『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ゴウキ・ファミリー

スミレの計画 その5

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時は少し飛んで、レジプスから帰ってきての話である。


「・・・なんというか、想像以上の話になったな」


ゴウキを抜いたゴウキ・ファミリーは再び彼の知らぬところで密会をしていた。
ゴウキがスラリー子爵のためにとスライムジェルの販路を見つけようとレジプスに発ったは良いが、結果としてただ販路を見つける以上の成果を手にしてきたことになった。
ゴウキ・ファミリーはレジプス王家に顔が利くようになり、当面はどこよりも有利な条件で貿易も出来るようになったーーー

どこの商会も喉から手が出るほどに欲しいような成果を、ゴウキは手にしてしまったのである。
だがゴウキは無欲だった。
莫大な利益を生む機会であるのに、ゴウキはそれに噛もうとしないのだ。あくまでスラリー、フォースギルドなどなど自分の身内に利益を分配して終わりである。
しかし流石にそれではいけないとスラリーが半ば無理矢理ゴウキに押し付けるように礼金を持ってきた。その金はゴウキ・ファミリーで分配となり、決してゴウキは自分の取り分を多めにしようとはしなかった。


「まぁ、なんというかゴウキ先輩らしいですよね」


リノアは苦笑いをしながらそう言って、ワインをチビりと飲んだ。「ん~、微妙ですね」と、グラス一杯で並の労働者が一月で稼ぐ価格のするワインに難癖をつけている。


「・・・無欲故の勝利・・・と言おうか、しかし・・・」


デニスが何やら釈然としないような顔で言いかける。だが、結局は口を噤んだ。


「わかってるだろ?無欲はゴウキの美徳。けど、きっとそれじゃこれからは駄目なんだよ」


デニスの内心を理解したかのようにスミレが言う。
彼女の言葉を聞いて、デニスは僅かに俯いた。

勇者パーティーにいるときも、ゴウキは買い出しなどで可能な限り良質なものを安価で買うことを心掛けていた。しかしそれは金にがめついからではない。自分の分をちょろまかそうとしていたわけでもない。あくまでパーティー全体の利益のためにやったことだった。ゴウキは基本、自分自身の利益というものに無頓着なのだ。

並の冒険者ならそれでも良いだろう。野心的でなければ冒険者は務まらないが、ゴウキのように慎ましく生きていこうという者もいるにはいる。

だが、これだけ派手に動いていると、そうそうこれまでのように無欲なだけでは生きていくことが出来なくなる。
スライムジェルの販路を見出したということは、それだけセントラルギルドのパイを奪ってしまったということでもある。つまりセントラルの明確な商売敵になってしまったのだ。
これからセントラルに目を付けられれば、やがて金と権力でゴウキ・ファミリーは押しつぶされることになりかねない。

スミレは考えた。
ゴウキを手放さない方法と、今度金と力による圧力と戦えるだけの力を備えること。
これを両立させる構想がスミレの中で組まれつつあった。
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