聖女(性女)様と一緒 ~悠々自適の一人旅が、波瀾とエロに満ちた珍道中に~

ぐうたら怪人Z

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第3話 聖拝の日

③ 仕掛けられた罠(H)※

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 セリーヌ夫人の家で、一夜が明けた。
 日が昇って早々から、エルミアは部屋にこもり、祈りを捧げている。
 凛とした顔で聖言と共に拝み続ける少女の姿は、とても魅力のある光景であったが、何時までも見ているわけにはいかない。
 そんなわけで、ヴィルは居間へと顔を出すことにした。

「――あら、ヴィルさん、おはようございます」

 入ると、セリーヌから挨拶が。
 そちらの方を向き、ヴィルも挨拶を返す。

「おはようございます、セリーヌさっ――ん」

 台詞の最後を、上手く言えなかった。
 何故なら、婦人が昨日とはまるで違う出で立ちだったからだ。

 ロールアップだった髪は下ろされ、ストレートロングへ。
 鮮やかな黒い髪が、彼女の動きに合わせて流れている。
 顔は薄く化粧が施され、表情も明るく、前に感じた陰鬱な雰囲気が無くなっていた。

(別人、とまでは言わないが……)

 よく似ている違う人、と言われれば信じてしまうかもしれない。
 それ程までにイメージが変わっていたのだ。

(それに――その、服も――)

 変化は、顔だけでは無かった。
 服装も、だ。
 いや、服装こそ最も変化が激しかった。

 キャミソールにロングスカートという格好なのだが、まず胸元が大きく開いている。
 おっぱいの上半球が丸々見えてしまうくらいに。
 セリーヌのたわわに実った2つの果実が、これ以上なくエロく強調されていた。

 それと、生地。
 白色をメインとした服なのだが――透けている。
 結構な勢いで透けている。
 流石にぱっとすぐに分かる程ではない。
 しかし、目を凝らせば本来服に包まれているセリーヌ夫人の裸体を薄っすら見えてしまう。

(胸も尻も、エルミアより随分と大きいな――ああ、いやいや)

 それでいて、形が崩れていない。
 なかなかのプロポーションだった。
 いや、エルミアはエルミアで均整の取れた身体つきであるのだが、単純なサイズでは婦人に軍配が上がる。

(し、下着は黒か――)

 ……別に、確認しようとしたわけではないのだ。
 単に、見えてしまっただけ。
 セリーヌが纏う、黒いレースの下着が。

(い、色合いの問題でだね)

 意味も無く心の中で弁解を試みる。
 肌色の中に黒というのは、コントラストの関係でよく映えてしまうのだ。
 本当に。
 他意は無い。

 ――と、こんな具合にヴィルが固まっていると、セリーヌが近づいてくる。

「ちょうど良かったですわ。
 今、朝食の用意ができたんです。
 どうぞ、食べていって下さいませ」

「あ、ああ。
 ありがとう、ございます」

 夫人に手を握られ・・・・・、そのまま席へと連れていかれる。
 少ししっとりとした肌が、暖かかった。



 実際、朝食はすぐに用意された。
 ただ――

「――あの」

「どうされました?
 さあ、召し上がって下さいな」

「――はい」

 一先ず、ヴィルは気にしないことにした。
 セリーヌが、青年のすぐ隣・・・に座ったことを。

(ち、近すぎるだろう、これは……)

 普通、対面辺りの席にするものじゃないのだろうか。
 この辺りに伝わる風習か?

 しかも、ただの隣ではない。
 身体を少し横に揺らせば、触れ合ってしまう・・・・・・・・位の“隣”だ。
 息遣いすら、聞こえてしまう。

(そ、それにこの位置からだと……見えてしまう……)

 チラリと、視線を夫人の胸元・・に移せば。
 大きな乳房のその先に、他とは色合いの異なる箇所が。
 ……乳輪が、一部顔を見せてしまっている。
 ちょうど、キャミソールの内側を覗きやすい角度なのだ。

「あ、サラダを取り分けますわね」

「ど、どうも……」

 セリーヌ本人はそれを知ってか知らずか、微笑みながら食事を勧めてくる。
 ……気のせいだとは思うのだが、こちらに見せつける姿勢を多く取っているようにも思えた。

(自意識過剰なせい。自意識過剰なせい)

