新訳・親友を裏切った男が絶望するまで

はにわ

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デッドレールの後遺症

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デッドレール・・・それはバリーが編み出した、かつて20年前に魔王を倒した必殺技である。
強大なオーラを剣に宿し、斬りこんだ相手の傷口からオーラを流し込み、流し込まれたオーラを敵の体内で内爆発させるという技だ。これを受ければ花火めいて爆裂四散、サヨナラ!という結末を迎える。

その20年前に魔王を倒したという技が、再度魔王に食らわせられた。


「グォォォォォォォォォ!」


魔王が体中のいたるところから血を噴出させ、苦痛の声を上げ倒れ伏す。


「やったか!?」


俺は思わず拳を握りしめ、叫んでいた。


「待て!それは言ってはいけない言葉じゃ!!」


ウラエヌスさんが俺のことを叱りつけたその瞬間、魔王は再び起き上がり、腕を振るって今度はバリーさんを吹き飛ばした。


「げっ!」


バリーさんはまっすぐ俺のところに飛んできて、鎧を着込んだ重い男を受け止めるはめになってしまった。


「がはっ・・・!」


魔王の一撃並に俺はダメージを受ける。


「馬鹿者!お主がさっき言った言葉は禁句じゃ。あれを言ったら倒せるものも倒せなくなるぞ」


「えぇ・・・よくわかりませんがわかりました・・・」


理不尽にウラエヌスさんに叱られた俺は、とりあえず俺のところに飛んできたバリーさんの様子を見た。



「は、はふん・・・」


バリーさんは聞くもおぞましいような甘い声を上げて俺にしなだれかかってきた。え、なにこの芸風?キモいんだけど・・・


「バリーさん、立ってくださいよ。悪ふざけしてる場合ですか」


俺はイライラしながらバリーさんを剥がそうとすると、「んあぁ」とかまた甘い声を上げながらバリーさんは転がった。
え、何?ナンデこうなる?


「それはデッドレールの後遺症じゃ」


ウラエヌスさんが真顔で言った。


「後遺症?このキモいのが?」


地面で甘い声を上げながらもだえるバリーさんを見て、これが伝説の勇者の技の後遺症などとは思いたくなかった。技そのものは凄くカッコ良かったのに・・・


「デッドレールは時間をかけ、極限まで高めた闘気を斬撃に乗せて敵にぶつける技じゃ。闘気が空っぽになったバリーはしばらくあのように雌落ちしたようになるんじゃ。レベルとかいろいろ能力が今は下がっていると思うわい」


「えぇぇぇ!?まだ魔王生きてますよ!?」


魔王はダメージを受けているが死んでない。だがこちらの主力の勇者は雌落ちしてる。
あっ・・・だめだこれ本当に詰んだ。


そう思ったときだった。
陽動で攻撃を受けたディオが立って剣を構えていたのだ。
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