気だるげ王子の微笑みが見たくて

うかかなむらる

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34.新しい芽吹き

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 翌日。再び、瑞木宅。午前11時。昨日は佐和田くんとは特に何もありませんでした。無駄話をして時が過ぎました。はい。
「今日はだいきくんが、怜に宿題をやらせないといよいよやべぇ!!って言ってたから、多分大丈夫~!」
「あー、言ってた。乃希が怖いから今日は遊べない。めんご。って来た。」
「そんな愉快な人なの!?」
「そうなんだよ~!佐和田くんって意外と面白い人みたい。」
「へぇ、意外だぁ。」
茉琴が膝を打った。
「お、ど、どうした、大丈夫?」
「え、痛い。」
「何か思い出したの?」
「あっ、そうそう!爽亮くん居る?」
「まだ寝てると思うけど。あ、そういえば昨日、爽亮の友達を助けてくれたらしいね。ありがとう。」
茉琴の目が泳ぐ。ど、どうした?
「そ、そうなのそうなの。」
「あらぁ、まこちゃん大活躍でしたのね!」
「いや、あ、あの、うん。」
おかしいぞ~、この子。いのりちゃん、にやり。
「まこちゃん!抵抗しても無駄ですの!」
「なんかあるなら言ってよ~♡」
「い、いやぁ。あの、そのお友達が帽子を忘れて帰っちゃって、返したいなぁって。紗華、返しててくれる?」
「いや、私は知らん子。爽亮に連絡先聞きなよ。」
「さやちゃんは今日もドライ。」
「えぇ、れ、連絡先。爽亮くんに頼めばいいんだよね!」
「いいや、連絡先を聞けばいいんだよぉ。」
いのりちゃんは悪戯いたずらな笑みを浮かべた。
「茉琴、乙女の顔になってる。」
「早乙女だけに。」
「……いのりちゃん、黙らっしゃい。」
いのりちゃん、てへっ。茉琴はおずおずと話し出した。
「そ、その子、彪人くんっていうんだけどさ……。」
言いよどむ茉琴。もじもじ茉琴。珍しい、こんなに女子な茉琴!
「ひ、一目惚れって、ほんとにするものなんだね……。」
「一目惚れ!?」
「HITOMEBORE!?」
「……いのりちゃん、黙らっしゃい。」
「えへへ!まこちゃん、一目惚れしたの?」
「う、うん。」
「その、彪人くんって子に?」
「うん。初めて会って、好きになるって、一目惚れって事だよね。」
「まぁ、そうなのかな?」
「まこちゃんは多感な女の子ですなぁ。」
「ねー、ほんと。どんな感じの子だったの?」
「あのね、なんか……なんだろう……。」
赤くなった!?
「で、でもさ、3つも年下じゃん!相手にされないよねぇ……。」
「分かんないよ~、それは。」
「最近の子はませてるしねぇ。」
「う、うぅ……。」
顔を両手で覆う茉琴。私といのりちゃんは近寄ってよしよしってした。
「す、すごいよね、初めて会ったのに、顔を思い出すだけで、ドキドキする。」
前の彼氏の時はそんなこと微塵も言ってなかったから、というか私たちにら隠してたから、今回は純粋な感じの恋心なのかもね。
「あ、爽亮起きたんじゃない?呼んでくるね!」
部屋を出て、リビングに向かった。起きたばかりの爽亮が眠そうに卵かけご飯を食べてる。
「おはよー。」
「……ん。」
朝の爽亮はマジで無愛想。このくらいの方がかわいい気もするけど。
「茉琴が用事があるって。ご飯食べ終わったら紗華の部屋に来てね~。」
「ん。……あ、あやがさ、また会いたいって言ってたって言っといて。」
「お、り、了解。」
部屋に戻る。
「彪人くんがまた会いたいって言ってたってさ。」
「ええええ。」
「爽亮、朝ごはん食べ終わったらここに来てくれるよ。」
茉琴はそわそわしていた。20分後、爽亮が入ってくる。
「あーこんちゃー。」
「やっほー。」
「昨日ぶり!」
「用事って?」
爽亮が茉琴の隣に腰を下ろす。
「あの……あ、彪人くんの連絡先を教えて欲しいなぁって。」
「お、いいよ。」
爽亮はポケットから携帯を取り出してちょちょいと茉琴に連絡先を送った。
「ありがとう。」
「いいえ。じゃ。」
爽亮は颯爽と部屋を出ていった。何が"じゃ。"よ、カッコつけちゃって!
「こここここれでいいかな。」
『やっほ!この間の早乙女茉琴です!爽亮くんに連絡先を貰ったよ。帽子忘れてたよ!今私が持ってる!』
「いいんじゃない、いいんじゃない!」
「送っちゃえい!」
送った瞬間、既読がついた。早い!!
「あ、ど、どうしよう、もう既読ついた。」
そして『おー、やっほー!御手洗彪人です。やっぱ帽子忘れてたか!えー、じゃあさ、帽子ついでに遊ぼーよ!もっとちゃんと話したいし。』って返ってくる。やっぱり最近の若い子はませてる。
「えええええどうしよおぉおお!?」
「遊びに行くっきゃない!茉琴は年上なんだから、大きい心で自信を持っていきなさい!」
「そうだよぉ!」
「う、うん。ありがとう……。」
茉琴の心臓の、どこどこどこって音が聞こえてきた。


To be continued…
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