 ヴィルは自分に言い聞かせる。
 まさか、彼女が自分を誘惑してる・・・・・なんてことは無いだろう。
 旦那が死んでから、まだ1年しか経っていないのだ。
 他の男に色目を使うようなことをしていると、そう考えるのは失礼に当たる。



 ――朝食は、つつがなく終了した。
 途中、食べ物の一部がセリーヌの胸へと落ちることが幾度か・・・あったが、それ以外には何もない。
 信じて欲しい。
 何もない。

(…………す、少しだけ、ポロリもあったけれど)

 胸の谷間に人参が入り、慌てたセリーヌがキャミソールの胸元をさらに広げて。
 その時、彼女の“乳首”がはっきりと見えてしまった。
 柔らかそうな、おっぱいの全体像も。

(す、すぐ他を向いたから)

 一瞬だけだ。
 ほんの一瞬だけ、見てしまっただけなのだ。
 だから――不問として貰いたい。

 誰に対するものか、ヴィル自身分かっていないが、ともかく彼は言い訳を続けていた。
 無論、心の中で。
 こんなこと口に出したら相当やばい。

「ヴィルさん、食後のお茶はどうですか?
 うちの畑で採れたもので――自分で言うのもなんですが、良い味ですわよ」

「すいません、何から何まで」

「いえいえ。
 ナニからナニまで、わたくしにお任せ下さい」

「…………?」

 今、ニュアンスが変だったような。
 ……まあ、些細なことだろう。

 セリーヌはキッチンでお茶を淹れると、ヴィルの所まで持ってきてくれた。
 青年の前にお茶入りのカップを置く、その時。

「あ、手が滑ってーー」

 なんだか棒読みな台詞を口にしたかと思うと、夫人の手からカップが落とされた。
 ヴィルの、腰辺りに向かって。

「おっと」

 青年はそれを空中で・・・キャッチ。
 無論、中身は一滴も零さない。
 この程度の芸当、朝飯前だ。
 ヴィルは改めてカップをテーブルに置くと、

「危なかったですね」

「………………ちっ」

「っ!?」

 今の舌打ちは何だ。
 しかし当のセリーヌは、何をするでもなくすぐ頭を下げてくる。

「あ、いいえ、すいません、わたくしったら。
 なんだか緊張しているのかも」

「緊張、ですか。
 俺は聖女のお供に過ぎないので、そう畏まらなくとも――」

「――貴方みたいな、素敵な男性を前にして」

「っ!?」

 ぼそっと、耳元で夫人が囁いてきた。
 ぞくっとするような、色っぽい声で。

(お、お世辞、なのか――?
 いや、お世辞だよな!?)

 うん、そうだ。
 そうに違いない。

 ヴィルはそんな感じに自己完結すると、ちょっと震える手でお茶をすする。
 言うだけあって、いい味ではあった。



 それからしばし、2人で談笑する。
 セリーヌは、ヴィルのことを色々と根掘り葉掘り聞いてきた。
 青年は、当たり障りが無い程度にそれへ答える。
 騎士らしい活動には事欠かなかった・・・・・・・ので、話題には苦労しなかった。
 ただ、少々自分について聞きすぎなのではないか、という疑念も。

(……まあ、エルミアのことを聞かれるよりはマシなんだが)

 何せ、ヴィルはお供の騎士などでは無いのだから。
 下手なことを言って、それがバレてしまわないとも限らない。

(しかし、そんなことは今どうでもいい)

 談笑の内容など、現在の青年にとって些細な事だった。

(今、問題なのは――)

 意を決し、ヴィルはセリーヌに話しかける。

「……セリーヌさん。
 流石に、近すぎじゃないだろうか?」

「あら、そうかしら?」

 恍けた様子で、夫人。
 だがもう、今の状態は誤魔化しの利くものではなかった。

 ――密着している。
 2人は、普通に密着している。

 セリーヌは、ヴィルの膝に手を、肩に顎を乗せてしな垂れかかってきていた。
 そんなことをすれば、吐息が耳をくすぐる。
 胸だって青年の身体に当たる。
 柔軟な感触が、ヴィルの腕に押し付けられていた。

 夫人は、不思議そうな顔で言葉を続ける。

「これ位、普通ですわよ」

「いや、普通じゃない。
 いくらなんでも、普通じゃない」

 気分が追い詰められ、丁寧語からいつもの口調に戻ってしまった。
 セリーヌはさらに、ヴィルの腕へと抱き着いて、

「――仮に普通じゃないとして。
 ヴィルさんに、何か不都合がありまして?」

 肢体を、青年に擦りつけてくる。
 体のあちこちで、夫人の“柔らかさ”を感じられた。

(ふ、不都合も何も!)

