『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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追放後

ハイ喜んで

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「知らない天井だ・・・」


ゴウキはフォースギルドで普段使われていない一室にあるソファの上で目を覚ました。
昨晩はノーラをギルドに送り届けた後、セシルに宿が決まっていないなら今日は泊っていけと勧められ、宿を探すのも面倒だからとそれに甘えて泊まったのだった。
時計を見ると時間は朝の6時。ギルドの朝は比較的早いが、それでも大体どこも営業は朝7時以降だ。営業が始まる前に起きられたことに胸をなでおろし、ゴウキは部屋を出る。
するとそこには、既に出勤して書類仕事をしているノーラの姿があった。


「おはようございますゴウキさん!」


ノーラはゴウキに気づくと、明るい声で挨拶をする。


「・・・おはよう。こんな時間から仕事をしているのか?」


セントラルギルドでもちらほら当番制で宿直がいたりするが、フォースギルドでもそうなのだろうか?というか他に職員はいるのだろうか?


「えぇ、ギルドマスターもがんばってはいるんですが、他私一人だと手が回らなくて月末になると早出になったりするんですよ」


今は丁度月末だった。いろいろと事務仕事もあって多忙な中、昨日はカムシンまで商談にまで行っていた。それに聞く感じによると他に職員もいないという。
ゴウキはノーラの壮絶なる働きっぷりに唖然とした。


「他に人も雇いたいところなんですけど、募集しても中々良い人が来なくて・・・」


話しながらノーラはバリバリと仕事をこなしていく。
恐らく他のギルドに比べて条件が悪く、キャリアにもならないだろうこのフォースギルドにわざわざ志願して働こうとする者はそうそういないだろう。いるとしたらそれこそ訳あり者くらいだ。
ゴウキは手伝いたい気持ちがあったが、それでも事務仕事などしたこともないしできることはないだろうことはわかっていた。


「もっとギルドの知名度が上がれば人も入ってくれると思うんですけど」


出来ることが何もなく、申し訳ない気持ちでいっぱいだったゴウキの心が、ノーラの言葉で軽くなった。
自分が冒険者としてギルドの依頼をこなしていけば、いずれギルドの名声が上がり人も集まってくるのでは?そう考えたのだ。


「そういうことなら任せておけ。俺がバリバリ依頼こなしてこのギルドを盛り上げてやるさ」


ゴウキはそういって、クエストボードに張り付けてあった依頼書を何枚か取っていく。
どれも元一流冒険者のやる仕事とは思えない雑用だが、ゴウキは意欲に満ちていた。パーティーの登録もしなければならないが、それは今夜辺りカムシンに誰かしら集まるだろうから、そのときに話して翌日に手続きすれば良いと。


「とりあえずこれをやってくる」


手に取った数枚の依頼書をノーラに見せると、それを手にゴウキは踵を返した。


「待ってください!」


ノーラが慌てて追いかけてくる。


「なんだよ。放っておいてばかりの依頼だろ?とりあえず今日は冒険には行かないからこれでもやって・・・」


言いかけたゴウキに、ノーラは数枚追加で依頼書を手渡した。


「時間的には多分ここまでは出来ると思うんです。ゴウキさんならきっと大丈夫です!」


にっこりと癒されスマイルでノーラはそう言うが、依頼書にある仕事量は朝から働いて夕方までかかるだけのものがあった。


「バリバリこなして、ギルドを盛り上げていきましょう!」


いつもと同じように癒されるような明るいノーラの笑顔であるはずが、このときは何か違う笑みにゴウキは感じてならなかったが、「あぁ、わかった・・・」と答えるのみで彼は精一杯だった。不思議な圧で嫌と言えない何かがあった。
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