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賢者リノア
利害関係の一致
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トマスはリノアの読み通り、セントラルギルドへ協力を取り付けていた。
リノア誘拐に先駆けて下調べを行う中で、ゴウキとセントラルギルドの不仲を知ったトマスは、ギルドへコンタクトを取ったのだ。
『敵対しているゴウキを陥れるための計画が僕にはあります』と。
もちろん一般人でしかないトマスのこのあまりに馬鹿馬鹿しい申し出を、ギルドが普通なら受け入れるはずはない。
だがトマスが持ちこんだ優れた魔道具の設計図を見るや、態度を一変させた。
従来の思考に囚われず、全く新しい観点から設計されたその魔道具は、実用化すれば巨大な利益を得ることが出来ることがわかったからだ。これにはギルドお抱えの魔道具技師も舌を巻いた。
そしてトマスは間違いなく天才だとギルドは判断する。
彼を専属の魔道具技師として抱え込んでおけば、窮地のギルドを救ってくれるだけでなく、以前より更に強大な富と力を得ることが出来るだろうと確信した。
トマスの魔道具ならば、ゴウキを本当に屠ることも可能であると期待を寄せた。
ギルドにしてみれば、トマスの計画が成功すれば一石二鳥なのである。リノアなどくれてやる、好きにしろと。
トマスがギルドに求めたのは、自分の設計した魔道具を形にし、それを使用する場を用意するための金。そして計画を進行させるための人員の派遣である。
トマスの設計した魔道具の実用化には決して安くない金が必要だったが、先行投資だと思って糸目をつけず出した。
だから数々の高度な魔道具の実用、そして屋敷を用意してまでの大がかりな『ゴウキ殺し』の舞台を仕掛けることが出来たのである。
そして、この日ゴウキを屠るための舞台は、トマスの魔道具のデモンストレーションの場でもあった。
「これは凄いな。まさかそれぞれ異なる指定した場所へ転移させることが出来るトラップとは」
「しかも、あの優れたニンジャであるスミレが察知できなかったぞ。これなら並の冒険者なら入れ食いだろうな」
「高度なセキリュティーとして貴族に売り込むことが出来る。これだけで果たしてどれだけの利益を生むことが出来るか・・・恐ろしいな」
「というか、今こうして様子を見られていること自体が凄くないか?」
ゴウキ達の様子は、トマスが開発した魔道具によって映像化され、スポンサーであるギルドの技師と幹部が視聴できるようになっていた。
これだけの才能があったトマス。
まともに生きてさえいれば、リノアどころか多くのものを手に入れることが出来ただろう。
だが、彼は焦るあまり道を踏み外してしまった。
リノア誘拐に先駆けて下調べを行う中で、ゴウキとセントラルギルドの不仲を知ったトマスは、ギルドへコンタクトを取ったのだ。
『敵対しているゴウキを陥れるための計画が僕にはあります』と。
もちろん一般人でしかないトマスのこのあまりに馬鹿馬鹿しい申し出を、ギルドが普通なら受け入れるはずはない。
だがトマスが持ちこんだ優れた魔道具の設計図を見るや、態度を一変させた。
従来の思考に囚われず、全く新しい観点から設計されたその魔道具は、実用化すれば巨大な利益を得ることが出来ることがわかったからだ。これにはギルドお抱えの魔道具技師も舌を巻いた。
そしてトマスは間違いなく天才だとギルドは判断する。
彼を専属の魔道具技師として抱え込んでおけば、窮地のギルドを救ってくれるだけでなく、以前より更に強大な富と力を得ることが出来るだろうと確信した。
トマスの魔道具ならば、ゴウキを本当に屠ることも可能であると期待を寄せた。
ギルドにしてみれば、トマスの計画が成功すれば一石二鳥なのである。リノアなどくれてやる、好きにしろと。
トマスがギルドに求めたのは、自分の設計した魔道具を形にし、それを使用する場を用意するための金。そして計画を進行させるための人員の派遣である。
トマスの設計した魔道具の実用化には決して安くない金が必要だったが、先行投資だと思って糸目をつけず出した。
だから数々の高度な魔道具の実用、そして屋敷を用意してまでの大がかりな『ゴウキ殺し』の舞台を仕掛けることが出来たのである。
そして、この日ゴウキを屠るための舞台は、トマスの魔道具のデモンストレーションの場でもあった。
「これは凄いな。まさかそれぞれ異なる指定した場所へ転移させることが出来るトラップとは」
「しかも、あの優れたニンジャであるスミレが察知できなかったぞ。これなら並の冒険者なら入れ食いだろうな」
「高度なセキリュティーとして貴族に売り込むことが出来る。これだけで果たしてどれだけの利益を生むことが出来るか・・・恐ろしいな」
「というか、今こうして様子を見られていること自体が凄くないか?」
ゴウキ達の様子は、トマスが開発した魔道具によって映像化され、スポンサーであるギルドの技師と幹部が視聴できるようになっていた。
これだけの才能があったトマス。
まともに生きてさえいれば、リノアどころか多くのものを手に入れることが出来ただろう。
だが、彼は焦るあまり道を踏み外してしまった。
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