36 / 42
36.おちょくり
しおりを挟む
いよいよこの日がやってきました。御手洗彪人くんと再会の日。珍しくオシャレしたあたしは、震える足で集合時間のこの間の公園まで歩いていった。集合場所には既に彪人くんが着いていた。
「あっ、ごめん、お待たせ。」
「いいえ。早く着きすぎただけです。」
「な、なんで敬語?」
「一応、年下だなぁと思って。」
「い、いいよ、タメで。」
「そう?」
「うんうん。その方があたしも話しやすい。」
「じゃ、そーする。」
この間は気が動転していて気が付かなかったけど、彪人くんはあたしより少し背が高い。
「御手洗くん、身長何センチ?」
「165くらいかな?御手洗くんなんてやめてよ。あんま好きじゃないんだから。」
「そうなの?じゃあ、彪人くん。」
「うん、それがいい。」
彪人くんはそう言ってはにかんだ。
「あっ、帽子。」
あたしは帽子を返した。
「ありがと。綺麗な手だね。やっぱり高校生だからかなぁ。」
彪人くんは私の手を持ってそう言った。ひぇえ!?
「そ、そうかな。」
「ねぇ、お腹空いた?」
「うん。」
「じゃあ、そこのパスタ屋さんでいい?」
「あっ、うん。」
あたしの手を握って歩き出した。
「手、繋いでていい?柔らかいから触ってたい。」
「えっ、うん、い、いいよ。」
な、なんだこの子!?どストライクなんだけど……!?あっ、こ、恋人繋ぎされた。手、大きいなぁ。
「茉琴ちゃん、何歳だっけ。」
「16だよ。」
「16かぁ。おれ14歳なんだけどさ、どう思う?」
「な、何が?」
「若さ。」
「わ、若いんじゃない?」
「そっかー……。」
ど、どういうこと?あたしたちはパスタ屋さんに入って向き合って座った。今どきの中学生はお友達と遊ぶ時にパスタを食べるの!?
「何がいい?」
「あたし?彪人くんから決めていいよ。」
「うーん、じゃあ……ペペロンチーノ。」
「えっ、辛いよ?」
「食べられるよ。茉琴ちゃんは?」
「うーん……きのこの和風パスタで。」
「おれ頼むね。すみませーん。」
な、なんてませてるんだ。
「ペペロンチーノときのこの和風パスタをお願いします。」
「かしこまりました。」
よく見たら、綺麗なお顔。まだ幼さが残ってるけど、将来イケメンになりそう。
「なんでそんな見てるの。」
「えっ、あ、ごめん。」
「爽亮とは何知り合い?」
「あたしの友達の弟くんなの。」
「へ~。茉琴ちゃんは何が好きなの?」
「好きな物?うーん……漫画はよく読むよ。あとは、い、イケメンが好き。なんて。」
「へー。彼氏いるの?」
「居たんだけどねぇ、別れちゃったんだ。」
「ふーん。じゃあ今は居ない?」
「うん。いないよ。」
「じゃあ、おれと付き合ってよ。」
「え。い、いやぁ、3つも離れてるし……。」
「そー?ま、冗談だけど。」
「な、なによ。年上をからかわないでよ!ちょっと本気にしたじゃん!」
「えー、マジ?」
……!?な、何、今の妖艶な笑み!?
「あれ、赤いよ、茉琴ちゃん。本気にしたんだー?」
「も、もう!」
目を合わせたら弄ばれそうで、あたしは俯いてしまった。やがて、パスタが来た。
「茉琴ちゃん、こっち見てよ。さみしーじゃん。怒ったの?」
「お、怒ってない。」
「ふーん?」
「た、食べよ。」
「うん。」
しばらく、無言でパスタを食べていた。
「ペペロンチーノ、美味しそうだね。」
「いる?」
「えっ。」
「はい、あーん。」
思わず素直に口を開けてしまった。
「っふふ、かわいー。」
口の手前で止めて、結局あたしには食べさせてくれなかった。
「えっ……くれないの?」
「うん、あーげない。」
悪戯に微笑む彪人くん。ど、どうしよう……ドキドキが止まらない。こういうちょっとSな人ほんとに好きなんだけど。
「じゃあ、茉琴ちゃんのやつ1口ちょーだい。」
「うん、いいよ。」
お皿を渡すと、彪人くんは1口ぱくっと食べた。
「ん、美味しい。」
「んね。」
パスタ屋さんの後は、近くのショッピングモールでぷらぷらした。
「あ、新刊出てるー。」
「好きなの?このシリーズ。」
「うん。でも8巻だけ図書館に無くてさ。」
「あら。売ってるよ?」
「お金はさっきのパスタで無くなっちゃった。」
「あらら。お姉さんが買ってあげようか?」
「いいよ、そんな。」
本を真剣に見てる彪人くんの横顔を見ながら、思い巡らせた。この子はあたしのことをおちょくって楽しんでるだけなのかな。やっぱり高2なんて、おばさんなのかな。
「ね、なんでそんなに見てんの。好きなの、おれのこと。」
「え、あ、いや。」
「っふ、かわいーねぇ。」
えっ、イケメンすぎる……。
「茉琴ちゃん、次はどこ行く?」
彪人くんはあたしの腰を抱いて歩き出した。んんんん!?!?近いよぉおお!?
