『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ゴウキ・ファミリー

スミレの計画 その7

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路地裏に入り、視界に入る人間は一緒に来ているナンパ男しかいない。だが、間違いなく複数の人の気配が周囲を取り囲んでいることにスミレは気付く。


「あ、ちょっとアタシこっちのほうに行きたいんだけど」


スミレは先頭を歩くナンパ男に急な進路変更を強請る。


「え?あぁ、うん、いいけど」


一瞬怪訝な顔をするが、ナンパ男はスミレの言う通り、直進しそうだったところを右折に切り替える。


「あ、次こっち」


スミレは同じように何度か進路変更をし、その都度ナンパ男は不思議そうな顔をしながらもそれに応じる。それを繰り返すうち、スミレは確信する。


(やはりついてきていやがる)


右に行けば右、左なら左と、包囲網も同じように移動する。
偶然でもなんでもない、やはり自分達は取り囲まれているとスミレは確信した。


(しかし、なんだぁ?この馬鹿みてぇな三下どもは)


しかしスミレには緊張感は余りない。何故ならスミレ達を包囲している連中の実力が目の当てられないほど低いことに気付いたからだ。
最初は気配だけだったが、何度か急な進路変更を繰り返すうち、連中の動きも雑になっているのか、僅かながらに足音を立てるようになっていたのだ。それだけでなく、音と気配で把握する限りは包囲の配置も雑なものだった。まるでなり立てのダンサーの練習をしているかのような稚拙さだ。
ナンパ男はナンパ男で、ちらちらとスミレの様子を伺っているが、彼女が逃げ出さないか心配なんだろうか。その様子からも、ナンパ男が包囲している連中とグルで、スミレに何かしようとしているのが明け透けで、スミレは呆れ返ってしまう。


(雑過ぎんだろ。こんなんでも騎士団が機能不全だから、のうのうと蔓延ってやがるのか?)


以前、ゴウキも似たような連中に絡まれたといった話をしていたことをスミレは思い出す。
その時のゴウキもこんな気持ちだったのだろうかと考えていると、先頭を歩いていたナンパ男が立ち止まり、スミレの方へ振り向いた。
空き家の多い、人気のほぼないエリアだった。


(ここでネタバラシするつもりかな・・・)


そんなことを思いながらスミレがナンパ男を見ると、彼はニヤニヤとスミレをいやらしい目で見ながら口を開いた。


「ここでいいかな?いや、ここまで来ておいてなんだけど、実はちょっと話さなきゃいけないことがあってさ」


きっとスミレが包囲されているというなどとは、夢にも思っていないのだろう・・・ナンパ男の浮かべたそれは、そんな嘲るような笑みだった。


「えぇ~?なに~?もしかしてこんなところでスルの~?」


スミレはバカバカしいと思いながらも、何もわかっていない頭の悪い女の演技をする。
どうせ馬鹿どもの教育と掃除をするのなら、天国から地獄へと落として反応を楽しんでやろうかと考えていた。
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