気だるげ王子の微笑みが見たくて

うかかなむらる

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19.乙女ゲーム部

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 連休明けたよ!
「あ、い、いのり、おはよ。」
「あ、だ、だいきくん、おはよー。」
なんでこのふたりこんなに気まずそうなの!?本を借りただけじゃないのかな……?そしてそして、やっと、佐和田くんの連絡先をゲットしました!連休様様さまさまだね。
「乃希。宿題見せて。」
「怜、それは出来ない。自分でやりやがれ。」
「……ちっ。」
み、見せてあげたいけど……ダメだよね。
「成績は悪くないんだし、宿題くらいちゃんとしろよな。」
あぁ、八神くんがモテる理由が、最近よく分かる。しっかり者で、イケメンで、運動も勉強も出来て、優しくて、お茶目で。そりゃ、みんな好きになりますよ。それでも私は、佐和田くんが不意に魅せる微笑みが大好き。いつもは、他人事には興味なしみたいな顔してるのに、笑った時は、どこかの国の王子様みたい。なんだろう、なんて言うんだろう……ふわって笑うんだよね。それがすごく、魅力的で。
「紗華~、購買部行こ~。」
「はーい。」
私と茉琴は教室と比べて3倍くらいの気温の廊下を歩いた。
「暑~!」
「暑いね。」
「……ねぇねぇ紗華。いのりと八神くん、何かあったのかな??」
す、すごく嬉しそうに……。
「あ、あったんじゃない?気まずそうだったよね。」
「うんうん!……好きって言ったのかなぁ。」
「えっ。」
「八神くんが紗華のこと好きで、紗華には言いにくかったみたいだけど、いのりは八神くんのことが好きなんだよ。」
「あぁ、まぁ。そうだろうねぇ。」
「ねー。あ!てかさ、聞いて!元カレとまだ連絡取り合ってるんだけどさ」
「うん。それはどうかと思うな。」
「えへへ。あ、で、大翔、吹奏楽部なんだけどね、部員の写真を送ってもらったんだけど、イケメンしかいないから見てほしい!」
「マジか。見たいね。」
「教室に携帯あるから、ちょいと待ってね。マジでね、乙女ゲーム部って呼ばれてるだけある!」
「お、乙女ゲーム部?」
「うん。部員全員が男の子かつイケメンだからだって。自分で言うあたり、はっ!」
「やめてやめて怖いわ。」
茉琴は購買部でシャー芯を買って、私はノートなんかを眺めて、教室に戻った。
「ほらほら見て見て!!」
楽しそうに私に携帯画面を見せた。
「……うわうわすごいすごい!クオリティ高い!」
たしかにどの男子もイケメンだった。
「あ、この人好き。」
「あ!この人ね、この人と超絶仲良しなんだって!」
「ほう。あなたの好物ね。」
「うんうんうんうん。ほらだって見て、肩を組んでらっしゃる。」
「良かったねぇ。」
「うむうむむ。」
茉琴は嬉しそうに自分の元カレをどアップにして見せつけた。
「でも一番イケメンでしょ。」
「うん。否定できない。」
「ね。この後輩さん私たちと同い年らしいんだけど、189cmなんだって。超デカイ!」
「それはでっかい!」
それから茉琴に、この吹部のここが沼深い!みたいな話を割と長くされた。

 乃希が小鳥遊さんと目を合わせて照れてる。なんだろうこれは。どういうことだろう。
「乃希。」
「ん?」
「……いや。なんでもない。」
乃希って、けっこう飽き性なのかな。長く一緒に居ても分からないことは結構ある。僕のことをどう思っているのかとか、案外分からない。
「なぁ、怜。」
「ん。」
「見てこれ。」
カバンからごそごそと何かを取り出した。本?
「あのね、この小説にあれが出てきたんだよ。えっと……。」
ページをペラペラとめくる。
「あ!ほら!カトレア!」
「あぁ。10月14日の花。」
「そうそう!あ!俺の日のやつって!」
「よく覚えてたね。」
「怜が教えてくれたもんな~!」
カトレア。そうそう。誕生花なんてのにハマってた時期もあって。周りの人の誕生花をたくさん調べては自慢してた。ちなみに僕は、ハナキリンってやつ。乃希は小説の続きを読み始めた。自由なやつだ。飽き性だと思わせたら今度は、そんなに昔のことを覚えてる。まぁ、そんなとこが好きなんだけどさ。乃希には、幸せになって欲しいと思う。


To be continued…
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