戦隊ヒロイン16

うかかなむらる

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第63話『浜辺 1』

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 午後5時49分。机に座って、宿題を取り出す。電気スタンドの灯りをつける。で、シャーペンを持つ。こういう静かな1人の空間だと、どうしても思い出してしまう。

「……なっちゃん、俺がいなくなっても寂しくないっしょ?早く教える必要ないっすよ。」

「……好きだよ。」

あの日、アプリコットが私に言った言葉、一つ一つ。どうして別れ際にそんなこと言うの。伝えるつもりではなかったの?でも、別れることになってやっぱり言っておこうってなったの?……嬉しいはずなのに、私は悲しいよ。悲しい……さみしい。「恋」なんて初めてだから分からないけど、アプリコットに抱きしめられて胸の奥が締め付けられたあの感じはきっと恋なんだと思う。だって、好きって言っちゃったし。……アプリコットに逢いたい。いつもだったら隣の部屋にいて、うるさいよって……宿題に集中できないでしょって……言うのに……なんでこんなに静かなの……なんで……近くにいないの……宿題が濡れちゃうよ……もう……泣かないでよ、私……。

コンコン

じ「夏湖様、お電話ですよ。」
じいやがドアを開ける。私は急いで顔を拭った。
夏「あ、携帯リビングに置きっぱだったのね。ありがとう、じいや。」
じいやは、私の頭を撫でた。
じ「今日の夜は、何が食べたいですか?」
夏「……じいやが作ったものなら、なんでも食べるわ。」
じ「左様ですか。」
じいやは、微笑んで部屋を出ていった。全て分かってる感じなのね。さすがだわ。あ、電話が来たんだった!私は、電話に出た。あ、相手を確認するの忘れてた。
夏「もしもし。」
?「もしもし?お久しぶりっす。」
鼓動が高鳴った。聞き慣れた、低い声。涙が出そうになる。
ア「なっちゃん?」
夏「あ、う、うん!久しぶり!どうしたの?」
ア「ちょっと暇になったんで、電話してみたんすよ。出てくれて良かった。」
夏「あ、そ、そうなのね!」
ア「なっちゃん。」
アプリコットが、突然トーンを落とす。
夏「な、何?」
ア「元気っすか。」
夏「え、う、うん!元気!」
ア「本当に?」
夏「元気!」
嘘……。私の頬はもうびしょびしょ。
ア「なら良かった。……なっちゃん、次の日曜。」
ドキッとする。ま、まさか。
ア「暇?」
せっかく閉めた私の瞳のダムが再び開かれる。
夏「あ、う、うん。暇。暇だよ!」
ア「俺、人間界に遊びに行くからさ……デートしようか。」
うわぁっ!ど、どうしよう。すごくドキドキしてる。心臓が出そう。
夏「うん!わ、分かった!うん!する!しよう!」
ア「喜んでくれて良かったっす。詳しくはまた連絡しやすね。じゃ、また。」
夏「うん!バイバイ!」
……うわぁぁ!!デート!デート!?デート……!?ど、どうしよう。で、デートって何するのかな。何を着て行ったらいいの?ど、どうましょう。は、はるちゃんに聞いてみよう!


*本日の主要人物*
・谷口夏湖
・加藤アプリコット
・じいや

☆次回☆
はる先生にデートの極意を伝授してもらいましょう!



To be continued…
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