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第4話 黒幕現る 第一部 完
③ 修道女ロアナ(H)
しおりを挟むヴィルとエルミアは引き続き寝室へ籠り、作戦会議を行っていた。
「さて、問題なのは、どうやってグレッグ司教が黒幕であることを証明するか、だ」
「普通に倒しちゃだめなの?」
「駄目だ。
そりゃ、真っ向から戦えば勝つのは容易だが――」
「――よ、容易なんだ?」
何故か、エルミアが少し引いている。
やはり、荒事にはまだ慣れていないのだろう。
「この教会に配備されている衛兵の数は、それ程多くなく、見たところ練度も低い。
正面から行っても、苦戦はしないだろうさ」
「…………一応、正規の聖堂騎士とかも配備されてるんだけど」
「んっ? 何か言ったか?」
「な、なんでもない!」
ぼそぼそっと少女が呟いた気がしたのだが、然程重要な内容ではなかったらしい。
「しかし、ただ倒しただけでは意味がない。
グレッグは、凶刃に倒れた司教として生涯を全うしてしまう。
そして、俺は敬虔な司教を殺した犯罪者として追われる生活が始まるわけだ。
正直、あまり面白い展開とは言えないな」
「……それもそうね」
「だから、証拠が必要なんだ。
何せ、グレッグ司教が犯人というのも、結局のところ推測でしかないわけだからな。
まず間違いないとは思うが、万一の可能性だってある。
ただ――そう簡単に証拠を掴ませてはくれないだろうが」
今日一日のグレッグ司教の行動を見るだけで、それは簡単に想像できた。
やり方はどうあれ、策謀への手腕は一流だ。
(――政治家にでもなるべきだな)
そんな思いすら浮かんでくる。
はっきり言えば、ヴィルにとって不得意なタイプの相手だ。
「……証拠ってさ。
物証とかじゃなくてもいいの?
誰かの証言、みたいな」
「物証があるのが一番だが――証言でもやりようはあると思う。
この国で聖女の人気は相当高いようだからな。
第三者の発言に君の同意を添えれば――」
少なくとも、民衆は動くはずだ。
そして多くの民が騒ぎ出せば、“上”だって無視できない。
勝機は十分あると考えられる。
ヴィルの考えを聞いて、エルミアはこう続けた。
「――だったら、何とかなるかも。
ねえヴィル、ロアナともう一回お話できないかしら。
勿論、グレッグ司教の同席は無しで」
「ロアナか。
見たところ、彼女は傀儡としてきっちり仕込まれてる。
口を割らせるのは難しいと思うが」
「言ったでしょ。
私、あの子とは結構付き合いがあるから」
友人として、あの少女と話ができるかもしれない、ということか。
エルミアには、ロアナから証言を得られる勝算があるようだった。
ならば――
「――分かった。
なんとかしてみよう」
一つ頷いて、ヴィルは行動を開始した。
「連れてきたぞ」
「――早っ!?」
戻ったヴィルに、エルミアはそんな言葉を投げかけた。
「出てってから一時間も経ってないじゃない!?
そんなに早く、あの子を連れ出す許可がおりたの!?」
「許可なんておりるわけ無いだろう。
勝手に連れ出したんだ」
ヴィルは、肩に担いでいた少女をベッドへと降ろした。
ロアナは、静かに息を立てて眠っている。
「勝手にって、見張りが何人もいたはずだけど……」
「全員眠らせた」
「――こ、交代要員とかもいるんじゃ?」
「そっちも眠らせた」
「……眠らせたって、まさか“永遠に覚めない眠り”とかじゃないわよね?」
「はっはっはっは」
ヴィルは朗らかに笑う。
「――さ、彼女を起こそうか」
「ちょっとー!!!?」
「冗談だ」
魔法で少々眠らせただけである。
明日の朝には起きるだろう。
「そんなわけだから、尋問には早朝までという時間制限がある」
「それまでに返してこないと大騒ぎってことね。
……そ、それにしたって、何て滅茶苦茶な」
ぶつぶつ言うエルミアだが、時間に余裕がないことは理解したようだ。
ロアナに近づくと、彼女を起こすべく身体を揺さぶる。
「――ん、んん――――――っ!!?
