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38.彼女と元彼、どっちが大事なの
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さて。お久しぶりです。ずいぶん長いこと、作者に放置されたものです。いや、誰だ作者って。
夏休みはとうの昔に終わり、二学期も始まり、体育祭も終え、中間考査も終わった今日この頃。次来るのは、修学旅行です。
「修学旅行ってさ、男女別の部屋だよね。」
「そりゃそうだね。」
「だよねぇ。」
10月になって席替えをしたんですが、どういう風の吹き回しか、私と怜くんは隣の席になった。休み時間は動かずとも喋れる。
「乃希とは同じ部屋になれるかな。」
「自由だといいね。」
私も、3人部屋を所望するよ。ちょうど前を通りかかった八神くんにちょっかいを出す怜くん。
「なっ、なんだぁ!」
「今日は珍しく眠そうだから。」
「そーなんだよ。漢検の勉強を遅くまでしててさ。」
「ふーん。」
このふたりは、最近おかしい。お互いの距離感をどうしたらいいのか分からなくて、どっちも困ってる。
「さやかさやかさやかさやか!」
騒音が近づいてきた。
「なに。」
「見て。」
「うん。」
「アニメ化。」
「おめでとうございます。」
茉琴の嬉しげなガッツポーズ。ずっと応援していた漫画がアニメ化するらしい。
「声がつくよ動くよ……。」
「よかったね。」
「うん……!」
ところで、この子は彪人くんとはどうなったんだろう。
「大翔に彼氏できないかなぁ。日々に刺激が足りないのさ。」
「うん……自分で何か起こしなよ、それは。」
「うーん?うーん……うむむ……。」
この感じは、進展がないんだね。茉琴は唸りながら自分の席に戻った。新しい席は茉琴といのりちゃんも席が近いんだよね。
「ね、紗華。」
「ん?」
「次の時間、ペア学習だよね。」
「そうだね。」
「へへ。」
んなっ……!?付き合ってみて分かったことだけど、別に怜くんはあんまり笑わない人っていうわけではない。しかし、どの笑顔もかわいいし素敵。
そんなわけで、授業が始まった。
「隣と協力してプリントを完成させてください。授業の最後に発表~。」
怜くんはルンルンした様子で教科書を開く。植物に関する説明文だから、なおさら嬉しいみたい。と思ったら、ふと動きが止まった。斜め前を見つめてる。視線の先には、うとうとする八神くんと、それを起こす隣の女子。
「……大丈夫かな。」
「八神くん?」
「……あんなの珍しいし。」
怜くんってさぁ、ほんとに八神くんのこと大好きだよね。八神くんのことばっかり見てる。
「……プリント進めようよ。」
「あ、ごめん。」
八神くんから目を逸らし、プリントに視線を戻す。でも全然、集中できてない。もう付き合って2ヶ月くらいだけど、不安になる。私のこと好きなの?って。私より八神くんの方が大切じゃん。
「紗華?」
「ごめん、なに?」
「いや、なんか考え事?」
「うーん、まぁ。」
「だ、大丈夫?」
優しい……。私はこんなに好きなのに。
「八神くん、眠いなら顔洗ってきなさい。」
ビクッてした八神くんに怜くんがびっくりした。心配そうに眉尻を下げる。
「そんなに心配なら、休み時間に聞いてみな。」
「うん……。」
素直で嘘がなくて、綺麗な心なんだなぁと思う。中学校の時に付き合ってたって話がふと思い出される。恋人っぽいこともしたかったなぁってことは、したことないってことだよね。うーん……複雑。
授業終了。私たちはあの後、さっさとプリントを済ませ、無駄話をしていた。先生に睨まれた。怜くんは挨拶が終わると同時に八神くんのところに行く。私は、そっと耳をすませる。
「だ、乃希、大丈夫?」
「大丈夫って?」
「体調が悪いの?」
「えぇ?普通だよ。」
とろんとした瞳でそう言う。
「っくしゅ。」
八神くんのくしゃみをアセアセと見つめる。
「風邪?」
「んー、違うー。」
ずびーっと鼻水をすすった。
「かみなよ。」
「ん。」
自分のポケットからティッシュを取り出し、八神くんの鼻を拭く。
「自分でできる。」
「分かってるよそんなの。」
け、喧嘩腰……。
「っくしゅ!」
ふらっとした八神くんを抱きしめた。
「ななななになに」
「風邪?」
