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追放後
唐突に湧いた危ないヤツ
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モンスターホールを出ようとした、その時だった。
「ーーー!!」
ゴウキは突然何かの気配を察し、周囲を見回す。
それはスミレ達も同様だった。
突然気を張り詰め出したゴウキ達に対し、特に何も気づいていない遭難冒険者達は首を傾げている。
「上から来るぞっ!気を付けろ!!」
「敵、直上!急降下!」
ゴウキが気配に気付き、真上を向いた直後、スミレとリノアが同時に叫んだ。
高いモンスターホームの天井から降ってくる。
タンッ
高所から落ちてきたそれは、小さな音を立てて地面に綺麗に着地した。
顔を覆う甲冑を着込んだ人間であった。
「・・・」
ゴウキは身構える。
姿としては相手は人間であるようだが、相手からは不気味なオーラを感じた。魔物に近い不快感なオーラだとゴウキは思った。だから自然と身構えてしまう。
「・・・ほぉ、私を見ても怯まぬか。中々出来るではないか」
低い男の声が甲冑から発された。顔を覆う兜のために顔は見えないが、目だけは獲物を狙う猛獣のような獰猛なそれがゴウキからも見ることが出来た。
ゴウキだけでなく、スミレ達も皆構えているが、遭難冒険者達は構えるどころか腰を抜かして震えている。甲冑男の気に当てられ、すっかり怯んでしまっているようだった。
「何の用だ?俺達はこれから帰るところなんだがな」
ゴウキが話しかける。
登場の仕方で既にバリバリの不審者なのだから当然警戒は解かない。
「いや、何、帰る前に・・・」
甲冑男はそう言ってスッと人差し指をリノアに突きつけた。
「その娘が欲しくてな。私に譲ってくれないか」
「うげっ」
指名を受けたリノアが下品な声を洩らす。
「何やら騒がしかったので様子を見に来てみたら・・・その娘は随分と便利で変わった能力を持っているようだ。女としても申し分ない逸材であるし、見ていて我慢できなくなってな。欲しいと思ったのだ」
あまりに下品な物言いにゴウキも顔をしかめる。しかし当のリノアは少しだけ満更でもなさそうだった。
「女として申し分ない、ですって。聞きました?ゴウキ先輩」
「言ってる場合か」
ゴウキはすかさずリノアを背に隠すように甲冑男の前に立ちはだかる。
やっぱり目立つ能力だったかぁ、やはり出来るだけ内密にしといたほうがいいなこれと頭が痛くなった。こうした手合いが今後も出てくるなんて冗談じゃないと。
「答えはNOだ。リノアは俺らの仲間だからな」
甲冑男に見られている気配に気が付かなかった。気配を殺すことに長けていて、高レベルの戦士であることはわかるので、今だ話合いの段階であるがゴウキは既に戦闘態勢に入っていた。
「答えはNOだ。大事な俺の女だから絶対渡さない、ですって。嬉しいこと言ってくれますね」
「どんだけ都合良く聞き間違えてんだよ」
満面の笑みを浮かべながら杖を構えるリノアに、スミレが呆れたように言いつつクナイを構える。
デニスも既に得物に手をかけていた。
「そうか。ならば気が変わるまで話合うとしようか?生きていればだがな」
甲冑男はそう言って背に背負っていた大剣を構えだした。
(こいつ強いな。まったく、肩慣らしのはずがとんでもない大仕事になってきたんじゃねぇか?)
ゴウキは溜め息が出た。今日一日でいろいろあり過ぎて頭が疲れてきたと。
だが口元は笑っている。
久々に出会った強敵に、ゴウキの血がたぎっていた。
「ーーー!!」
ゴウキは突然何かの気配を察し、周囲を見回す。
それはスミレ達も同様だった。
突然気を張り詰め出したゴウキ達に対し、特に何も気づいていない遭難冒険者達は首を傾げている。
「上から来るぞっ!気を付けろ!!」
「敵、直上!急降下!」
ゴウキが気配に気付き、真上を向いた直後、スミレとリノアが同時に叫んだ。
高いモンスターホームの天井から降ってくる。
タンッ
高所から落ちてきたそれは、小さな音を立てて地面に綺麗に着地した。
顔を覆う甲冑を着込んだ人間であった。
「・・・」
ゴウキは身構える。
姿としては相手は人間であるようだが、相手からは不気味なオーラを感じた。魔物に近い不快感なオーラだとゴウキは思った。だから自然と身構えてしまう。
「・・・ほぉ、私を見ても怯まぬか。中々出来るではないか」
低い男の声が甲冑から発された。顔を覆う兜のために顔は見えないが、目だけは獲物を狙う猛獣のような獰猛なそれがゴウキからも見ることが出来た。
ゴウキだけでなく、スミレ達も皆構えているが、遭難冒険者達は構えるどころか腰を抜かして震えている。甲冑男の気に当てられ、すっかり怯んでしまっているようだった。
「何の用だ?俺達はこれから帰るところなんだがな」
ゴウキが話しかける。
登場の仕方で既にバリバリの不審者なのだから当然警戒は解かない。
「いや、何、帰る前に・・・」
甲冑男はそう言ってスッと人差し指をリノアに突きつけた。
「その娘が欲しくてな。私に譲ってくれないか」
「うげっ」
指名を受けたリノアが下品な声を洩らす。
「何やら騒がしかったので様子を見に来てみたら・・・その娘は随分と便利で変わった能力を持っているようだ。女としても申し分ない逸材であるし、見ていて我慢できなくなってな。欲しいと思ったのだ」
あまりに下品な物言いにゴウキも顔をしかめる。しかし当のリノアは少しだけ満更でもなさそうだった。
「女として申し分ない、ですって。聞きました?ゴウキ先輩」
「言ってる場合か」
ゴウキはすかさずリノアを背に隠すように甲冑男の前に立ちはだかる。
やっぱり目立つ能力だったかぁ、やはり出来るだけ内密にしといたほうがいいなこれと頭が痛くなった。こうした手合いが今後も出てくるなんて冗談じゃないと。
「答えはNOだ。リノアは俺らの仲間だからな」
甲冑男に見られている気配に気が付かなかった。気配を殺すことに長けていて、高レベルの戦士であることはわかるので、今だ話合いの段階であるがゴウキは既に戦闘態勢に入っていた。
「答えはNOだ。大事な俺の女だから絶対渡さない、ですって。嬉しいこと言ってくれますね」
「どんだけ都合良く聞き間違えてんだよ」
満面の笑みを浮かべながら杖を構えるリノアに、スミレが呆れたように言いつつクナイを構える。
デニスも既に得物に手をかけていた。
「そうか。ならば気が変わるまで話合うとしようか?生きていればだがな」
甲冑男はそう言って背に背負っていた大剣を構えだした。
(こいつ強いな。まったく、肩慣らしのはずがとんでもない大仕事になってきたんじゃねぇか?)
ゴウキは溜め息が出た。今日一日でいろいろあり過ぎて頭が疲れてきたと。
だが口元は笑っている。
久々に出会った強敵に、ゴウキの血がたぎっていた。
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