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ダメージ999
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バァン!
会場で何かが大破したような、破裂のようなものが轟いた。
「あだばっ」
瞬間、情けない声を出しながら俺の体は宙を舞っていた。横なぎに払われたディオの剣ーーみね打ちが俺の体を激しく打ち付けたのだ。
俺はきりもみ回転してから、受け身を取ることもできずに激しく地面に落下した。
死~~~~ん
会場が沈黙に包まれる。
俺は糸の切れたマリオネットのように、四肢を投げ出して地面に崩れ落ちていた。
ありとあらゆる箇所の骨が折れていた。
ディオの一撃はあくまでみね打ちだったが、あまりの高威力で巨獣に体当たりされたのと変わらないような大ダメージとなった。
見ていた人間も、これは勝負あったと即座に理解できたことだろう。
「・・・くっ」
俺はディオを殺すつもりで勝負に出た。まさに全力も全力だった。
だが、ディオはそうはしなかった。斬り殺すこともできただろうに、わざわざみね打ちで俺を無力化するに留めたのだ。ただ一撃でのされただけではない。格の違いを見せつけられたのだ。
もうろくに体を動かせそうにない。どうやら俺の負けが確定したようだ。
心も、体も、何一つ及ばない。
文句の言いようがない、完敗も完敗だった。
「ディオ・・・お前の勝ちだ」
どうせ負けたのなら少しでもカッコつけようと、そう言った。いや、言ったつもりだった。
実際には激痛のあまり口を動かしていただけで声らしい声は出なかった。
その瞬間だった。
「ファッ!?」
俺を見下ろしていたディオが、突然俺に馬乗りになり、拳を俺の顔面に叩き込んできたのだ。
「ちばぁ!?」
意味もわからぬまま、俺はそのまま何度も拳を受け続けた。
「え?」
審判を務めているはずの大臣が狼狽えている。あまりの予想外の流れに、理解が追い付かないのかもしれない。
そりゃそうだろう、当の俺だって度肝を抜かれているくらいだ。
頭が割れそうだ。鼻は潰れ、顎の骨が折れたかもしれない。
十発目の拳が打ち込まれた頃だろうか、ここでようやく大臣がハッとして、右手を挙げた。
「しょ、勝者ディオ!!けっっっちゃ~~~~~く!!」
カァン!
大臣の宣言ととも、戦いの終わりの合図の大鐘が鳴らされる。
ここでディオの手が止まり、俺は解放された。
「ヒェッ・・・」
「ひでぇ・・・」
「うわぁ・・・」
「えっ何これは・・・」
会場は歓声が上がることはなく、空気は冷めきっていた。
既に一撃をくらい、無力化されているにも関わらず、ディオは俺を無残にも追撃した。全身の骨を折り、端正だった顔をまるでじゃが芋のように腫らし、痙攣する俺を見れば誰もがドン引きすることだろう。
優勝者が決まったというのに、会場は歓声に包まれることなく、微妙な空気に包まれていた。
「・・・そ、それでは優勝者ディオ・・・前へ」
ぼろ雑巾のようになった俺を横目でチラリと見ながら、大臣はどこか震え声でディオにそう告げた。
ディオはキリッと表情を引き締め、促されるように王の前へ進み出たのを俺は途切れそうな意識の中で視界に納めていた。
青い顔をした救護班にそっと担架で運ばれる中、俺は思った。
万が一のことを考え、事前にしっかりトイレを済ませておいて良かった。そうでなければ失禁して、恥の上塗りになっていたことだろうーーと。
会場で何かが大破したような、破裂のようなものが轟いた。
「あだばっ」
瞬間、情けない声を出しながら俺の体は宙を舞っていた。横なぎに払われたディオの剣ーーみね打ちが俺の体を激しく打ち付けたのだ。
俺はきりもみ回転してから、受け身を取ることもできずに激しく地面に落下した。
死~~~~ん
会場が沈黙に包まれる。
俺は糸の切れたマリオネットのように、四肢を投げ出して地面に崩れ落ちていた。
ありとあらゆる箇所の骨が折れていた。
ディオの一撃はあくまでみね打ちだったが、あまりの高威力で巨獣に体当たりされたのと変わらないような大ダメージとなった。
見ていた人間も、これは勝負あったと即座に理解できたことだろう。
「・・・くっ」
俺はディオを殺すつもりで勝負に出た。まさに全力も全力だった。
だが、ディオはそうはしなかった。斬り殺すこともできただろうに、わざわざみね打ちで俺を無力化するに留めたのだ。ただ一撃でのされただけではない。格の違いを見せつけられたのだ。
もうろくに体を動かせそうにない。どうやら俺の負けが確定したようだ。
心も、体も、何一つ及ばない。
文句の言いようがない、完敗も完敗だった。
「ディオ・・・お前の勝ちだ」
どうせ負けたのなら少しでもカッコつけようと、そう言った。いや、言ったつもりだった。
実際には激痛のあまり口を動かしていただけで声らしい声は出なかった。
その瞬間だった。
「ファッ!?」
俺を見下ろしていたディオが、突然俺に馬乗りになり、拳を俺の顔面に叩き込んできたのだ。
「ちばぁ!?」
意味もわからぬまま、俺はそのまま何度も拳を受け続けた。
「え?」
審判を務めているはずの大臣が狼狽えている。あまりの予想外の流れに、理解が追い付かないのかもしれない。
そりゃそうだろう、当の俺だって度肝を抜かれているくらいだ。
頭が割れそうだ。鼻は潰れ、顎の骨が折れたかもしれない。
十発目の拳が打ち込まれた頃だろうか、ここでようやく大臣がハッとして、右手を挙げた。
「しょ、勝者ディオ!!けっっっちゃ~~~~~く!!」
カァン!
大臣の宣言ととも、戦いの終わりの合図の大鐘が鳴らされる。
ここでディオの手が止まり、俺は解放された。
「ヒェッ・・・」
「ひでぇ・・・」
「うわぁ・・・」
「えっ何これは・・・」
会場は歓声が上がることはなく、空気は冷めきっていた。
既に一撃をくらい、無力化されているにも関わらず、ディオは俺を無残にも追撃した。全身の骨を折り、端正だった顔をまるでじゃが芋のように腫らし、痙攣する俺を見れば誰もがドン引きすることだろう。
優勝者が決まったというのに、会場は歓声に包まれることなく、微妙な空気に包まれていた。
「・・・そ、それでは優勝者ディオ・・・前へ」
ぼろ雑巾のようになった俺を横目でチラリと見ながら、大臣はどこか震え声でディオにそう告げた。
ディオはキリッと表情を引き締め、促されるように王の前へ進み出たのを俺は途切れそうな意識の中で視界に納めていた。
青い顔をした救護班にそっと担架で運ばれる中、俺は思った。
万が一のことを考え、事前にしっかりトイレを済ませておいて良かった。そうでなければ失禁して、恥の上塗りになっていたことだろうーーと。
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