「……花粉症。……薬の副作用で眠いだけ。」
あの人たち付き合ってんのかな。……違うね。
To be continued…
夏休みはとうの昔に終わり、二学期も始まり、体育祭も終え、中間考査も終わった今日この頃。次来るのは、修学旅行です。
「修学旅行ってさ、男女別の部屋だよね。」
「そりゃそうだね。」
「だよねぇ。」
10月になって席替えをしたんですが、どういう風の吹き回しか、私と怜くんは隣の席になった。休み時間は動かずとも喋れる。
「乃希とは同じ部屋になれるかな。」
「自由だといいね。」
私も、3人部屋を所望するよ。ちょうど前を通りかかった八神くんにちょっかいを出す怜くん。
「なっ、なんだぁ!」
「今日は珍しく眠そうだから。」
「そーなんだよ。漢検の勉強を遅くまでしててさ。」
「ふーん。」
このふたりは、最近おかしい。お互いの距離感をどうしたらいいのか分からなくて、どっちも困ってる。
「さやかさやかさやかさやか!」
騒音が近づいてきた。
「なに。」
「見て。」
「うん。」
「アニメ化。」
「おめでとうございます。」
茉琴の嬉しげなガッツポーズ。ずっと応援していた漫画がアニメ化するらしい。
「声がつくよ動くよ……。」
「よかったね。」
「うん……!」
ところで、この子は彪人くんとはどうなったんだろう。
「大翔に彼氏できないかなぁ。日々に刺激が足りないのさ。」
「うん……自分で何か起こしなよ、それは。」
「うーん?うーん……うむむ……。」
この感じは、進展がないんだね。茉琴は唸りながら自分の席に戻った。新しい席は茉琴といのりちゃんも席が近いんだよね。
「ね、紗華。」
「ん?」
「次の時間、ペア学習だよね。」
「そうだね。」
「へへ。」
んなっ……!?付き合ってみて分かったことだけど、別に怜くんはあんまり笑わない人っていうわけではない。しかし、どの笑顔もかわいいし素敵。
そんなわけで、授業が始まった。
「隣と協力してプリントを完成させてください。授業の最後に発表~。」
怜くんはルンルンした様子で教科書を開く。植物に関する説明文だから、なおさら嬉しいみたい。と思ったら、ふと動きが止まった。斜め前を見つめてる。視線の先には、うとうとする八神くんと、それを起こす隣の女子。
「……大丈夫かな。」
「八神くん?」
「……あんなの珍しいし。」
怜くんってさぁ、ほんとに八神くんのこと大好きだよね。八神くんのことばっかり見てる。
「……プリント進めようよ。」
「あ、ごめん。」
八神くんから目を逸らし、プリントに視線を戻す。でも全然、集中できてない。もう付き合って2ヶ月くらいだけど、不安になる。私のこと好きなの?って。私より八神くんの方が大切じゃん。
「紗華?」
「ごめん、なに?」
「いや、なんか考え事?」
「うーん、まぁ。」
「だ、大丈夫?」
優しい……。私はこんなに好きなのに。
「八神くん、眠いなら顔洗ってきなさい。」
ビクッてした八神くんに怜くんがびっくりした。心配そうに眉尻を下げる。
「そんなに心配なら、休み時間に聞いてみな。」
「うん……。」
素直で嘘がなくて、綺麗な心なんだなぁと思う。中学校の時に付き合ってたって話がふと思い出される。恋人っぽいこともしたかったなぁってことは、したことないってことだよね。うーん……複雑。
授業終了。私たちはあの後、さっさとプリントを済ませ、無駄話をしていた。先生に睨まれた。怜くんは挨拶が終わると同時に八神くんのところに行く。私は、そっと耳をすませる。
「だ、乃希、大丈夫?」
「大丈夫って?」
「体調が悪いの?」
「えぇ?普通だよ。」
とろんとした瞳でそう言う。
「っくしゅ。」
八神くんのくしゃみをアセアセと見つめる。
「風邪?」
「んー、違うー。」
ずびーっと鼻水をすすった。
「かみなよ。」
「ん。」
自分のポケットからティッシュを取り出し、八神くんの鼻を拭く。
「自分でできる。」
「分かってるよそんなの。」
け、喧嘩腰……。
「っくしゅ!」
ふらっとした八神くんを抱きしめた。
「ななななになに」
「風邪?」
「……花粉症。……薬の副作用で眠いだけ。」
あの人たち付き合ってんのかな。……違うね。
To be continued…
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