『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ゴウキ・ファミリー

クレアの多難 その9

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「ま、マリス?一体どうしたんだい・・・?」


マリスの唐突な謎発言に怪訝な顔をしてリフトが訊ねるが、マリスはぼーっとしているだけで答えなかった。リフトを慕い、腰巾着とさえ言えるほど彼の言動にはすかさず反応を示すマリスにしては異例のことだった。


「え、えっと・・・それじゃ、会議を始めます・・・」


マリスの様子は変だが、とりあえずクレアは気を取り直して、メンバーに向き直って言った。


「ああ・・・」


「はい」


「うっす・・・(ボーー・・・)」


マリスはクレアの言葉が耳に入っているのかいないのか、ぼーっと生返事をするだけで反応らしい反応がない。
それも全くマリスらしからぬ返事の仕方だった。

クレアは唖然としつつも、「ねぇ、マリス聞いてる?」と訊ねると「うす・・・」とだけマリスは返した。
リフトもミリアも怪訝な顔をしているが、とりあえずは聞いてる(本人談)というのでクレアは話を始めることにした。


「・・・っ」


マリスのことで気が動転して出鼻をくじかれたが、これからクレアは言いづらいことを言わなければならない。そのプレッシャーが一瞬開こうとしたクレアの口を閉ざす。
だが少しの間を置いた後、クレアは意を決して口を開いた。


「まず一つ、近いうちに王命が下されることになるわ。もしかしたら・・・また『魔人』と出くわすかもしれない・・・そんな地に私達は派遣されることになりそうなの」


クレアの言葉に、リフトとミリアが息を飲んだ。当時の恐怖と絶望感が二人の脳裏に蘇り、返事をすることも出来なかった。


「はぁ、そうですか・・・」


ぼーっとした顔で聞いているマリスを除いて、だが。
良くも悪くもそんなマリスの間の抜けたリアクションのお陰で、重かった雰囲気がいくらか和らぎ、クレアは次の言葉を発することが出来た。


「それにあたりこれから多少散財を覚悟してでも、遠征の準備をしましょう。少しばかり借金をすることになっても構わないわ。最悪はアードニア家に泣きついてでも用立てます。武器の強化、そして上位回復アイテムも買えるだけ買う。次に魔人に会ったら、最初から全力で戦えるように!」


以前は恐怖に震えているだけしか出来なかった相手だ。
そんな相手に再び会ったとき、果たして剣を向けるだけの闘志が自分にあるだろうか?クレア自身そんな不安に苛まれているが、それでも意気込みは十分だった。


「はぁ・・・それはそれは・・・」


ここでまたマリスの気の抜けた返事。クレア達は思わず盛大にずっこけそうになった。
マリスは話を聞いてはいないことがこれでわかったので、クレアはもう彼女には後でまとめて聞かせてようと決め、半ばやけくそで続きを話すことに決めた。


「それからもう一つ、次の『魔人』との遭遇前にゴウキを私達のパーティーに再び戻したいと話をしたけど、もしかしたらそれは叶わないかもしれない」


そのクレアの言葉にリフト達は目を見開くが、マリスは相変わらず「それもいいかもしれませんねぇ」と間の抜けたことを言っていた。
大事な話をしているのに、一同にはイマイチ締まらない空気が流れており、クレアはげんなりした。
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