聖騎士は 愛のためなら 闇に墜つ

はにわ

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反逆

絶対に負けない・・・はずだった

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若干虚を突かれたところはあったが、突如として現れたユーライ国軍に対してのサンクレア軍の動きは早かった。
先日のカイの宣言通りにユーライ国軍が攻めてきたことに不安を抱く市民もいたが、ハルトが前面に出ることによる本気の迎撃姿勢を見せることによって多くの者が安堵した。

聖女マーサも後に控え、サンクレア騎士団も万に一つも負けがないという自身に満ち溢れ士気は非常に高い。


「聖騎士である僕が、そして聖女であるマーサがいる限り、我々が負けることはあり得ない!殲滅するぞ!!」


「「「おおおおおおおおおお」」」


ハルトの叫びに騎士達が呼応する。
絶対に負けない。サンクレアの威信はこの一戦にかかっている・・・そんな彼らの思いが声に乗り、空気が震えた。


(やはりこれが性に会っている・・・)


ハルトはそんなことをふと考えた。
自分は前面に出て、誰よりも多く剣を振るい、誰よりも多く敵を切り伏せる、それだけを考えているのが一番楽だと。


(だが、これが僕の最後の戦いだ)


このユーライ国軍との一戦により、サンクレアとユーライとの戦争は今度こそ本当の意味で決着がつくことになるだろう・・・ハルトはそう考えていた。
この場に宣言通りカイがいるのなら、ここでカイを倒せば今度こそユーライ国軍の有力な戦力は無くなるはずだからだ。
前は不覚を取った。だが、今度はそんなことにはならないーー


カイが戦に参加しているのなら、恐らくいるのは最前列だと思った。ハルトはカイの剣撃飛ばしについて知っていた。それを生かすのなら、最前でそれを使い、サンクレアの兵の数を削るーーー それしかないからだ。

そして、ハルトはカイほど強力ではないが、似たような技を聖剣を使うことで発動することが出来た。
これを使えば少なくともカイの剣撃飛ばしに対し、ほとんど無効になるくらいには打ち消せるという自信があった。故にハルトも最前に立っていた。
後方には指揮のためにアドル騎士団長もいる。何があっても対応は出来る隙はない。

ハルトはそう思っていた。
ある伝令兵が現れるまでは。


その伝令兵は、神都が危機に陥っていると言葉を発し、ハルトはそれを聞いて思考を停止させた。
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