戦隊ヒロイン16

うかかなむらる

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あったかくて優しいその香りに包まれて、僕は君に恋をしている。

第133話

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 数時間後の午後4時。翼の様子を見に行ってみる。翼は、僕がドアを開けた音で目を覚ました。
「あ、ごめん。起きちゃった?……体調はどう?」
「……寒い。」
「熱が上がったのかな。」
僕は再び翼に体温計を渡した。翼は体温計は受け取らずに、僕の手首を掴んだ。
「ど、どうしたの?測って。」
「……賢大、ここに来て。」
翼は、自分が寝ているすぐ横をぽんぽん叩いた。僕が座ると、翼は寝そべったまま僕の腰に抱きついた。
「……あったかい……。」
翼が、僕の背中に頬ずりをする。や、やばい……マジでかわいいと思ってしまった……。
「賢大、好きだよ……。」
ドキッとした。すごく真剣なトーンの"好きだよ"。薄々感じてる。翼が言う"好き"と、僕が感じる翼への"好き"が、違うという事を。
「……賢大が教室に居ないと、寂しい……。」
僕は行き場のないこの気持ちを押さえつけて、翼の頭を撫でた。
「……賢大は僕の事、好き?」
「好きだよ。」
「……友達として?」
うん、そうだよ。とは、言えなかった。
「……僕は、賢大の事が好き……。」
そう言って、翼はまた眠りについた。抱きしめられたままで動けない僕は、いや、複雑な気持ちに圧縮されて動けない僕は、ベッドに腰を下ろしたまま、俯いた。
 結局、翼は迎えに来てもらって6時くらいに家に帰った。そのすぐ後、姉ちゃんも帰宅した。
「あ、おかえり。」
「ただいま~。ご飯買って来た~。」
「あ、サンキュ。」
「……どした?」
えっ。姉ちゃん鋭っ。
「あ、あとで、ご飯の時に話す。」
「そう。」
姉ちゃんは、そう言って洗面所に行ってしまった。
 そして、ご飯の時。
「で、何があったの。」
「……こ、こんな事、姉ちゃんに言ってもどうしようもないんだろうけどさ……翼が、僕の事を、好きって……ね、熱だったからテンションがおかしかったのかもしれないけどね……。」
「そりゃ。翼くんは好きでしょ、賢大が。」
「いやっ、そ、そうなんだけどね……ど、どうしたらいいのかなぁ。」
「賢大がどうしたいかだよ。」
「……僕は、翼の事を、その……恋愛対象として見た事は無いけど、でも、好きなことは好きだよ……だから、えっと……傷つけたくはないんだけどね……うーん……。」
頭がグルグルしてくる。
「恋愛対象、ねぇ……。翼くんの気持ちは、本当に、恋愛的な好きなの?」
「……た、多分。」
「まずはそれを確認してみなよ。」
「……そ、それは……。」
「怖いの?」
「……。」
「賢大がずっと友達で居たいなら、そうすれば良いのよ。何があっても。絶対に裏切らなければ、それで良いんだよ。……まぁ、賢大が諦めるって言うんなら、私が貰うけど。」
「えっ……それは、なんか……。」
「冗談だよ。」
姉ちゃんは軽く笑い飛ばすと、僕の目を真剣に見つめた。
「翼くんの事が大切なら、真剣に、よく考える事が一番大事だと思うよ。」
「……うん、ありがとう……。」
…翼の風邪が治ったら訊いてみよう。

 そして、月曜日になった。翼はすっかり元気になっていた。
「おはよう、翼!」
「あ、お、おはよう。」
さっと僕から目を逸らす。
「もう風邪は大丈夫?」
「あ、うん。賢大のおかげ。」
「僕は何もしてないよ~。」
いつもみたいなガツガツした"賢大が大好きです"アピールがない。なんか、寂しいな。……なんでだよ。
「あ!!」
僕は、大変な事を思い出した。
「今日、朝補習の前に委員会の話し合いがあるんだった!!ごめん翼、先に行くね!」
僕は、翼に手を振って走っていった。こんな時にごめん、翼。


○本日の出演キャラ
・田中 賢大(16)
・高畑 翼(16)
・田中 明乃(18)



To be continued…
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