『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ゴウキの価値は

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ゴウキはクレアの引き立てにより国からの助成金で王立学園に入学すると、猛烈に勉強に取り組んだ。
学園で学べる知識はまさに財産だと考えるゴウキは、それこそこれまでの遅れを取り戻すように勉学に取り組み、知識を吸収していった。
だが、ゴウキが学んだのは学問だけではなかった。将来的に勇者パーティーへの登用があると仮定して、学園では教えてくれない冒険者のイロハを学ぶために休日は冒険者ギルドに顔を出し、冒険者と親交を深めた。
15歳未満はギルドで依頼を受けるどころか冒険者登録も出来ないので知識だけでも吸収しようと考えたのだ。

最初は邪険にしていた冒険者だが、ゴウキの熱意に絆されギルドに内緒でクエストに同行させたり、いろいろと教え込む者が出始める。
ポーションなど回復アイテムの目利きなどもこのときの学びで身に着けたものだった。

そしてゴウキは学園を卒業する頃には、王都の冒険者でゴウキのことを知らぬ者はいなくなるほどに存在感を示すようになっていた。




「おぅゴウキ。こんな昼間からブラついてるなんて珍しいな」


4区からの帰路の途中、道行く冒険者パーティーににゴウキは話しかけられた。
かつて学生時代によくいろいろ教えてもらっていた冒険者達だった。


「ちょっと休みになって」


謹慎中とはもちろん言わない。


「そっか。こっちは最近スライムジェルが値崩れして、俺らみたいにスライム狩りをメインにしているモンは薄利多売でヒィヒィ言ってるよ。ここんとこ休み無しでどうにかトントンだわ。スライム専門もそろそろ考え時かね」


「値崩れ・・・あぁ、最近スライムの群生地が見つかったとかなんとか」


「そうだ。スライムを狩る連中が増えたからスライムジェルも値崩れしちまってるよ」


スライムジェルはスライム系の魔物を倒すことで手に入る素材だ。
水を高度にろ過させることも出来れば、皮膚病の治療にも使われる。需要は決して尽きないので本来は値崩れしづらい素材である。だから安定収入を求める冒険者はスライム専門のハンターになる者も少なからずいた。
どうやら今は同じことを考えている者が集中している時期のようである。



「こうなるとスライムジェルでろ過した純水を使用するポーションなんかも値崩れするだろうな。もうすぐポーションの買い溜め時が来るかもしれないぜ。投資のために買い付ける奴らが増えるまでがチャンスだろうよ」


「そうか、いい情報をありがとう」



今でもゴウキにこうして有用な情報をくれる冒険者はたくさんいた。
こういった情報を元に、ゴウキは良質の回復アイテムなどを安価に手に入れる努力を欠かさなかった。
世間体や固定概念に捕らわれるリフトを始めとした勇者パーティーには到底真似の出来ぬことである。
これがどれだけ重要なものであったか、彼らは気付いていなかった。
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