 胸中で嘆く。
 もう、いっぱいいっぱいだった。
 ヴィルは、不能でも何でもない、健全な一般男子なのだ。
 身体の“一部”が固くなろう・・・・・とする衝動を、必死の思いで抑えていた。

 正直なところ、ここで彼女を襲ったとしても“合意”なんじゃなかろうかという考えも浮かんできたが――

(エルミアが、居る――!)

 彼の脳裏に少女の姿が浮かび、自制する。
 誰かに褒めて欲しいくらいの、鋼の精神力であった。

「………………存外に手強いですわね」

 またしても、小さくセリーヌが呟く。
 何が手強いというのか。
 そして、チラっと青年の股間を見たのは何故なのか。

「そうだ、美味しい茶菓子もありますのよ。
 是非、ご賞味して欲しいですわ」

「そ、そうか。
 じゃあ、貰おうかな」

 セリーヌが茶菓子を持ってくる=ヴィルから身体が離れる。
 頷かないわけにはいかなかった。

 青年の目論見通り、夫人は席を立ち、すぐ近くにあるタンスを探り始める。

(――うっ!?)

 そして、ヴィルは自分の甘さを痛感した。
 セリーヌは、タンスの中に頭を入れた姿勢をとったのだ。
 そうなると自然、前屈みになり――夫人のヒップが、ヴィルに向かって突き出される格好となった。
 真っ直ぐ、青年へと尻が向けられる。
 まるで、計算されていたか・・・・・・・・のように。





(で、でかいな――しかも、柔らかそうだ――)

 目が釘つけになった。
 先述通り、セリーヌの履いたスカートは透けている。
 なので、黒いレースの下着に包まれた丸くて大きいお尻を目の当たりにできた。
 しかも黒ショーツは、尻の割れ目へ食い込んでいる。

「あらあら?
 わたくしったら、どこに仕舞ったかしら?」

 見つからないのか、セリーヌはなかなか顔を上げない。
 未だ、引き出しの中を探している。

(……お、おいおい)

 どういう探し方をしているのか、婦人は尻を左右に振り出した。
 ふりふりと、大きなヒップが煽情的に揺れる。

(――お、おお)

 ヴィルは、股間に血か集まってくるのを感じた。
 むくむくと、イチモツが立ち上がっていく。
 セリーヌの目が無い分、気が緩んでしまい、抑制が効かない。

(――ま、まずいぞ。
 早く鎮めなければ!)

 精神を集中し、心を落ち着かせる。
 何とか昂りを消そうと、一心に煩悩を払おうとする――のだが。

「よいしょっと」

 聞こえた、夫人の声。
 ついつい、そちらを見てしまう。

(―――おいーーーっ!!!)

 心で絶叫。
 何を血迷ったか、セリーヌはスカートを捲り上げたのだ。
 生地越しではない、生尻が姿を現す。

「うーん、こっちの方だったかしら?」

 さらに、夫人は姿勢を微妙に変え――股を開いた。
 尻だけではなく、恥丘まで丸見えだ。
 そして――

(――ぬ、濡れてる……!?)

 彼女の股が――ちょうど女性器がある部分が、じっとりと濡れていた。
 セリーヌは、愛液を漏らしていたのだ。
 おそらく、ヴィルと会話している最中、ずっと。

(あああああああああっ!!?)

