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ゴウキ・ファミリー
クレアの多難 その2
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「・・・知ってる天井だわ・・・」
王城を出て実家を目指していたクレアだったが、その後の記憶は曖昧だった。だがハッと目を覚ますと、実家の自室の天井が彼女の目に入った。ろくに記憶にはないが、どうやら自分の足で実家にまで戻ってきたのだろうか。
「非常にお疲れのようでしたよ」
クレアがメイドに問うと、昨晩の様子をいろいろと話してくれた。
おぼつかない足取りで屋敷に戻り、簡単な食事を済ませた後に湯浴みも手早く済ませ、後は泥のように眠っていたらしい。
おぼろげながら覚えているような気もするが、はっきりとはしていない。どうやら想像もつかないほどに疲労していたようだったとクレアは溜め息をついた。
詐欺に遭う、ギルドでトラブルを起こす、それが元でパーティーが諍いを起こす、そして・・・あの絶対的な恐怖の体験・・・『魔人との遭遇』が再び訪れることなるかもしれない王命。
クレアを打ちのめす衝撃的な事が一日に何度もあったのだから無理はなかった。
(これからのこと、考えないと・・・)
クレアはまずは少し遅めの朝食を取ろうと食堂へ向かうと、そこではクレアの父であるアルヴィンと、母のミストがテーブルについていた。
「遅かったなクレア」
どうやら二人はクレアのことを待ち構えていたようである。
「お父様にお母様!?」
まさか二人が待っていたとは思わず、クレアは驚きの声を上げた。
「やれやれ・・・旅後の寝坊助なところはまだ治っていないようだな?」
アルヴィンが少し意地悪そうに言って笑う。
「さぁ、一緒に朝食を食べましょう」
そう言ってミストが優しい微笑みを向ける。
両親の顔を見てなんだか安心したクレアは、つかえていた胸の内が少しだけ楽になったのを感じていた。
ーーーーー
「・・・そうか、いろいろと大変だったのだな」
クレアの今回の遠征での出来事を聞いたアルヴィンは、うんうんと感慨深げに頷いて聞いていた。
クレアの父、アルヴィン・アードニアはかつてはクレアと同じ剣士で冒険者をやっていた。S級冒険者としてダンジョンをいくつも攻略し、強力な魔物も何体も狩ったことで表彰されたことも数知れずの英雄である。
元々クレアの家であるアードニア家は代々バルジ王国でも武勇で名を馳せてきた名家であり、元は平民だったが何代にも渡り武で功績を上げ続けてきたことで侯爵位まで上り詰めている。
「だがなクレア。今回のことだが、そう人を疑うことは良くないと私は思うぞ」
「えっ・・・」
最初はクレアに同情するようにただただ頷いていたアルヴィンだったが、全てを話し終えたところで諭すように言った。
「エクスカリパーを売っていた人も、その剣がなんであるかを本当に知らなかったのかもしれん。それに、ギルドの件だってそうだ。ギルドと他のところで査定が違うのだって、予めバークマン嬢が調べていた相場のほうが間違っていた可能性だってある。人を疑うことは簡単だが、だからこそ、私達アードニアの人間は人を信じることを大切にしなければならないんだ」
「そうよ。お父様の言う通りよ」
優しいが、はっきりとそう言い切る二人を前に、クレアは反論することなく黙って聞いていた。
クレアが人を信じすぎる理由・・・それはこの両親が原因である。
王城を出て実家を目指していたクレアだったが、その後の記憶は曖昧だった。だがハッと目を覚ますと、実家の自室の天井が彼女の目に入った。ろくに記憶にはないが、どうやら自分の足で実家にまで戻ってきたのだろうか。
「非常にお疲れのようでしたよ」
クレアがメイドに問うと、昨晩の様子をいろいろと話してくれた。
おぼつかない足取りで屋敷に戻り、簡単な食事を済ませた後に湯浴みも手早く済ませ、後は泥のように眠っていたらしい。
おぼろげながら覚えているような気もするが、はっきりとはしていない。どうやら想像もつかないほどに疲労していたようだったとクレアは溜め息をついた。
詐欺に遭う、ギルドでトラブルを起こす、それが元でパーティーが諍いを起こす、そして・・・あの絶対的な恐怖の体験・・・『魔人との遭遇』が再び訪れることなるかもしれない王命。
クレアを打ちのめす衝撃的な事が一日に何度もあったのだから無理はなかった。
(これからのこと、考えないと・・・)
クレアはまずは少し遅めの朝食を取ろうと食堂へ向かうと、そこではクレアの父であるアルヴィンと、母のミストがテーブルについていた。
「遅かったなクレア」
どうやら二人はクレアのことを待ち構えていたようである。
「お父様にお母様!?」
まさか二人が待っていたとは思わず、クレアは驚きの声を上げた。
「やれやれ・・・旅後の寝坊助なところはまだ治っていないようだな?」
アルヴィンが少し意地悪そうに言って笑う。
「さぁ、一緒に朝食を食べましょう」
そう言ってミストが優しい微笑みを向ける。
両親の顔を見てなんだか安心したクレアは、つかえていた胸の内が少しだけ楽になったのを感じていた。
ーーーーー
「・・・そうか、いろいろと大変だったのだな」
クレアの今回の遠征での出来事を聞いたアルヴィンは、うんうんと感慨深げに頷いて聞いていた。
クレアの父、アルヴィン・アードニアはかつてはクレアと同じ剣士で冒険者をやっていた。S級冒険者としてダンジョンをいくつも攻略し、強力な魔物も何体も狩ったことで表彰されたことも数知れずの英雄である。
元々クレアの家であるアードニア家は代々バルジ王国でも武勇で名を馳せてきた名家であり、元は平民だったが何代にも渡り武で功績を上げ続けてきたことで侯爵位まで上り詰めている。
「だがなクレア。今回のことだが、そう人を疑うことは良くないと私は思うぞ」
「えっ・・・」
最初はクレアに同情するようにただただ頷いていたアルヴィンだったが、全てを話し終えたところで諭すように言った。
「エクスカリパーを売っていた人も、その剣がなんであるかを本当に知らなかったのかもしれん。それに、ギルドの件だってそうだ。ギルドと他のところで査定が違うのだって、予めバークマン嬢が調べていた相場のほうが間違っていた可能性だってある。人を疑うことは簡単だが、だからこそ、私達アードニアの人間は人を信じることを大切にしなければならないんだ」
「そうよ。お父様の言う通りよ」
優しいが、はっきりとそう言い切る二人を前に、クレアは反論することなく黙って聞いていた。
クレアが人を信じすぎる理由・・・それはこの両親が原因である。
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