To be continued…
「あっ、ごめん、お待たせ。」
「いいえ。早く着きすぎただけです。」
「な、なんで敬語?」
「一応、年下だなぁと思って。」
「い、いいよ、タメで。」
「そう?」
「うんうん。その方があたしも話しやすい。」
「じゃ、そーする。」
この間は気が動転していて気が付かなかったけど、彪人くんはあたしより少し背が高い。
「御手洗くん、身長何センチ?」
「165くらいかな?御手洗くんなんてやめてよ。あんま好きじゃないんだから。」
「そうなの?じゃあ、彪人くん。」
「うん、それがいい。」
彪人くんはそう言ってはにかんだ。
「あっ、帽子。」
あたしは帽子を返した。
「ありがと。綺麗な手だね。やっぱり高校生だからかなぁ。」
彪人くんは私の手を持ってそう言った。ひぇえ!?
「そ、そうかな。」
「ねぇ、お腹空いた?」
「うん。」
「じゃあ、そこのパスタ屋さんでいい?」
「あっ、うん。」
あたしの手を握って歩き出した。
「手、繋いでていい?柔らかいから触ってたい。」
「えっ、うん、い、いいよ。」
な、なんだこの子!?どストライクなんだけど……!?あっ、こ、恋人繋ぎされた。手、大きいなぁ。
「茉琴ちゃん、何歳だっけ。」
「16だよ。」
「16かぁ。おれ14歳なんだけどさ、どう思う?」
「な、何が?」
「若さ。」
「わ、若いんじゃない?」
「そっかー……。」
ど、どういうこと?あたしたちはパスタ屋さんに入って向き合って座った。今どきの中学生はお友達と遊ぶ時にパスタを食べるの!?
「何がいい?」
「あたし?彪人くんから決めていいよ。」
「うーん、じゃあ……ペペロンチーノ。」
「えっ、辛いよ?」
「食べられるよ。茉琴ちゃんは?」
「うーん……きのこの和風パスタで。」
「おれ頼むね。すみませーん。」
な、なんてませてるんだ。
「ペペロンチーノときのこの和風パスタをお願いします。」
「かしこまりました。」
よく見たら、綺麗なお顔。まだ幼さが残ってるけど、将来イケメンになりそう。
「なんでそんな見てるの。」
「えっ、あ、ごめん。」
「爽亮とは何知り合い?」
「あたしの友達の弟くんなの。」
「へ~。茉琴ちゃんは何が好きなの?」
「好きな物?うーん……漫画はよく読むよ。あとは、い、イケメンが好き。なんて。」
「へー。彼氏いるの?」
「居たんだけどねぇ、別れちゃったんだ。」
「ふーん。じゃあ今は居ない?」
「うん。いないよ。」
「じゃあ、おれと付き合ってよ。」
「え。い、いやぁ、3つも離れてるし……。」
「そー?ま、冗談だけど。」
「な、なによ。年上をからかわないでよ!ちょっと本気にしたじゃん!」
「えー、マジ?」
……!?な、何、今の妖艶な笑み!?