 青年の股間は、もう収まりが付かなくなっていた。
 ギンギンに勃起した愚息は、ズボンを大きく隆起させる。
 萎れる気配など、微塵も無い。
 逆に、今すぐにでもあの女へぶち込んでやりたい、という衝動に駆られる始末。

(いかん、こんなところを見られては――)

 何を言われるか、分かったものでは無い。
 どうにかコレを隠そうとするヴィルではあったが、

「お待たせしました、ヴィルさん」

 何ともタイミング悪く――見計らったかのような・・・・・・・・・・タイミングで、セリーヌは戻ってきた。
 すぐ、青年の“変化”に気付いたらしく。

「ああっ!? ヴィルさん、あそこを、そんなに――!?」

「い、いや、これはその……」

 いい弁解の言葉など思いつかず、あたふたとしていると。
 夫人はヴィルに近づき、彼の股間を覗き込んでくる。

「こんな、勃起されているだなんて――」

「えー、これはだな、決してやましい気持ちからのものでは……」

 一応言葉は口にしてみたものの、説得力がまるで無い。
 セリーヌは、ヴィルの股をそっと手で触れてきた。

「――ああ、大きい――なんて、凄い――」

「ちょ、待った!!
 セリーヌさん!?」

「――ヴィルさん、わたくしの身体で、勃起されたんですよね……?」

「あーっ、その、なんだ――――――はい」

 渋々、認める。
 他に原因らしきものなどこの部屋にないのだから、認めざるを得ない。

「では――わたくしがコレを鎮めて差し上げます」

 うっとりとした、それでいて艶のある声で、夫人はそう宣言する。
 ヴィルは仰天し、

「い、いやいや、結構!
 その必要はない!
 少しすれば、治るので!!」

「でも、苦しくは無いですか?
 辛くは無いですか?
 わたくしの責任ですから、わたくしが処理しますわ。
 よろしいでしょう?」

「大丈夫! 大丈夫だから!!
 放っておいて下さい!!
 ……そ、そうだ、稽古!!
 そろそろ剣の稽古の時間なので!!
 ちょっとそとで剣振ってこなければ!!
 稽古してれば、すぐ気持ちは静まるから、な!?」

 絡みついてくるセリーヌの肢体を、なんとか振りほどこうとするヴィル。
 夫人は青年を潤んだ瞳で見つめ、

わたくしでは、不満ですか?」

「そういう問題ではなくて!」

「……エルミアさんとは・・・・・・・・しているのに・・・・・・・・・?」

「――っ!?」

 一瞬、息が止まる。
 心臓を鷲掴みにされたようだった。

「み、み、見ていた、のか?」

「はい、昨日の夜、お2人がまぐわっているのを、この目で見ました」

「…………」

 何たる失態。
 またしてもエルミアに夢中になり過ぎ、察することができなかった。

「あの――これは、問題のある行為、ですわよね?
 清らかであることを求められる“聖女”が、殿方と淫行を重ねている、など」

「……脅すつもりか」

「いいえ、わたくし何も見ていませんわ・・・・・・・・・
 でも――わたくし、聖女様にお部屋を提供するという形で協力をしました。
 それは、貴方も認めて下さるでしょう?」

「……ああ」

「でしたら。
 多少なりとも、その“見返り”を頂いても、罰は当たらないと――そう、思うのです」

 ここで言う“見返り”とは何か。
 今までの彼女の言動を見れば、明らかだった。
 どれだけ物好きなのか、セリーヌはヴィルの身体を求めている。

 ……頭に浮かぶのは、エルミアのこと。
 ここで彼女の提案を受け入れるのは、簡単だ。
 しかし、それは少女への裏切りになるのではないか。

(別に、俺とエルミアは恋人同士というわけではない、が――)

 もう、これまでに何度も肌を重ねている。
 そんな相手を“ただの他人”と、そう断じることは、ヴィルにはできなかった。

 一方で、セリーヌの言っていることも分かる。
 ヴィルとエルミアの関係が明るみになれば、彼女の立場が危うくなる可能性は非常に高かった。

(言われるまで余り気にしてなかったけれども)

 その辺りは惚れた弱みということで許して欲しい。

 ともあれ、夫人を抱けば全て水に流れる。
 おそらく、彼女は嘘を言っていないだろう。
 ――ヴィルは、悩んだ末に答えを出した。

「分かった、貴女の言う通りにする。
 但し、エルミアが戻るまでだからな」

 その言葉を聞いた途端、セリーヌのにっこりと微笑む。
 悦びに満ちた、そして官能的な笑み。

「ええ、承知しています」

 夫人は、ヴィルへと深く頷いた。


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