戦隊ヒロイン16

うかかなむらる

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第68話『恩返しのタイミング (2)』

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 クラスのみんなで影に並んで座って、翼の帰りを待つ。
先「水分補給したい人はして来ていいぞー。」
 3分後。
女子C「高畑くん、遅くない?」
うん。遅い。倉庫は体育館の裏の方にあって、確かに遠いは遠いけれど……。
 さらに2分後。
先「おかしいな。」
先生のその言葉に、思わず立ち上がってしまった。嫌な予感がする……翼に何かあったのかもしれない。
先「……た、田中?」
け「僕、翼を呼んできます。」
僕は、倉庫に向かって駆け出した。

 はぁ、疲れた~……。倉庫って、結構遠いなぁ。体育係って本当だるいわぁ。なんでじゃんけん負けちゃったんだろ。ま、体育の授業以外で仕事が無いのは嬉しいんだけどね。うわ、倉庫暗っ。サッカーボールはどこに直すんだ?っていうか……頭痛ヤバイ……。やっぱり昨日熱あったのに学校来たのがダメだったかなぁ……。でも今日、母さん家にいないし……。学校に、行ったほうがいいだろ。汗……すっごいなぁ……はぁ……頭……いてー……。

ガッシャーンッ

痛……。

 あーもう!倉庫遠いよ!なんでこんなに遠いんだよ!
「はぁ、はぁ、はぁ……。着いた。」
あれ。倉庫の電気、点いてない……?
「つ、翼?いる?」
「……う。」
足元で呻き声がした。まさか……。
「翼!?」
翼は、ほぼ床に倒れたような状態で壁にもたれていた。ぐったりと目を閉じている。
「えっ、だ、大丈夫!?」
倉庫の電気を点ける。
「えっ、血?」
翼の額から、ほんの少しではあるけれど出血していた。な、なんで!?
「翼!?翼!翼!!」
翼の肩を叩く。俺の脳裏に、今日の2時間目に保健の授業で習った、熱中症の知識がよぎった。汗がすごいし、息も上がってるし、もしかしたら翼は熱中症かもしれない。なんで出血してるのかは分からないけど……。
「はぁ……はぁ……け……んた……?」
ほんの少し、翼の目が開く。
「あっ、翼!?大丈夫?何があったの?どうしたの?どうあるの?」
「……え、えっと……はぁ……はぁ……。」
「あ、ご、ごめん、無理しないで。」
「……えっとね……暑い……くらくらする……頭が、痛い……気分……悪い……喉……乾い……た……。」
翼の意識が遠のいていく。どうしよう、早く先生を呼ばないと!
「先生呼んでくる!すぐ戻ってくるからね!絶対に、動いちゃダメだよ!」
「ん……。」
いや、待てよ。その前に、えっと…….影に連れて行って、いや、ここは影だから、えっと、あ、暑くないように、洋服を脱がさないと!……あのマットの上に運ぼう!
「翼、ちょっと、僕に掴まれる?」
あ、意外と重い……。僕は、マットに寝かせた翼の体育服を、出来るだけ上にあげた。翼の身体が、すごく熱い。
「け……た。」
「ど、どうしたの?」
「……早く、戻ってきて……ね。」
「……うん、分かった。ちょっと待っててね……翼。」
校庭に向かう。初めて見る翼の弱った姿に、胸が張り裂けそうだった。視界が霞む。あーもう!男だろ!泣くな泣くな!……大丈夫かな……。
「先生!!」
校庭には、先生しかいなかった。授業はもう終わったらしい。先生は待っててくれたんだ。何かあった時に入れ違いにならないように、ずっと校庭で。
「翼が、翼が、熱中症……。」
「倉庫か!?」
「うん、そう、どうしよう、翼が……。」
「分かった。保健室の先生を呼んでくるから、田中はあそこにあるペットボトルを高畑に飲ませておいてくれないか。」
「うん。分かった。」
ペットボトルを持って、もう一度倉庫に走る。待っててね、今行くから。


*本日の主要人物紹介*
・田中賢大
・高畑翼
・先生

※作品の雰囲気を守るために、一部「」前の頭文字を割愛いたしました。

☆次回☆
翼、どうなる。



To be continued…
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