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イベント中は敵が襲ってこない
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魔族の大群が押し寄せてくるのが地響きでわかった。
これは戦闘せずとも踏みつぶされて一瞬で終わるやつだ。ディオが本気になったところで閉鎖された敵陣地の中で生き延びるのは至難の業だろう。そうでなくても今ディオと戦っている甲冑の敵もかなり強そうだ。
せめて俺の体が動くなら・・・!
ディオを生かすことくらいはできるかもしれない。だがそんなことを考えても無意味だ。俺の体はミイラになっていて回復薬を手に取る力もないし、なにより俺はディオを裏切った。今更ディオと肩を並べて戦うことなぞディオが許さないだろう。
だが、そう考えている俺の体をディオは抱き起した。
甲冑の魔族はただそれを黙って見てくれている。攻撃しようとはしない。あ、そういう空気を読めるお方なのね。
・・・って!
「何を・・・?」
俺はディオが何をしようとしているのかわからなかった。一体どうするというのだ?
「レイツォ。この窮状を切り抜けてアリスの暴走を止めるには、君の力が必要だ」
ディオは真っすぐに俺の目を見つけてそう言った。
ドキッ
じゃなくて!
「馬鹿な・・・俺は・・・」
お前を裏切ったんだぞ、そう言おうとして言葉が続かない。いよいよ口も満足に動かなくなってきたのだ。
「嫌なら回復した後で改めて断ってくれればいい」
そう言ってディオは回復薬を取り出した。瓶に入っている液体だが、今の俺では飲むことすらできまい。
ディオは蓋を取り、瓶から直接俺の口に流し込む。
「ゴボッ ガボボ」
案の定俺は口から噴き出してしまう。ろくに入っていない。
「仕方がないな」
ディオはそう言うと、瓶を俺の口から離し、なんと自分の口に回復薬を含んだ。そして
ズギュウウウン
ディオはなんとそのまま俺に口移しで回復薬を飲ませたのである。
な、なんてやつだ!
「はぁっ!はぁはぁ・・・」
ミイラのようであった俺の体は、回復薬を飲むことですっかり冬毛のマヌルネコのようにふっくらと体系を戻していた。体は元に戻った。だが魔力は、アリスとの契約前より落ちるくらいか。
「くっ・・・」
ディオと目が合うが、何も言えない。なんだか顔が熱くなっているのがわかる。
「礼は言わん。俺は自分の贖罪のためにやるだけだ」
ぷいっと顔を逸らして俺はついつっけんどんな態度になってしまう。
「レイツォはこれから来る魔族を頼む。私はこいつの相手をする」
ディオはそう言って、再び甲冑の魔族と向き合った。今の今まで本当に何もせずに待っていてくれた甲冑の魔族だった。
これは戦闘せずとも踏みつぶされて一瞬で終わるやつだ。ディオが本気になったところで閉鎖された敵陣地の中で生き延びるのは至難の業だろう。そうでなくても今ディオと戦っている甲冑の敵もかなり強そうだ。
せめて俺の体が動くなら・・・!
ディオを生かすことくらいはできるかもしれない。だがそんなことを考えても無意味だ。俺の体はミイラになっていて回復薬を手に取る力もないし、なにより俺はディオを裏切った。今更ディオと肩を並べて戦うことなぞディオが許さないだろう。
だが、そう考えている俺の体をディオは抱き起した。
甲冑の魔族はただそれを黙って見てくれている。攻撃しようとはしない。あ、そういう空気を読めるお方なのね。
・・・って!
「何を・・・?」
俺はディオが何をしようとしているのかわからなかった。一体どうするというのだ?
「レイツォ。この窮状を切り抜けてアリスの暴走を止めるには、君の力が必要だ」
ディオは真っすぐに俺の目を見つけてそう言った。
ドキッ
じゃなくて!
「馬鹿な・・・俺は・・・」
お前を裏切ったんだぞ、そう言おうとして言葉が続かない。いよいよ口も満足に動かなくなってきたのだ。
「嫌なら回復した後で改めて断ってくれればいい」
そう言ってディオは回復薬を取り出した。瓶に入っている液体だが、今の俺では飲むことすらできまい。
ディオは蓋を取り、瓶から直接俺の口に流し込む。
「ゴボッ ガボボ」
案の定俺は口から噴き出してしまう。ろくに入っていない。
「仕方がないな」
ディオはそう言うと、瓶を俺の口から離し、なんと自分の口に回復薬を含んだ。そして
ズギュウウウン
ディオはなんとそのまま俺に口移しで回復薬を飲ませたのである。
な、なんてやつだ!
「はぁっ!はぁはぁ・・・」
ミイラのようであった俺の体は、回復薬を飲むことですっかり冬毛のマヌルネコのようにふっくらと体系を戻していた。体は元に戻った。だが魔力は、アリスとの契約前より落ちるくらいか。
「くっ・・・」
ディオと目が合うが、何も言えない。なんだか顔が熱くなっているのがわかる。
「礼は言わん。俺は自分の贖罪のためにやるだけだ」
ぷいっと顔を逸らして俺はついつっけんどんな態度になってしまう。
「レイツォはこれから来る魔族を頼む。私はこいつの相手をする」
ディオはそう言って、再び甲冑の魔族と向き合った。今の今まで本当に何もせずに待っていてくれた甲冑の魔族だった。
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