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賢者リノア
スミレの不安
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外出から拠点に帰ってきたリノアは、慌てた門番から報告を受けて愕然とした。
「・・・マジかよ」
リノアがトマスと出かけ、消息を絶ったと聞いたスミレは絶句する。
すぐに戻ると門番に伝えていたので、何か事件に巻き込まれたと考えられた。
しかしリノアは賢者。大概のことにはその呆れるほどに便利な魔法の数々で余裕で対処できるだろうし、何か事件に巻き込まれたとて大事にはなるはずがない・・・そう考えられていたリノアが、あっさりと消息を絶ったことにスミレは驚愕し、信じられない気持ちになっていた。
「今、手分けして探してますが、まだ見つかったという報告は上がってないです」
舎弟がそう言うと、スミレはすぐ様自分の子飼いにしているカラスを口笛で呼び寄せる。
スミレが飼っているカラスは王都中を飛び交っており、カラスが見た王都の情報の全てが労せず手に入る。このネットワークを使い、スミレはリノアとトマスを見つけようとした。
「え・・・見つからない・・・?」
途中までリノアとトマスが歩いていたという情報は掴めたが、それ以降の足取りはカラスのネットワークを駆使してなお掴めなかった。
まるで煙になって消えたかのように、リノアとトマスは本当に消息を絶ってしまったのだ。
「リノアさんなら、流石に何かある・・・なんてことはそうそうならないとは思うんですが・・・」
「何か、ならもう既に起こってるじゃねーか!!」
舎弟が気を遣うように言ったのを、スミレは壁を殴りながら打ち消した。
唐突に起こった緊急事態。そして消息がまるで掴めないという異常事態に、普段冷静でなければならないはずのスミレも苛立ちを隠せない。
以前のスミレなら、心配はしてもそれでもどこかで楽観視していたかもしれない。
リノアなら単独でも大概の問題は切り抜けられるし、それこそ王都の中にいながらにして彼女が本当にピンチになるほどの大事件など起きないだろうと考えていただろう。
だが、スミレはつい最近・・・実家・モチヅキと元許嫁のごたごたで自らを危機に晒した経験がある。
自分が強者であると慢心してすると同時に、相手が格下であると見下してかかっていると、予想だにしないときに足をすくわれることがあることを身をもって学んでいるのだ。
リノアとて、自分と同じ轍を踏んでいる可能性があるのではないかとスミレは思った。
「ちっ・・・すぐさまファミリー全体に通達を出しな。リノアと、あとトマスって男を見つけんだよ」
スミレはそう舎弟に命じるが、スミレのカラスにすら引っかからなかったリノアが簡単に見つかるだろうか?という不安が拭えなかった。
「・・・マジかよ」
リノアがトマスと出かけ、消息を絶ったと聞いたスミレは絶句する。
すぐに戻ると門番に伝えていたので、何か事件に巻き込まれたと考えられた。
しかしリノアは賢者。大概のことにはその呆れるほどに便利な魔法の数々で余裕で対処できるだろうし、何か事件に巻き込まれたとて大事にはなるはずがない・・・そう考えられていたリノアが、あっさりと消息を絶ったことにスミレは驚愕し、信じられない気持ちになっていた。
「今、手分けして探してますが、まだ見つかったという報告は上がってないです」
舎弟がそう言うと、スミレはすぐ様自分の子飼いにしているカラスを口笛で呼び寄せる。
スミレが飼っているカラスは王都中を飛び交っており、カラスが見た王都の情報の全てが労せず手に入る。このネットワークを使い、スミレはリノアとトマスを見つけようとした。
「え・・・見つからない・・・?」
途中までリノアとトマスが歩いていたという情報は掴めたが、それ以降の足取りはカラスのネットワークを駆使してなお掴めなかった。
まるで煙になって消えたかのように、リノアとトマスは本当に消息を絶ってしまったのだ。
「リノアさんなら、流石に何かある・・・なんてことはそうそうならないとは思うんですが・・・」
「何か、ならもう既に起こってるじゃねーか!!」
舎弟が気を遣うように言ったのを、スミレは壁を殴りながら打ち消した。
唐突に起こった緊急事態。そして消息がまるで掴めないという異常事態に、普段冷静でなければならないはずのスミレも苛立ちを隠せない。
以前のスミレなら、心配はしてもそれでもどこかで楽観視していたかもしれない。
リノアなら単独でも大概の問題は切り抜けられるし、それこそ王都の中にいながらにして彼女が本当にピンチになるほどの大事件など起きないだろうと考えていただろう。
だが、スミレはつい最近・・・実家・モチヅキと元許嫁のごたごたで自らを危機に晒した経験がある。
自分が強者であると慢心してすると同時に、相手が格下であると見下してかかっていると、予想だにしないときに足をすくわれることがあることを身をもって学んでいるのだ。
リノアとて、自分と同じ轍を踏んでいる可能性があるのではないかとスミレは思った。
「ちっ・・・すぐさまファミリー全体に通達を出しな。リノアと、あとトマスって男を見つけんだよ」
スミレはそう舎弟に命じるが、スミレのカラスにすら引っかからなかったリノアが簡単に見つかるだろうか?という不安が拭えなかった。
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