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ゴウキ・ファミリー
勇者クレア達 その6
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金は取れるところから取る。
元よりそれががめつくも世間体を気にしているセントラルギルドのやり方だが、ここ最近は強く冒険者の不評を買ったことにより、一旦この方針は撤回して信頼回復に努めている。
適性価格(とはいえまだぼってはいるが)での取引に戻ったと噂を流してはいるので、ぼちぼち効果が出て冒険者が戻ってくるだろうが、まだ完全ではなく、依然として収入面では苦しい状態となっている。
となると、ぼったくっても文句を言わない勇者パーティーから徹底的に絞れるだけ絞り取る・・・そうして現状の不採算の帳尻を合わせるしかないと考え、ギルド職員達はもろにその矛先をクレア達に向けていた。
ニコニコと笑いながら、実に気持ち悪いほどに愛想よく振る舞うそんな職員達にクレア達は困惑しながらも、応接室で世間話をしながら査定の結果を待った。
「お待たせいたしました。こちら査定のほうが終了いたしまして、合わせて9500万ベリカになります」
職員が伝えた査定の結果に、パーティー全員が硬直した。
「きゅ・・・9500万・・・?」
あまりに予想外の結果に、リフトは声を震わせる。
「あの、希少部位もあるのでもう少し値段がつきませんか・・・?」
いくらなんでも安すぎたために、いつもならギルドを疑うことのないクレアでさえも抗議の声を上げた。
(流石に搾取し過ぎたか・・・)
査定結果を伝えた職員もやり過ぎたことに気付いたが、しかしそれでも今やクレア達は大事な大事な金蔓なのだ。極力結果はこのままに、どうにか機嫌を取っておかなくてはならない。
「申し訳ありません。確かに希少部位なのですが、現在どれも需要が低く、値があまりつけられないものばかりなのです。どんな素材であれ、相場は常に上下しますから、今はタイミング悪いとしか…」
査定をした職員は申し訳無さそうに申し開きをする。もちろんクレア達を騙すためだけの口からでまかせである。
クレア達は押し黙った。
想定の半分すら大きく下回る査定がつき、絶句しているというのもあるが、これからどうするかというところにクレアは悩んでいた。
今は安く買い叩かれるなら、機を見て需要が高騰したときに売ればいい…だが、クレア達の持って来た素材の中には、日が立つと品質の劣化するものも含まれていた。
遠征先からの移動時間を含めると、今すぐにでも売ってしまいたいし、需要の高騰だってすぐに起きるかわからない。
(一体なんなの…?どうしてこんな悪いことばかり…)
職員の言葉を信じて疑わないクレアは、もう運が無かったと思って素材を売ってしまおうかと考えていた。職員達もそれを察し、ギラリと目を光らせる。
だが、そんな空気を打ち破るように、そこで意外な人物が声を上げた。
「あの、どうするか少し考えてさせていただけませんか?」
おずおずと手を上げ、控えめな声でそう言ったのはミリアだった。
元よりそれががめつくも世間体を気にしているセントラルギルドのやり方だが、ここ最近は強く冒険者の不評を買ったことにより、一旦この方針は撤回して信頼回復に努めている。
適性価格(とはいえまだぼってはいるが)での取引に戻ったと噂を流してはいるので、ぼちぼち効果が出て冒険者が戻ってくるだろうが、まだ完全ではなく、依然として収入面では苦しい状態となっている。
となると、ぼったくっても文句を言わない勇者パーティーから徹底的に絞れるだけ絞り取る・・・そうして現状の不採算の帳尻を合わせるしかないと考え、ギルド職員達はもろにその矛先をクレア達に向けていた。
ニコニコと笑いながら、実に気持ち悪いほどに愛想よく振る舞うそんな職員達にクレア達は困惑しながらも、応接室で世間話をしながら査定の結果を待った。
「お待たせいたしました。こちら査定のほうが終了いたしまして、合わせて9500万ベリカになります」
職員が伝えた査定の結果に、パーティー全員が硬直した。
「きゅ・・・9500万・・・?」
あまりに予想外の結果に、リフトは声を震わせる。
「あの、希少部位もあるのでもう少し値段がつきませんか・・・?」
いくらなんでも安すぎたために、いつもならギルドを疑うことのないクレアでさえも抗議の声を上げた。
(流石に搾取し過ぎたか・・・)
査定結果を伝えた職員もやり過ぎたことに気付いたが、しかしそれでも今やクレア達は大事な大事な金蔓なのだ。極力結果はこのままに、どうにか機嫌を取っておかなくてはならない。
「申し訳ありません。確かに希少部位なのですが、現在どれも需要が低く、値があまりつけられないものばかりなのです。どんな素材であれ、相場は常に上下しますから、今はタイミング悪いとしか…」
査定をした職員は申し訳無さそうに申し開きをする。もちろんクレア達を騙すためだけの口からでまかせである。
クレア達は押し黙った。
想定の半分すら大きく下回る査定がつき、絶句しているというのもあるが、これからどうするかというところにクレアは悩んでいた。
今は安く買い叩かれるなら、機を見て需要が高騰したときに売ればいい…だが、クレア達の持って来た素材の中には、日が立つと品質の劣化するものも含まれていた。
遠征先からの移動時間を含めると、今すぐにでも売ってしまいたいし、需要の高騰だってすぐに起きるかわからない。
(一体なんなの…?どうしてこんな悪いことばかり…)
職員の言葉を信じて疑わないクレアは、もう運が無かったと思って素材を売ってしまおうかと考えていた。職員達もそれを察し、ギラリと目を光らせる。
だが、そんな空気を打ち破るように、そこで意外な人物が声を上げた。
「あの、どうするか少し考えてさせていただけませんか?」
おずおずと手を上げ、控えめな声でそう言ったのはミリアだった。
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