――え、エルミア」
少女はすぐに起きた。
そして目が覚めて即、自分の状況を把握したようだ。
無感情な顔をつくり、ヴィルとエルミアを見返してきた。
なかなか聡い子である。
「――何の御用ですか。
――ギリー司祭を殺したわたしを、自ら制裁しようと?」
「そんなわけないでしょ、ロアナ。
私はね、貴女から真実を聞きたいの」
ロアナを前にしても、エルミアは聖女モードには戻っていない。
この2人の付き合いが内外のは、確かなようだ。
「――真実、ですか。
――全て、告白した通りです」
「嘘をつきなさい。
貴女がそんなことを考えるわけないじゃない。
私とロアナ、何年の付き合いだと思ってんの。
……ねえ、このままだと、聖女殺しの首謀者として極刑になってしまうかもしれないのよ?
ロアナは、それでいいの」
「――何を言うかと思えば。
――わたしは、わたしの“信仰”に従い行動しました。
――それが裁かれるというのであれば、わたしは喜んでその裁きを受けましょう」
「……相変わらず、頑固というかなんというか」
エルミアが嘆息する。
とはいえ、この反応はヴィルの想定範囲でもあった。
簡単に秘密を話すようであれば、自分達の前へ少女を連れてこないだろう。
グレッグは、ロアナが何も喋らないと確信しているのだ。
……よく、躾けられている。
ヴィルはエルミアへ声をかけた。
「どうする?
当てが外れそうだぞ」
「平気平気。
私だって、これ位で話してくれるなんて思ってないから。
尋問は、ここからよ」
言って、彼女はロアナの拘束服を脱がし始めた。
「んっと、脱がしにくいわね、コレ」
「――な、何をっ?」
「何をしてるんだ、君は!?」
ロアナとヴィルが、同時に叫んだ。
エルミアはきょとんとして、
「何って、服を脱がしてんの。
ほら、ヴィルも手伝ってよ」
「え、えー」
青年は、戸惑いの声を上げる。
しかしエルミアの方は、早く手を動かせと言わんばかりだ。
「ほら、口で聞いても分からないなら、身体に聞くしかないでしょ?」
「……拷問でもするのか?」
「まさか!」
会話してる間にも、エルミアは手際よく服を脱がしている。
子細は分からないものの、ヴィルもとりあえず手伝うことにした。
あれこれ議論する時間がもったいない。
ここは、彼女を信用することにしたのである。
数分後。
「んー、いい格好になったわね、ロアナ?」
「――え、エルミア。
――わたしに、何をするつもりですか?」
ベッドの上には、生まれたままの姿になったロアナが居た。
ただ、暴れられると困るので手足はロープで縛っている。
少女の肢体は、凹凸の少ないものであった。
ただ、きめ細かい肌や、小ぶりながらもしっかり存在を主張する胸、そして先端にある綺麗な色合いの乳首、等々、魅力のない身体では決してない。
髪をボブに切り揃えた、あどけない容貌とも併せ、そっちの趣味を持つ人々にとってはエルミア以上に劣情を催すかもしれない。
(俺はそういう趣味じゃないがな!)
