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31.Happy Birthday(2)
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佐和田くんはなんだか落ち着かない様子で、しきりに氷をストローでつついてる。
「あの、さ、瑞木さん。」
「うん?」
佐和田くんはストローから手を離して、かばんの中をのそごそした。そして中から袋を取り出した。胸が高鳴る。まさか、まさか、と期待が膨らむ。
「誕生日おめでとう。少し、日が経っちゃったけど。」
私は震える手で袋を受け取った。
「ありがと……。」
どうしよう。私今、好きな人から誕生日プレゼント貰ってる。なにそれ。そんな贅沢。いいの?付き合ってるわけでもないのに。
「あ、開けていい?」
「うん。大したものじゃないかもだけど。」
テープをピリリと剥がして、中身を取り出す。6色ボールペンと、シャーペン、栞。押し花の栞。
「わぁ、かわいい!」
「コスモスだよ。」
「で、でも。佐和田くん、お花にこんなことするの忍びなかったんじゃない?」
「いや。誰かが喜ぶために使われるなら、花だって嬉しいと思う。花は本来、そういう生物だと思ってるよ。」
そう言って、ふわっと微笑んだ。やっぱり、王子様だ。お花が咲き乱れる広い広いお城で静かに外を眺めている優雅な王子様。どうしてそんなに魅力的な笑顔を咲かせられるのだろう。
「あの、ありがとう。すごく嬉しい。」
「そう?良かった……。あの、それからさ。」
佐和田くんは一度座り直した。
「……お、臆病者で申し訳ないんだけどね、瑞木さんは、僕と、今よりも近い関係になること、望んでる……?」
それは、友達以上の関係、ということだろうか。
「私は、まだ、よく分かってない。これまで、彼氏がいたことってないからさ。」
「えっ、そうなの。」
「うん。だから、どんな感じか分からない。佐和田くんと居るのは、すごく楽しいし……私は、佐和田くんのこと、好き、です。だ、だから、望んでるのかな……そういうことになるのかな?」
「そ、そっか。僕は、瑞木さんに相談したくて。このまま友達のままでも充分楽しいとは思うんだ。でも、僕も一応男だしさ、なんか、変な気持ちを起こすかもしれないじゃん。……手を繋ぎたいとか。そういうことがあった時、瑞木さんはどうして欲しいのかなぁって。」
「私は、佐和田くんのことが好き。ずっと前から好き。仲良くなりたくて代議員にも立候補したし、八神くんとも仲良くなった。今、こんなに仲良くなれてすごく嬉しいよ。ちょっとだけ、満足してるかもしれない。これ以上の関係になるのが、ちょっと怖い気もしてるんだよね。」
あ、あれ、なんか色々言っちゃった。
「そ、そうなの?僕のことそんな前から好きだったの?」
「うん。好きです。」
佐和田くんの耳が真っ赤になって、しばらく停止した。気付いてなかったんだ。かわいらしいなぁ。佐和田くんは不意に自分のレモンティーを持って、ストローを私の口に付けた。反射でくわえてしまう。人って怖いよ。ストローが口に近づいたらくわえちゃう生き物なんだよ。慌てて口から離す。
「な、何してんの!?」
「今どんな気持ち?キモイ?」
「えっ……え?」
「普通、友達でも男子と間接キスしたら気持ち悪いでしょ。」
さっきの気持ちをよく思い出す。
「いや……全然気持ち悪くない。」
頭の中が混乱して、私はそのまま目の前のストローをくわえて、レモンティーを飲んだ。氷の味がした。
「あ、お、お味は。」
「氷が溶けて美味しくない。」
「そ、そうですよね。」
口から身体全体に、ドキドキが伝わっていった。な、ど、なに、何をしてるの私は!?
「瑞木さん。やっぱり僕は、瑞木さんとこれ以上近づくことを望みます。僕と付き合ってください。瑞木さんが花なら、僕はそれを支える茎になりたい。僕を、あなたの茎にしてください。」
佐和田くんは卒業式みたいにきっちりと頭を下げた。
「……。」
しばらく考えた。どうしよう。"はい"って言ったら私は佐和田くんの彼女になるんだよね。念願の。いいんだよね、これ。よし、瑞木紗華。覚悟を決めます。
「はい。私はあなたの花になります。」
「あっ、よ、よろしくお願いします。」
握手を求められ、思わず手を握る。いや、会見なのかな?何かの契約??
「も、もしかしてだけど、佐和田くんって彼女がいたことないの?」
「うん。初彼女、今頂いた。」
「あっ、そ、そうでございますか。」
「はい。そうでござる。」
やめてやめて、真顔でそんなこと言うの。私が吹き出すと、佐和田くんは不思議そうに瞬きしていた。滅多に笑わない冷酷王子様だと思っていた彼は、実はお花の王子服を身にまとった、天然ものの生類憐みの怜王子様なのかもしれません。
「じ、じゃあ、そ、そのうち、すぐじゃないかもだけど、瑞木さんのこと、さ……さ……。」
お、お?
「何が言いたいの、怜くん?」
「さっ、あ、れ、怜くん……あの、さ、紗華って、呼んでもいい?」
「うん、いいよ。」
ぴ、ピュアだ……!
To be continued…
「あの、さ、瑞木さん。」
「うん?」
佐和田くんはストローから手を離して、かばんの中をのそごそした。そして中から袋を取り出した。胸が高鳴る。まさか、まさか、と期待が膨らむ。
「誕生日おめでとう。少し、日が経っちゃったけど。」
私は震える手で袋を受け取った。
「ありがと……。」
どうしよう。私今、好きな人から誕生日プレゼント貰ってる。なにそれ。そんな贅沢。いいの?付き合ってるわけでもないのに。
「あ、開けていい?」
「うん。大したものじゃないかもだけど。」
テープをピリリと剥がして、中身を取り出す。6色ボールペンと、シャーペン、栞。押し花の栞。
「わぁ、かわいい!」
「コスモスだよ。」
「で、でも。佐和田くん、お花にこんなことするの忍びなかったんじゃない?」
「いや。誰かが喜ぶために使われるなら、花だって嬉しいと思う。花は本来、そういう生物だと思ってるよ。」
そう言って、ふわっと微笑んだ。やっぱり、王子様だ。お花が咲き乱れる広い広いお城で静かに外を眺めている優雅な王子様。どうしてそんなに魅力的な笑顔を咲かせられるのだろう。
「あの、ありがとう。すごく嬉しい。」
「そう?良かった……。あの、それからさ。」
佐和田くんは一度座り直した。
「……お、臆病者で申し訳ないんだけどね、瑞木さんは、僕と、今よりも近い関係になること、望んでる……?」
それは、友達以上の関係、ということだろうか。
「私は、まだ、よく分かってない。これまで、彼氏がいたことってないからさ。」
「えっ、そうなの。」
「うん。だから、どんな感じか分からない。佐和田くんと居るのは、すごく楽しいし……私は、佐和田くんのこと、好き、です。だ、だから、望んでるのかな……そういうことになるのかな?」
「そ、そっか。僕は、瑞木さんに相談したくて。このまま友達のままでも充分楽しいとは思うんだ。でも、僕も一応男だしさ、なんか、変な気持ちを起こすかもしれないじゃん。……手を繋ぎたいとか。そういうことがあった時、瑞木さんはどうして欲しいのかなぁって。」
「私は、佐和田くんのことが好き。ずっと前から好き。仲良くなりたくて代議員にも立候補したし、八神くんとも仲良くなった。今、こんなに仲良くなれてすごく嬉しいよ。ちょっとだけ、満足してるかもしれない。これ以上の関係になるのが、ちょっと怖い気もしてるんだよね。」
あ、あれ、なんか色々言っちゃった。
「そ、そうなの?僕のことそんな前から好きだったの?」
「うん。好きです。」
佐和田くんの耳が真っ赤になって、しばらく停止した。気付いてなかったんだ。かわいらしいなぁ。佐和田くんは不意に自分のレモンティーを持って、ストローを私の口に付けた。反射でくわえてしまう。人って怖いよ。ストローが口に近づいたらくわえちゃう生き物なんだよ。慌てて口から離す。
「な、何してんの!?」
「今どんな気持ち?キモイ?」
「えっ……え?」
「普通、友達でも男子と間接キスしたら気持ち悪いでしょ。」
さっきの気持ちをよく思い出す。
「いや……全然気持ち悪くない。」
頭の中が混乱して、私はそのまま目の前のストローをくわえて、レモンティーを飲んだ。氷の味がした。
「あ、お、お味は。」
「氷が溶けて美味しくない。」
「そ、そうですよね。」
口から身体全体に、ドキドキが伝わっていった。な、ど、なに、何をしてるの私は!?
「瑞木さん。やっぱり僕は、瑞木さんとこれ以上近づくことを望みます。僕と付き合ってください。瑞木さんが花なら、僕はそれを支える茎になりたい。僕を、あなたの茎にしてください。」
佐和田くんは卒業式みたいにきっちりと頭を下げた。
「……。」
しばらく考えた。どうしよう。"はい"って言ったら私は佐和田くんの彼女になるんだよね。念願の。いいんだよね、これ。よし、瑞木紗華。覚悟を決めます。
「はい。私はあなたの花になります。」
「あっ、よ、よろしくお願いします。」
握手を求められ、思わず手を握る。いや、会見なのかな?何かの契約??
「も、もしかしてだけど、佐和田くんって彼女がいたことないの?」
「うん。初彼女、今頂いた。」
「あっ、そ、そうでございますか。」
「はい。そうでござる。」
やめてやめて、真顔でそんなこと言うの。私が吹き出すと、佐和田くんは不思議そうに瞬きしていた。滅多に笑わない冷酷王子様だと思っていた彼は、実はお花の王子服を身にまとった、天然ものの生類憐みの怜王子様なのかもしれません。
「じ、じゃあ、そ、そのうち、すぐじゃないかもだけど、瑞木さんのこと、さ……さ……。」
お、お?
「何が言いたいの、怜くん?」
「さっ、あ、れ、怜くん……あの、さ、紗華って、呼んでもいい?」
「うん、いいよ。」
ぴ、ピュアだ……!
To be continued…
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