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第3章 冒険者活動
第6話 チーム名を決定!
しおりを挟む「お帰りなさいませ!」
ギルドマスターのファンドが、ユウマを確認すると走って迎えにあがる。
「ギルドマスター、お立場的にその口調は辞めた方がいいですよ」
ユウマが社交辞令を交わし、カウンターへと向かう。
「依頼を完了させましたので確認お願いします。」
カウンターの受付嬢にユウマが紙2枚を差し出す。
「あの~、討伐部位は?」
「出る前に言った通り、完全体で保管してます。倉庫か何処か、おける場所の提供をお願いします。」
周りは、ザワザワとして短期間で一人50モノコボルトとゴブリンを倒したのか?と確認したくてしょうがない。
「でわ、地下の練習場にお出しください。」
朝の受付嬢も半信半疑で指示する。
アランは、
「全く、見世物じゃないってんだ!」
と愚痴をこぼし、ガーラとキャンドラに至っては、ランクアップを口にしていた。
ユウマ達が地下の練習場に着くと、右にコボルト、左にゴブリンの山を作る。そして、村長から貰った討伐確認証と御礼の手紙、今の麓の状況を書いた手紙をギルドマスターに渡す。
ユウマは、片眼鏡を地面に置き、映像を流し始める。各人が、リアルに倒している記録映像だ。
皆が驚きを持ち、映像を眺めている。
勿論、プライベートに関わる部分は、カットしてある。
ギルドマスターは、手紙を読み終えると麓の依頼を多く発注する事を決めた。また、ゴブリンキングまで出るとCランクの割当も増やさなければならない。
思い切ってユウマに
「一気にランクアップしませんか?実力は、太鼓判付きです。如何でしょう?」
ユウマは、首を振り
「飽くまでも、ギルドの規定に従いクエストをこなし、ランクアップを目指します!」
と答えた。
そして、報酬のコボルト銀貨1枚、ゴブリン5枚。10体を超えた所から一体10倍計算になる様に初めから交渉していた。
信用しないギルドが悪いので文句は言えない。
コボルト銀貨510枚。ゴブリン5050枚。
一人頭最低、金貨55枚以上プラス村と女性達を救った収入一人金貨5枚。
Eランク報酬では、過去最高の支払いである。
「ところで、ユーマ様たちは、チーム名を決めてませんが?」
ギルドマスターのガフィンが訪ねてくる。
中央に置いた片眼鏡を回収して、ユウマが
「少し、待っててくれ。チームも即席だし…。」
と答える。
その言葉に周りの冒険者から「ウチに入ってくれ!」とメンバーに声をかける行為が始まった。
ギルドマスターが
「いい加減にしろ!実力が合うわけ無いだろう!お前らは、金だけが目的か?」
と叱責する。
「取り敢えずユーマ様、いえユーマ達のランクをGに上げます。」
ギルドマスターが責任を取って管理するようだ。
ユウマは、一人掲示板に行くと古びた依頼書を見てる。
「ドラゴン退治。蒼の狂龍・ダマスカスの討伐 ランクS」
お祖父様が引退して、ずっと残っている【死の森】にあるダンジョン・狂龍の塔のボス。
集めた財宝は、山のように有り、ドロップするアイテムもレアの凄いモノらしい。
幻とも言われる【エリクサー】があると言われているが定かでは無い。
踵を返すとカウンターに向かい武器と報酬を受け取り、皆んなで反省会に向かう。勿論、千年竜王ガイアに封印を解いてもらい、完璧な状態である。
やや、小奇麗なお店に入るとVIP席を取り、各自が料理を注文する。
「まず、今日の初依頼お疲れ様。そして、犠牲なく初段階クリアできた事におめでとう。」
ユウマが紅茶を片手に祝の言葉を述べ、女神アーリストに感謝する。
「イヤー!楽しいね。お金を貰える実戦は!」
アランから本音が漏れる。
「そうですわね。初めての試みでしたが、魔力をだけで身体強化も無しに倒せる程、ステータスが向上していたとは!」
ガーラが、本音なのか冗談なのか分からぬ発言をする。
自分のステータスを知らない訳は無い。まして、俺が魔眼と鑑定を所持してることすら知ってて…。
紅茶を飲み、考えるユウマ。
「皆さん、今日は足を引っ張りごめんなさい。」
キャンドラがプルプルしながら謝る。
「初めての事だ。そこは、気にするな。ただし、仲間を犠牲にする様な行為だけは、しないでくれ。」
ユウマが優しく答える。
皆んなも特に気にしてない。
「一つだけど警告しておく。お前が覚醒しなければ、誰かが命を落とす…………。」
ユウマにしては、やけに意味深な発言をした。
まるで、未来でも見てきたかのように、暗い顔で現実しか信じないユウマが憶測を述べる…。
皆が、不思議に思い戸惑う。
「まっ!結果オーライ?目覚めたことは、事実だしね!」
アランが助け舟を出す。ムードメーカーとして彼の役割は大きい。
食事をしながら、各々が反省点や改善点を話し合い切磋琢磨していく。
点数をつけるなら100点。だけど、このメンバーで100点は、当たり前なのだ。
「ギルドマスターが言っていたチーム名を如何するか?ガーラお前次第だ。国に帰るなら一時的なチームとして名は付けない。数々の記録を破るからな。」
ユウマは、先の先を読んで話をすすめる。
「だが、卒業と共に国に帰るなら、そこからの伝説は、違うチームになる。混同したくない。伝説のガーラを残すか?消すかは、お前次第だ。」
「あらっ!誰が帰国の話を致しましたか?国王様。貴方が国王でありシャルル国が敵対しない限り兄弟国であり、変わらぬ関係が続きますわ!私達は、ハイエルフ!長寿の人種ですから。クスッ。」
「そうか?ならチーム名を考えよう!伝説となるシャルル国の最強チームの名前を。」
ユウマが自信を持って最強と言った!これは、凄いことである。これから、とんでもない人が出てくるかもしれないのに確定しているかのように…。
「ユウマと愉快な仲間たち…だもん。」
モッフが提案する。
「却下!お前は、食べてろ!」
ユウマに軽く叩かれ空中を舞うモッフ。
「痛いでやんす。酷いでやんす。迫害でやんす。」
文句を言いながらユウマの料理と魔力を食らう半妖精。
「誰か、センスのある名前を決めてくれ。俺には、無理だ」
ユウマが匙を投げた。
「オイラも無理!」
アランも投げた。
女性陣が単語を並べ、頭を働かせている。こう言う時は、頼りになる女性陣…………。
「ユウマ様と恋するトライアングルスター」
ハモるように提案するが
「それって、俺が入ってないじゃん!!」
アランの抗議で却下!
「伝説の五光星(レジェンドオブファイブスター)…少し省略してあるが…………」
ユウマがサラリと言った。
「「「「それ、いい(でいきましょう)(よ)」」」」
皆んなの反応が良い。
「伝説を作る前に伝説かいな?」
モッフがくるくる回る。
「「「決まりなの!!!」」」
と言うことらしい。
そして、伝説の五光星は物凄い勢いで頭角を現し、他の追随を許さない伝説へと記録されていく…。
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