心の中で言い訳をする。
ヴィルがロアナの裸を見ているのは、彼女がエルミアに何かしないか、見張るために過ぎないのだから。
「さ、もう一度聞くわよ、ロアナ。
貴女が知っていることを、話して」
「――話すことは、何もありません」
「そう……残念ね」
エルミアはロアナの胸に手を伸ばすと、その先端を指先で弄り出した。
「――あっ――あっああっ――」
途端に、ロアナは喘ぎだす。
「ふふ、相変わらずいい感度ねー」
「――エルミア。
――貴女、聖女になっても――ん、んんんっ――その性格、変わっていないのですか。
――あ、ああ、あぁああ――あっああああっ」
「喘ぎながら文句言っても説得力ないって。
どう? 少しは喋る気になった?」
「――そんなわけ――あ、あぁああ――な、無い、です――ああ、あぁぁあああ――」
両手で、少女の先端を抓むエルミア。
彼女の責めで、ロアナは面白い様に嬌声を発した。
(……えーっと)
つっこみどころがあり過ぎて、頭が整理できない。
とりあえず、ヴィルは疑問を一つ、エルミアへ問いかけた。
「……なんだか君、手慣れ過ぎてないか?」
「そりゃそうよ。
修道院時代、この子の身体を開発したのは誰だと思ってるの?」
「……君だとは思いたく無かったなぁ」
修道院に居た頃の彼女達は、いったい何をして過ごしていたのか。
……ナニをして過ごしていたのかもしれない。
「昔から、君はその――アレな感じだったのか」
「何よ、アレな感じって」
「そのままの意味だ」
言って、嘆息する。
もっと、友情とかそういういモノを使って説得するのかと思っていたのに。
「だいたいコレ、拷問だろう」
「何言ってんの。
あくまで身体を使った“コミュニケーション”よ!」
「そんな無茶苦茶な……」
ヴィルは頭を抱えた。
「――あの。
――嘆くのであれば、エルミアを止めて貰えると助かるのですが」
そこへ、ロアナから懇願が届く。
ヴィルは少女の方へ向くと、
「え? ああ、いや。
俺も最後の手段として拷問は考えていたからな。
別に、それをする自体に異議は唱えないさ」
「――そ、そうですか」
あっさり彼女の希望を打ち砕いた。
まあ、ロアナにしてみても、手足を斬り落とす類の苦痛より、快楽による責めの方が受け入れやすいだろう。
少しだけ表情が曇った少女に、エルミアが語り掛ける。
「ふっふっふ。
それじゃ、続きよ。
ロアナの弱いところは、ぜーんぶ知ってるんだから。
いつまで耐えられるのか、見物ね?」
「……なんか、凄く悪女っぽいな」
ヴィルのツッコミは無視された。
エルミアは、手をロアナの股間に――何も生えていないソコへ移すと。
指を彼女の“中”へそっと挿し込む。
「……あー!?
処女膜、無くなってる!
誰よ、私のロアナへ勝手に手を出したのは!?」
(そこ、驚くところのか)
基本的に修道女は淫行を禁止されている。
処女じゃなくなっているというのは、彼女らにとって大変なことなのかもしれない、が。
エルミアを見ていると、余り実感は湧かない。
「――だ、誰が貴女の、ですか――ん、んんっ!
――わたしが誰に抱かれようと、わたしの勝手で――あ、ああっ!
――ま、待って下さい、そんな、中をかき混ぜられたら―――あっあぁああっ!!」
ヴィルの耳にも、クチュクチュという水音が聞こえてきた。
言うだけあって、エルミアはあっという間にロアナの身体を支配下に置いたらしい。
「――あっあっあっあっあ!
――い、いくら責めたって、無駄ですよ――ああっあっあああっ!
――わたしは、もう――んんっ!――昔の、わたしじゃないですから――あぁぁあんっ!?
――ほ、“本当の愛”を、教えて貰ったんです――あっあっあっあっあっ!?」
短い黒髪を乱し、ビクビクと肢体を反応させているロアナ。
無表情な人形だった少女は、もうそこに居ない。
幼さを大分残した可愛らしい顔が、淫らに蕩けていく様子は背徳感で満載だ。
気を付けないと、ヴィルの股間も反応してしまいそうな程に。
「本当の愛、ねぇ?
あの司教が、そんなものをくれるとは思えないけど?」
「――し、司教様は関係無い――ああぁああっ!!」
「ふうん、まだ粘るつもりなんだ?
それじゃ、一番感じちゃうとこ、行ってみようかなー♪」
「――あ、ああ――エルミア、まさか――」
ロアナの身体が固まった。
これから自分の身に起きることに恐怖してか。
それとも期待して、か。
彼女の淫猥に歪んだ顔を見るに、後者かもしれない。
エルミアは、少女の股に置いた手を少し動かし。
快感によって固く勃ち始めたクリトリスへと、指先を移す。
「じゃあ、いくわよ?
思いっきり、鳴いちゃってね♪」
そう言うと、彼女は爪先で、ロアナの陰核を掻き始めた。
「――あっ!!?
――あぁぁあああああああああああっ!!!!」
……甲高い嬌声が、寝室に響き渡る。
応援ありがとうございます!
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