚を使うんだよ！」

「然しながら、養分が居ません。」
ガキッ！！

「だから馬鹿なんだよ！いいか！悪魔にあいつを餌に、あいつの魂と肉体をやるから、殺してくれ！と頼むんだ。このアホタレ」
バキ！ドガ！ガコン！

「1ヶ月後までに4部隊編成して攻めろ！！次は、殺してでも取ってこい！！」
シュナイゼル帝王に言われ

「もう、兵隊が…………ヒッ！！」
ブルブル震える宰相に

「東帝国に当ててる軍をすべてラガール王国に向かわせろ！！4部隊に分ければ3つは、攻撃できる！！」

不甲斐ない部下に見切りをつけながら、もうサイは投げられたのだ！と切り替えていた。