『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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追放後

不穏な影

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「ゴウキさん、あの・・・」


ギルド職員の遠ざかる背中を見送っていると、おずおずとノーラがゴウキに話しかけた。


「本当に良かったんですか?セントラルギルドの冒険者に戻らなくて」


フォースギルドとしてはゴウキにそのまま在籍してもらったほうが利益になる。だが、ノーラはゴウキ個人のことを心配してそう言った。ゴウキはそんなノーラの優しさを感じてフッと微笑む。


「別にいいよ。セントラルのことは許したわけじゃねーし、ここフォースギルドの方が気楽だしよ」


これはゴウキの本心だった。
金銭トラブルを嫌って金については細かいが、それはパーティーの和について重きを置いているだけで利益にかめついわけではない。ゴウキは恩もあり、働きやすいと感じているフォースギルドに居心地の良さを感じていた。


「悪いな。数日前からたまたまゴウキがいないときに何度かあいつら来てて追い返してたんだが、今日は追い返す前にバッティングしちまったか。ノーラにはゴウキにゃ黙っとけと言っといたんだけどよ。引き抜かれたら嫌だから」


セシルが後頭部をボリボリかきながら笑ってやってくる。
冒険者資格の凍結をしたり圧力をかけたりと散々自分を目の仇にしてきたくせに、奴らそんなに熱心に連れ戻しに来ていたのか・・・とゴウキは呆れ返った。だったら最初からやらなきゃいいんだ。


「ったく、なんで今頃そんなこと言ってきやがるんだ?もう審査とやらは終わったのか?」


もっと時間がかかりそうなことをセントラルの職員には言われた気がするなとゴウキは首を傾げる。


「どうやら冒険庁の偉いさんに釘を刺されたみたいだな。まぁ、明らかに不適切な処置だったんだから当然だと思うがな」


ゴウキの疑問にセシルが答える。それを聞いてゴウキはまたも大きなため息をついた。


「ほんと、セントラルギルドにいたままじゃなくて良かったぜ」


ゴウキはつくづくそう実感した。
セントラルギルドほど重要な依頼がないのでまだ物足りなさはあるが、結果としてフォースギルドで登録出来て良かったと考える。


「ところで、金はもう用意できたのか?」


ふと思い出したようなゴウキの問いに、セシルは若干慌てながら


「す、すまん、午後には全部用意できるはずだから・・・」


と何とも頼りない態度で答える。まるで自分が借金取りになったような気分になり「・・・本当にこのギルドで良かったんだろうか?」と少し不安になるのであった。
弱小も弱小のフォースギルドでは10億ベリカ以上の金を一度に動かすことがこれまでになかったので、無理からぬといえば無理からぬことではあったのだが。

結果として、その日の午後に換金された金は満額ゴウキ達に支払われた。
「この調子ならセントラルギルドじゃなくてもやっていけるじゃねぇか」とゴウキは考えていたが、この後、その認識を改めさせられることが起きるのである。
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