アニヲタとドルヲタ

うかかなむらる

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アニドル19『蟹!!!』

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 只今、hoperは雑誌の取材中。年明け初めに発売するアイドル誌だ。
「それでは、最後の質問なんですが、来年の抱負を教えてください。」
「来年の抱負……そうですねー、真面目なやつだと、ドラマにも出ていきたいですね。個人的なやつで、今年はもう21になるので、お酒に強くなりたいのと、『☆ごぉです☆』がそろそろ終わりそうな気がするので覚悟しとかないと。」
こういうのは一応面白いことも言っておくのが蓼丸だ。
 「お疲れ様でしたー。」
今日も1日が終わる。只今時刻午後6時。
「あ、賢ちゃん!」
桜小路が蓼丸を呼び止めた。
「ん?」
「ちょっと、どっかご飯食べ行かない?」
「おん、良いけど。なんで突然?」
「なんとなく。」
桜小路と蓼丸、昔はよく一緒に行動したものだ。
「えー!僕も行きたーい!」
真玉も話に加わってきた。
「おう、じゃあ、行こうぜ!」
「お疲れっしたー!」
「お疲れー!」
蓼丸、桜小路、真玉は楽屋を出た。
「この面子は珍しいね。」
蓼丸が言った。
「だね!だいたい僕はきらといるもん。」
「いつメンがいるとか、女子じゃん。」
「あはは!女子力男子!なんてね。こう見えて肉食系男子だよ、僕は!」
真玉がちょっとふてくされると、
「知ってるよ。」
と、桜小路と蓼丸は呆れた。真玉が女好きなのは昔からだ。
「えぇー!知ってた?で、どこ行くの?」
「どこでも。」
蓼丸は適当だ。
「じゃあ……肉を食おう。」
「優也さん肉好きっすね。ほいなら、そこのしゃぶしゃぶ!」
「しゃぶしゃぶするの面倒臭い。」
「ゆーやー!じゃあ自分で決めてくれ!」
「俺んち。」
「なぜ!?」
「近いから。」
「たしかに。」
「ゆーやさんの家になんか食べ物あるの?」
「昨日実家から蟹がどっさり送られてきたよ。」
真玉と蓼丸の目がギランギランに輝き出した。
「ちょっとぉ、そういうのは早く言ってくださいよー!!」
「このこのー!」
桜小路は呆れたように、
「ほら、言ったらウザくなるだろ。」
「ウザくて悪かったな!」
「よし、行こーー!」
真玉と蓼丸に「ウザい」は無効のようだ。

 桜小路宅にて。
「はにほらいふふひ!?」
真玉が幸せそうにそう言っている。
「何言ってるか全然分かんない。」
桜小路は頭を抱えている。
「俺はあの時どうしてしゃぶしゃぶを拒んだのだろうか……。」
「ドンマイ、ゆーやたん。ちなみに、さっきの真玉のセリフは「蟹とかいつぶり!?」だと思うよ。」
「せいかーい!」
蓼丸恐るべし。
「よく分かったねー!」
「こういう描写、アニメでよくあるじゃん!」
「あー。」
そういうことか。桜小路と真玉は不思議と納得した。その後3人残りの蟹3を食べ尽そうと、鍋にぶち込んだ。
「そういえば賢ちゃま、最近麗亜様とはどのようなご様子で?」
真玉がそう聞いた。hoperはなぜこんなにも呼び方をコロコロと変えるのか。参考までにも、賢ちゃん、賢ちゃまは蓼丸、優也さん、ゆーや、ゆーやたんは桜小路だ。
「それだよな……これからどうなるんだろうなぁ。俺的には、これからもっと俺たちの絆は、いや、愛は!深まるんだろうけど、これで本当にいいのかっていうところがね。麗亜ちゃんはもちろん日本中、いや、世界中の!麗亜ちゃんだし、俺も仕事柄みんなの物じゃん、言ってみれば。そんな2人が繋がって、ファンは喜んでくれるのか……なって。」
真玉と桜小路は顔を見合わせた。


[……いいのかな、これ。]
[今更引いてどうするの?中途半端でしょ!]
[これが本当に彼らの幸せにつながるのかなぁ……って。]
[僕もそれが心配だな。]
[そんな事言ったって!もう事は動き出しちゃってるの!]
[とりあえずまだ様子見だろ。]
[時間はあんまりないんだからね。]
[分かってるよ。]



アニドル20『凛奈&翔』に続く!
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