「あれ、赤いよ、茉琴ちゃん。本気にしたんだー?」
「も、もう!」
目を合わせたら弄ばれそうで、あたしは俯いてしまった。やがて、パスタが来た。
「茉琴ちゃん、こっち見てよ。さみしーじゃん。怒ったの?」
「お、怒ってない。」
「ふーん?」
「た、食べよ。」
「うん。」
しばらく、無言でパスタを食べていた。
「ペペロンチーノ、美味しそうだね。」
「いる?」
「えっ。」
「はい、あーん。」
思わず素直に口を開けてしまった。
「っふふ、かわいー。」
口の手前で止めて、結局あたしには食べさせてくれなかった。
「えっ……くれないの?」
「うん、あーげない。」
悪戯に微笑む彪人くん。ど、どうしよう……ドキドキが止まらない。こういうちょっとSな人ほんとに好きなんだけど。
「じゃあ、茉琴ちゃんのやつ1口ちょーだい。」
「うん、いいよ。」
お皿を渡すと、彪人くんは1口ぱくっと食べた。
「ん、美味しい。」
「んね。」
パスタ屋さんの後は、近くのショッピングモールでぷらぷらした。
「あ、新刊出てるー。」
「好きなの?このシリーズ。」
「うん。でも8巻だけ図書館に無くてさ。」
「あら。売ってるよ?」
「お金はさっきのパスタで無くなっちゃった。」
「あらら。お姉さんが買ってあげようか?」
「いいよ、そんな。」
本を真剣に見てる彪人くんの横顔を見ながら、思い巡らせた。この子はあたしのことをおちょくって楽しんでるだけなのかな。やっぱり高2なんて、おばさんなのかな。
「ね、なんでそんなに見てんの。好きなの、おれのこと。」
「え、あ、いや。」
「っふ、かわいーねぇ。」
えっ、イケメンすぎる……。
「茉琴ちゃん、次はどこ行く?」
彪人くんはあたしの腰を抱いて歩き出した。んんんん!?!?近いよぉおお!?
To be continued…
0
あなたにおすすめの小説
マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった
naomikoryo
恋愛
【♪♪♪第19回恋愛小説大賞 参加作品♪♪♪ 本編開始しました!!】【♪♪ 毎日、朝5時・昼12時・夕17時 更新予定 ♪♪ 応援、投票よろしくお願いします(^^) ♪♪】
出会いサイトで“理想の異性”を演じた二人。
マッチ率100%の会話は、マッチアプリだけで一か月続いていく。
会ったことも、声を聞いたこともないのに、心だけが先に近づいてしまった。
――でも、君は彼女で、私は彼だった。
嘘から始まったのに、気持ちだけは嘘じゃなかった。
百貨店の喧騒と休憩室の静けさの中で、すれ違いはやがて現実になる。
“会う”じゃなく、“見つける”恋の行方を、あなたも覗いてみませんか。
うわさの行方
下沢翠花(しもざわすいか)
恋愛
まだ十歳で結婚したセシリア。
すぐに戦場へ行ってしまった夫のニールスは優しい人だった。
戦場から帰るまでは。
三年ぶりにあったニールスは、なぜかセシリアを遠ざける。
ニールスの素っ気ない態度に傷つき疲弊していくセシリアは謂れのない酷い噂に追い詰められて行く。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
あざとさを捨てた令嬢は、若き公爵に溺愛される
古紫汐桜
恋愛
婚約者の裏切りを目撃し、命を落とした“私”が目を覚ましたのは、
見知らぬ貴族令嬢の身体の中だった。
そこは、誰かの悪意によって評判を地に落とした世界。
かつて“あざとさ”で生きていた彼女の代わりに、
私はその人生を引き受けることになる。
もう、首を揺らして媚びる生き方はしない。
そう決めた瞬間から、運命は静かに歪み始めた。
冷酷と噂される若公爵ユリエル。
彼もまた、自らの運命に抗い続けてきた男だった。
そんな彼が、私にだけ見せた執着と溺愛。
選び直した生き方の先で待っていたのは、
溺れるほどの愛だった。
あざとさを捨てた令嬢と、運命に翻弄される若公爵。
これは、“やり直し”では終わらない、致命的な恋の物語。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
あなたの片想いを聞いてしまった夜
柴田はつみ
恋愛
「『好きな人がいる』——その一言で、私の世界は音を失った。」
公爵令嬢リリアーヌの初恋は、隣家の若き公爵アレクシスだった。
政務や領地行事で顔を合わせるたび、言葉少なな彼の沈黙さえ、彼女には優しさに聞こえた。——毎日会える。それだけで十分幸せだと信じていた。
しかしある日、回廊の陰で聞いてしまう。
「好きな人がいる。……片想いなんだ」
名前は出ない。だから、リリアーヌの胸は残酷に結論を作る。自分ではないのだ、と。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる