アニヲタとドルヲタ

アニドル9『その後の2人』

   次の日から、テレビの撮影の他にライブについての仕事が追加された。ライブが決まれば曲の順番、衣装、セット……色々とすることがある。雲母はドラマの宣伝のためテレビの撮影も急激に増え、この上ない多忙さの中で生きていた。雲母の唯一の癒しは家に帰ったらいつも出迎えてくれる彼女(犬)だそうだ。ところで、蓼丸と麗亜だが、それぞれ全く暇ではないので夜にリャインのやり取りをするくらいだ。特に進展もない。ただ、リャインをしているときは幸せで幸せでたまらないのだ。雲母で言うところの彼女(犬)と言葉が通じるくらいの、桜小路で言うところの彼女(人間)と結婚するくらいの幸せだ。
   そんなこんなで、「☆ごぉです☆」の、五周年記念パーティーのリハーサルとhoperの初東京ドームライブまで十日となった。ある夜、蓼丸は麗亜と電話をしていた。何週間かぶりの電話だ。
「もしもし？賢太郎くん！」
「おぉー！久しぶり！この間の第２７５話、すげぇ可愛かったよ！」
「うふふ、ありがと。賢太郎くんもこの間のＭバラ(Musicバラエティという番組の略)すごいかっこよかった！！」
二人とも、ただのガチファンだったのが、すっかり馴染みだ。しかし、三次元と二次元の会話なんて次元を超えている。
「賢太郎くん……。」
「ん？どうした？」
「……。会いたいよ。いくら声が聞こえても、いくら私が思っても、いつも画面の中。目を見てお話ししたことない。う……う……寂しいよ……。」
「な、泣かないでよ麗亜ちゃん……。麗亜ちゃん、あのさ……。」
そこで、蓼丸は意を決したように深呼吸した。
「麗亜ちゃん……俺と、付き合ってください！」
「つ、付き合う……？す、すごく嬉しいけど……どうするの！？」
「麗亜ちゃん、俺たちのこの関係を、世に公開しよう。正式にお付き合いしよう。」
「えー、誰も信じてくれないよ。」
「電話とか手紙のことは言っても信じてもらえないかもね。でも……」
蓼丸と麗亜は、蓼丸が考えた計画について、遅くまで語った。



アニドル10『ホパホパ行くぜぃ！！！！！！２０１６ in TOKYO』へ続く！