気だるげ王子の微笑みが見たくて

うかかなむらる

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36.おちょくり

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 いよいよこの日がやってきました。御手洗彪人くんと再会の日。珍しくオシャレしたあたしは、震える足で集合時間のこの間の公園まで歩いていった。集合場所には既に彪人くんが着いていた。
「あっ、ごめん、お待たせ。」
「いいえ。早く着きすぎただけです。」
「な、なんで敬語?」
「一応、年下だなぁと思って。」
「い、いいよ、タメで。」
「そう?」
「うんうん。その方があたしも話しやすい。」
「じゃ、そーする。」
この間は気が動転していて気が付かなかったけど、彪人くんはあたしより少し背が高い。
「御手洗くん、身長何センチ?」
「165くらいかな?御手洗くんなんてやめてよ。あんま好きじゃないんだから。」
「そうなの?じゃあ、彪人くん。」
「うん、それがいい。」
彪人くんはそう言ってはにかんだ。
「あっ、帽子。」
あたしは帽子を返した。
「ありがと。綺麗な手だね。やっぱり高校生だからかなぁ。」
彪人くんは私の手を持ってそう言った。ひぇえ!?
「そ、そうかな。」
「ねぇ、お腹空いた?」
「うん。」
「じゃあ、そこのパスタ屋さんでいい?」
「あっ、うん。」
あたしの手を握って歩き出した。
「手、繋いでていい?柔らかいから触ってたい。」
「えっ、うん、い、いいよ。」
な、なんだこの子!?どストライクなんだけど……!?あっ、こ、恋人繋ぎされた。手、大きいなぁ。
「茉琴ちゃん、何歳だっけ。」
「16だよ。」
「16かぁ。おれ14歳なんだけどさ、どう思う?」
「な、何が?」
「若さ。」
「わ、若いんじゃない?」
「そっかー……。」
ど、どういうこと?あたしたちはパスタ屋さんに入って向き合って座った。今どきの中学生はお友達と遊ぶ時にパスタを食べるの!?
「何がいい?」
「あたし?彪人くんから決めていいよ。」
「うーん、じゃあ……ペペロンチーノ。」
「えっ、辛いよ?」
「食べられるよ。茉琴ちゃんは?」
「うーん……きのこの和風パスタで。」
「おれ頼むね。すみませーん。」
な、なんてませてるんだ。
「ペペロンチーノときのこの和風パスタをお願いします。」
「かしこまりました。」
よく見たら、綺麗なお顔。まだ幼さが残ってるけど、将来イケメンになりそう。
「なんでそんな見てるの。」
「えっ、あ、ごめん。」
「爽亮とは何知り合い?」
「あたしの友達の弟くんなの。」
「へ~。茉琴ちゃんは何が好きなの?」
「好きな物?うーん……漫画はよく読むよ。あとは、い、イケメンが好き。なんて。」
「へー。彼氏いるの?」
「居たんだけどねぇ、別れちゃったんだ。」
「ふーん。じゃあ今は居ない?」
「うん。いないよ。」
「じゃあ、おれと付き合ってよ。」
「え。い、いやぁ、3つも離れてるし……。」
「そー?ま、冗談だけど。」
「な、なによ。年上をからかわないでよ!ちょっと本気にしたじゃん!」
「えー、マジ?」
……!?な、何、今の妖艶な笑み!?
「あれ、赤いよ、茉琴ちゃん。本気にしたんだー?」
「も、もう!」
目を合わせたらもてあそばれそうで、あたしは俯いてしまった。やがて、パスタが来た。
「茉琴ちゃん、こっち見てよ。さみしーじゃん。怒ったの?」
「お、怒ってない。」
「ふーん?」
「た、食べよ。」
「うん。」
しばらく、無言でパスタを食べていた。
「ペペロンチーノ、美味しそうだね。」
「いる?」
「えっ。」
「はい、あーん。」
思わず素直に口を開けてしまった。
「っふふ、かわいー。」
口の手前で止めて、結局あたしには食べさせてくれなかった。
「えっ……くれないの?」
「うん、あーげない。」
悪戯に微笑む彪人くん。ど、どうしよう……ドキドキが止まらない。こういうちょっとSな人ほんとに好きなんだけど。
「じゃあ、茉琴ちゃんのやつ1口ちょーだい。」
「うん、いいよ。」
お皿を渡すと、彪人くんは1口ぱくっと食べた。
「ん、美味しい。」
「んね。」

 パスタ屋さんの後は、近くのショッピングモールでぷらぷらした。
「あ、新刊出てるー。」
「好きなの?このシリーズ。」
「うん。でも8巻だけ図書館に無くてさ。」
「あら。売ってるよ?」
「お金はさっきのパスタで無くなっちゃった。」
「あらら。お姉さんが買ってあげようか?」
「いいよ、そんな。」
本を真剣に見てる彪人くんの横顔を見ながら、思い巡らせた。この子はあたしのことをおちょくって楽しんでるだけなのかな。やっぱり高2なんて、おばさんなのかな。
「ね、なんでそんなに見てんの。好きなの、おれのこと。」
「え、あ、いや。」
「っふ、かわいーねぇ。」
えっ、イケメンすぎる……。
「茉琴ちゃん、次はどこ行く?」
彪人くんはあたしの腰を抱いて歩き出した。んんんん!?!?近いよぉおお!?


To be continued…
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